ロードスター▲自動車・中古車に関する調査・研究を通じ業界の発展を目指すリクルート自動車総研が、調査データと独自の考察をお届け。今回のテーマは「運転する楽しみ」について(写真は日本が誇るライトウェイスポーツのマツダ ロードスター)

自動運転が話題の今、運転を楽しみたい人は6割超

みなさんは「自動運転」と聞くと、ステアリングから手を離している光景をイメージするでしょうか。まだ主体者はドライバーのままで「運転を支援する機能」がほとんどですが、年々目覚ましい技術革新をしている分野です。

このトピックへの関心の高さを示すためか、「できれば運転したくない」といった結果の調査データをチラホラ見かけます。「運転しなくていいなら楽」という意見はもちろんあるでしょう。

リクルート自動車総研グラフ

一方で、上記の結果のとおり車に運転することの楽しさを求める人の割合は一定以上をキープ、むしろ、わずかですが増加傾向です。

若者の方が関心が高いため、今後もこの傾向が大きく変わることはないでしょう。

使い切れるスペックがあれば、最新じゃなくても十分楽しい

「運転が楽しい=スポーツカー」と想起されがちですが、ミニバンでも軽自動車でもどんなモデルも日々進化しています。つまり、製品としての機能自体は「最新なほど最良」となることが9割9分と言えるのです。

一方、車を取り巻く環境はどう変化しているでしょう。日本では新東名高速の最高速度が120km/hとなりましたが、それ以外に身の回りでよりスピードやパワーが活用できそうな状況は増えているでしょうか。

以前、世界的に活躍されたラリードライバーの増岡浩さんが、「最近の車はつまらないと言う人がいるが、性能が良くなっている車の限界を使い切れる技術を持った人はほとんどいない」とおっしゃっていました。

つまり、最新の車の進化に対して、楽しみきるだけの環境やテクニックが追いついていないのが現状と言えます。となると、最新のスペックを追わずとも、十分に楽しめる車を探す方が「運転していて楽しい」への近道かもしれません。

ミニ ▲元祖となるローバーから、カートライクな走りが魅力のミニ

例えば、マツダ ロードスターやミニは、多くの人が一般道を走らせるだけでも楽しいと感じている代表的なモデルです。

あなたが楽しめる最適な車は、最新ではないけれど、むしろ手軽に多くの選択肢から選べる中古車から見つけられるかもしれません。
 

文/西村泰宏、写真/尾形和美
西村泰宏(にしむらやすひろ)

リクルート自動車総研所長

西村泰宏

カーセンサー統括編集長 兼 リクルート自動車総研所長。自動車メディアを車好きだけでなく、車を購入するすべての人のエンターテインメントに変革すべく日々の仕事に従事している。