DIYイメージ▲自動車・カーライフに関する調査研究機関「リクルート自動車総研」の膨大な統計データを基に、ユーザーの購買行動や世の傾向を勝手に予想したり解説したりするコラム

中古車に自分で手を加えて乗りたいと思う人が増加

2014年頃からブームとなっているDIY(ドゥ・イット・ユアセルフ)が、コロナ禍の影響でさらに盛り上がっているという。

一口にDIYと言ってもジャンルは多岐にわたるが、動画サイトやSNSでは、家具のお色直しから家のリノベーションまで、日曜大工系のコンテンツが人気のようだ。

合理的に考えれば、DIYより既製品を買ったり業者に依頼したりする方が早くて楽だし、場合によっては安上がりだったりする。

しかし、自分で作る楽しさと完成したときの達成感はプライスレス。ブームの背景には、そうした価値感を選好する人が増えているのだろう。確かに、自分で手を加えたものなら、仕上がりが悪くても愛着はひとしおだ。

こうした達成感や愛着に触れることでDIYの深みにはまり、単なる趣味からライフスタイルへと昇華させている人が増えているに違いない。
 

リクルート自動車総研グラフ

そんな風潮を反映してか、中古車を購入して自分で手を加えたいと考えている人が増加傾向にある(グラフ①)。

理由については想像するしかないが、DIYによる達成感や愛着に加えて、グラフ②にあるとおり、誰とも被らない自分だけの車に対する興味関心と何かしら関連性があるかもしれない。無いなら作る、有っても作る、自分で作れば唯一無二、という訳だ。

車に手を加える=車いじりと言えば、性能向上を目指したチューンナップや内外装のドレスアップといったところが定番メニューだろうか。

秘密基地のようなガレージでパーツを交換したり、ボディを塗装したり、取り外した部品を綺麗に磨いたり、気の合う仲間同士で仕事っぷりを自慢し合ったり等々、想像するだけで楽しそうだ。

もちろん、ブレーキをはじめとする重要保安部品や最新のハイテク系エンジンなど、素人には手に負えないものもある。そこはプロの力を借りるのだが、気軽に相談できるかかりつけ医のような整備工場や、いろいろ教えてくれる師匠的なメカニックと出会えたら、それこそ車いじりの底なし沼に足を踏み入れたも同然だ。

油っぽい車いじり以外にも、自分で手を加えられる部分は多い。

例えば、スマホホルダーや小物入れなどを使いやすいように加工したり、シートカバーを自作したり、最近流行の車中泊やバンライフ用に室内を設えたりなど、思いつくだけでもたくさんある。

日曜大工と同様、動画サイトやSNSには車いじり系コンテンツが豊富で、参考になるものも多い。たとえメカに詳しくなくても、道具と材料とやる気さえあれば、あとはなんとかなりそうだ。

ところで、家の内外装をDIYする場合、古民家や築年数の経ったマンションなど、手頃な価格で手に入れた物件を、自分好みに手を加えていくのが一般的だ。新築物件をいきなりDIYでカスタムするのには、さすがに勇気がいる。それは車も同じこと。

DIYで誰とも被らない車に仕上げるなら、安く手に入る中古車の方がコスト的にも精神的にもグッとハードルが下がる。

さらに、構造がシンプルでアナログ感漂う古めのモデルであれば、自分で手を加えられる範囲も広がるというものだ。なおかつ、アフターパーツやアクセサリー類が豊富なモデルなら、ビギナーでも車いじりの楽しさを存分に味わえるはず。

ブームの波に乗り、DIY的カーライフを実践する人が増えれば、いじりがいのあるチョイ古系中古車に注目が集まるかも!
 

予算100万円! DIYにピッタリなチョイ古系モデル3選

1:スズキ ジムニー(JB23型)
 

スズキ ジムニー ▲中古車流通量が豊富で、最安値帯は総額30万円前後の水準で推移しているJB23型ジムニー。程良くアナログでアフターパーツの種類も多いため、DIYビギナーにもピッタリ
 

2:ホンダ N-BOX+(初代)
 

ホンダ N-BOX+ ▲生産年が2012年7月~2017年8月のため、古いモデルではないが、車中泊にも対応する広い室内空間は、DIYのしがいあり。予算70万円前後で低走行車をゲットできるのも◎
 

3:マツダ ロードスター(2代目)
 

マツダ ロードスター ▲アナログ感では初代が最強だが、中古車流通量が激減しており相場も上がっているため、DIYベースには2代目が最適。スポーツ系に振るか、オシャレ系にするかはあなた次第!
 
文/編集部、写真/スズキ、ホンダ、マツダ、photo AC