BMW Mモデル▲2022年9月に東京の六本木ヒルズで行われたM生誕50年を祝うイベント。会場にはM1をはじめとするクラシックモデルから最新モデルまで、その歴史を彩った名車たちが展示された他、ファッションショーといった様々な催しが行われました

車好きを刺激し続けた、Mモデルの50年

街中を走るBMWに、ちょっと色使いが異なるエンブレムを付けた車両を見かけたことがある人もいるのではないでしょうか。黒い縁にバイエルンの空をイメージしたといわれる、白と青を組み合わせたBMW伝統のエンブレムではなく、Mモデルに使われる赤と2種類の青を使った特殊なエンブレム。これはMモデルの生誕50年目にあたる2022年3月から1年間(2023年3月までに)製造されたMハイパフォーマンスモデル、Mパフォーマンスモデル、Mスポーツモデルにだけに与えられる特別なエンブレムなのです。

今月はそのBMWのトップグレードであり、最も味の濃いMのハイパフォーマスモデルを特集します。

Mモデル初の市販車となったM1の後、3、5、6各シリーズに設定されるも選択肢が少なかったMモデルですが、ラインナップが拡充した昨今は、当時と事情が大きく異なります。

コンパクト(まもなく新型M2が登場!)、従来からの3、5、6シリーズに加え、SUV各シリーズやEVにまでラインナップを広げ、本国ではBMW M社がイチから設計したPHEVモデルも発表されています。そしてベースとなるBMWの車種拡大によって、現在、中古車として買えるMモデルも多彩なラインナップになっているのです。

Mモデルのエンジンにもバリエーションが増えています。ごく一部のモデルを除いて、Mモデルに搭載されるエンジンの型式には、M社が製作したことを表す「S」が入れられます。このSエンジンも直4、直6、直6ターボ、V8、V10と選択肢が増え、モデルによって排気量の違いもあります。

近年は燃費性能や環境性能が重視され、トレンドは小排気量化や電動化です。しかし、いまだにBMWは「エンジン屋」と称される矜持を胸に、新しい時代に対応しつつも、車好きの気持ちを高ぶらせる魅力的なエンジンを作り続けています。もちろんFR(フロントエンジン、リアドライブ)方式へのこだわりも世界随一です。

昨今は、「最近の自動車はつまらない」と嘆く人も少なくありません。しかし、今買える新車、中古車のMモデルは「やっぱり車って楽しいな」と、再認識させてくれることでしょう。

そんなMモデルですが、中古車市場には新旧を含めると、40モデルほどが流通しているため、比較的リーズナブルな予算で探せる物件もあります。車を走らせることに楽しみを見いだしたい人は、50周年の節目となるこの機会に、自分に合ったMモデルを探し出してみてください。
 

“BMW▲レースでの勝利を目的に生まれたM社が、3.0 CSLで実績を上げたのち、Mの名前を冠する初の市販車としてM1を開発。わずか477台が生産された

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BMW M1× 全国
“BMW▲近年、中古車としての流通が少なくなり、クラシックカーやビンテージカー的存在になりつつあるMモデルも多い。写真の初代M3(E36)もその一例。ここ10年で希少価値が高まりつつある。写真は1996年式、走行距離9.8万km、車両価格480万円(取材協力・クレアナトレーディング tel. 045-943-7727)

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BMW M3(初代)× 全国
“BMW
“BMW▲価格や性能のバランスからいって、今、旬なMモデルといえるのが、2014年から販売された3代目M3(F80)や初代M4(F82)になるだろう。人気モデルゆえに中古車の流通量も多め。写真は2016年式、走行距離1.2万km。珍しいサキールオレンジのボディカラーが目を引くM3セダン。本体価格は728万円(取材協力・スマートオート tel.03-6666-2544)

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BMW M3(3代目)× 全国
“BMW▲X5でプレミアムSUVというカテゴリーを生み出したBMWは、2009年にX5、X6にMモデルを追加。SUVのサイズ、重量でも走りが楽しめることを見事に証明した。現在はX5 M、X6 Mともに3世代目に進化。今ならどの世代も中古車として探すことができる

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BMW X5 M/X6 M× 全国
“BMW▲2022年に電気自動車のMモデルとして初めてi4 M60を発売したBMWだが、次の一手が写真のXM。M1などと同じく、ベースからM社が開発したモデルとなる。日本への導入はまだ未定
文/編集部、写真/郡 大二郎 、イラスト/あべ あつし

カーセンサーEDGE 12月号
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