日刊カーセンサー▲自動車・中古車に関する調査・研究を通じ業界の発展を目指すリクルート自動車総研が、調査データと独自の考察をお届け。今回のテーマは「車とファッション」

車はもはやアウター? 若者を注視に捉え方が変化中

この半年を振り返っても、『LEON』に『GQ』、『UOMO』など多くのファッション、ライフスタイル誌が車にまつわる大特集を組んでいます。

個人的にも「車は一番大きなアウターだ」と説明することがあるのですが、自他ともに注目を集めるアイテムであることは間違いありません。同じ移動手段でも、電車やバスなどと異なり、よりパーソナルなイメージにリンクしますよね。

例えば、運転する姿はドライバーとセットで印象づけられるでしょうし、家の駐車場に止まっていてもオーナーを想起させるはずです。

カーセンサー

上記リクルート自動車総研の調査結果のとおり、約3人に1人が「車はファッションの一部」 だと捉えています。また、年代では20~30代の人ほどその傾向は顕著です。

昨今、どんな車を購入しても性能としては必要十分以上であることがほとんど。機能価値で比較しにくい分、感性で車が選ばれる時代に変化してきているのでしょう。

車のイベントの中でも、カスタムに焦点が当てられた東京オートサロンや大阪オートメッセが大注目されている点も同様の価値観を示唆していると考えます。

オートメッセ▲大阪で開催されたカスタムカーのイベント「大阪オートメッセ2024」

中古車選びは古着選び! トータルコーディネートを楽しんで

車をファッション的に捉えるとしたら、中古車は古着となります。数あるモデル、グレード、仕様の中から、ハイセンスな掘り出し物や一点モノを見つけ出すプロセスも楽しいですし、そのあたりも似ている部分ではないでしょうか。

昨今では、新車に極めて近い中古美品をコスパ良く購入する人たちも増えてきています。

また、80~90年代の車たちがネオクラやヤングタイマーなどとラベルを貼られて人気となっていますが、ファッションでも同時代のデザインが数多く復刻、サンプリングされているのは偶然ではありません。

ボルボ 240エステート▲ボルボ 240エステートもヤングタイマーな車として注目を集めている

車は決して安い買い物ではないと思いますが、ファッションと同じように生活やライフスタイルの一部として、トータルコーディネートを考えて選んでみるのもアリではないでしょうか!

文/西村泰宏、写真/阿部昌也、ルノー、カーセンサー編集部
西村泰宏(にしむらやすひろ)

リクルート自動車総研所長

西村泰宏

カーセンサー統括編集長 兼 リクルート自動車総研所長。自動車メディアを車好きだけでなく、車を購入するすべての人のエンターテインメントに変革すべく日々の仕事に従事している。