“ポルシェ▲現行モデルの992型が発売された2018年には、911人気が確立されていたこともあり、911全体の中古車相場は高値安定傾向。992型は、新車販売が好調にも関わらず、現在の流通台数は約60台と少ない

憧れの911だからこそ、こだわりの1台を

ポルシェ 911の人気ぶりは一向に衰えるどころかますます高まり続けています。

「もう高くてナローなんて買えないね」という時期は瞬く間に終わり、「もう930型もナローのように……」「964型も上がってるなぁ」「結局993型も……」と、空冷モデルはすべて高嶺の花に。

水冷時代になっても、現行の992型や1世代前の991型は新車時と大して変わらない値段で流通しています。今はまだ手の出しやすい996型や997型も、役付きモデルやMT車から徐々に値段が上がり……と、「価格高騰」の兆候が現れています。

911は乗用車として日常使いもできるリアルスポーツカーであり、その実力は多くの専門家や有識者が自ら所有しているからもおわかりいただけるでしょう。さらに、中古車市場でのリセールバリューも高く手放すときの損失も少ないのですから、この人気は当然のものでしょうし、まだまだ続くと予想されます。

では、今911を買うならどんな選び方が賢いのでしょうか?

新車時の価格に加え、中古車相場が崩れない911はどちらにしても高額車であり、人生でそう何度も手に入れられる車ではありません。だからこそ今回の特集では、人とはちょっと違う「ツウな911選び」を提案いたします。

もちろん、スタンダートな911でも十二分な楽しさ、満足度が得られることは間違いありません。でも、例えば検討条件の絞り込みをちょっと広げてみたり、逆に多少のこだわりを入れてみたりするだけで、予算は大きく変えずともツウな仕様が狙えたりします。

レアなグレードを選んだ方が予算が抑えられることもあるでしょうし、運が良ければ限定車などは最初の予算は増えても、手放すときにより良い条件がつくなんてこともあるかもしれません。

カーセンサーEDGE11月号(9月27日発売号)は「ツウな911の選び方。」と称し、911の選び方に注目してみました。現在カーセンサーEDGE.netに流通している911は、およそ850台。その中から車好きが見ても「その911いいね」と言われるような、ツウな1台を探してみてはどうでしょうか?

 

ポルシェ 911▲2011年に発売された7代目となる991型。新車の販売台数も多かったため、目下カーセンサーEDGE.netで最も流通量の多い911となる。中古車相場は650万円~となり、グレード数も豊富。ツウな選択肢としては最後の自然吸気エンジンを楽しむのに、前期型に絞って探すのもいいだろう

▼検索条件

ポルシェ 911(991型)× 全国
ポルシェ 911▲2004年に発売された6代目となる997型。流通台数は約200台、中古車相場は400万円~。丸目ヘッドライトに変更されたデザインなど、諸条件から今狙い目の世代と言える。赤青黄色などの原色系や茶色系など個性的な色や、約50台流通しているMTモデルを狙うのもツウな選択かもしれない

▼検索条件

ポルシェ 911(997型)× 全国
ポルシェ 911▲ツウな選択肢として推したいのが、996型、997型にラインナップされていたタルガモデル。カブリオレと違い、シルエットや使い勝手はクーペと同じだが、ルーフにスライドする大型ウインドウを用意し、見る人が見れば「お? 」となること間違いなし。現在の相場は低めだが、流通台数の少なさからいって、今後は高騰する可能性が高い(取材協力・RUN’S K)

▼検索条件

ポルシェ 911 タルガ× 全国
ポルシェ 911▲相場は高めだが、価値が変わらないという意味でオススメしたいのが、各世代の911に用意された限定車。写真は911の50周年を記念して発売されたアニバーサリーモデルで、専用の20インチホイールやクローム仕上げされたエアインテーク、エンジンコンパートメントグリルなどが用意されていた(取材協力・WIDE)
ポルシェ 911▲数年前までは「そろそろ993も値段が上がる」といわれていたが、今ではすでに高騰しており存在自体がツウになりつつある993型。フロントフェンダーなどが歴代911と趣が異なるため好みが分かれるところだが、最後の空冷911として完成度が高く、信頼度も大きく向上していたので、この人気は自然の流れだろう。相場が上がり切る前の993を最安値帯から手に入れる。これもツウな選択肢だろう(取材協力・WIDE)

▼検索条件

ポルシェ 911(993型)× 全国
文/編集部、写真/デレック槇島、柳田由人、河野敦樹、阿部昌也、イラスト/あべ あつし

カーセンサーEDGE 11月号
ツウな911の選び方

表紙