スバル レガシィアウトバック▲自動車・カーライフに関する調査研究機関「リクルート自動車総研」の膨大な統計データを基に、ユーザーの購買行動や世の傾向を勝手に予想したり解説したりするコラム

クロカン/SUV人気の陰にトランクルーム需要あり?

カーセンサー7月号の特集テーマは「キャンプな車」。野外で楽しめるキャンプは、コロナ禍で屋内での楽しみを制限された若者の間でも流行になっているという。

キャンプと聞いて真っ先に想起するのは、やはりアウトドアなイメージがあるクロカン/SUVか。欲しい車を具体的にイメージした段階でクロカン/SUVを想定した人の性年齢別の内訳を示したグラフ①を見てみると、男女とも20歳~30歳代からの支持率がとりわけ高くなっている。
 

リクルート自動車総研グラフ

ではクロカン/SUVを欲しい車に挙げる人たちは、実際にどのような使い方をしたいと考えているのだろうか?

彼らの理想の車の使い方を尋ねたところ、「一時的にストックしておく空間として使いたい」という回答が、2017年で4.4%だったのが2021年の調査では6.3%と増加傾向にある。その内訳を性年齢別に表したのがグラフ②。こちらもグラフ①同様、20歳~30歳代の男女からの需要が高いことがわかる。
 

リクルート自動車総研グラフ

ということは、SUV/クロカンが若者に人気な理由のひとつに、「トランクルーム的な役割を果たしてくれるから」という点も挙げられるのではないだろうか。話を戻して、この推論に特集テーマでもあるキャンプを補助線に加えた考察を進めてみたい。

テントなどのキャンプ用品は、家に置ききれない荷物リストの上位に入るだろう。使う際は車に積んで運ぶのだから、荷室に“積みっぱ”にすれば楽だし、フットワークも軽くなる。おまけに家もスッキリするのだから一石二鳥。

断捨離やミニマリズムの原義とは離れるが、荷物置き場を上手に分散することでシンプルな暮らしも実践できる。

こうして見ると“積みっぱ”にはメリットしかなく、しかもクロカン/SUVが相棒なら、まさに理想のライフスタイルの完成形といったところか。もともと、悪路をものともしない走破性で人気を獲得したクロカン/SUV。

近年では、タフな雰囲気をまといつつ洗練されたルックスもその人気に拍車をかけている。もし、キャンプブームがさらに進めば、走破性やルックスに次ぐクロカン/SUV人気の第3波として、積載容量など荷室関連性能に特化したトランクルーム系SUVに注目が集まるかも!
 

手頃な価格で今買えるトランクルーム系SUVオススメモデル3選

1:日産 エクストレイル(2代目)
 

日産 エクストレイル
日産 エクストレイル ▲一世を風靡した“タフギア”系SUV。荷室には撥水加工された脱着可能なラゲージボードとアンダートレイが採用されており、汚れた荷物も気にせず積み込めるのが魅力
 

2:フォルクスワーゲン ティグアン(初代)
 

フォルクスワーゲン ティグアン
フォルクスワーゲン ティグアン ▲2008年9月~2016年12月に生産されたプレミアムコンパクトSUV。取り回ししやすいサイズのボディながら、荷室容量はたっぷり。都会派なルックスが好きなら要注目!
 

3:スバル レガシィアウトバック(3代目)
 

スバル レガシィアウトバック
スバル レガシィアウトバック ▲ステーションワゴンの積載性とSUVの走破性をクロスオーバーしたモデル。5人乗車でもたくさんの荷物が積める荷室空間が何より魅力。渋めなルックスが大人のアウトドアにお似合いだ
 
文/編集部、写真/尾形和美、日産、フォルクスワーゲン、スバル