▲女性の発するカワイイはcuteにあらず。五百田先生いわく「“I like it”が最もしっくりくる」とのこと。たしかに日本のkawaii文化は、自分が好きなものを他人の評価を気にせずに身にまとうものだ ▲女性の発するカワイイはcuteにあらず。五百田先生いわく「“I like it”が最もしっくりくる」とのこと。たしかに日本のkawaii文化は、自分が好きなものを他人の評価を気にせずに身にまとうものだ

ミニもGクラスもカワイイという感性

女子が好きな車のアンケートを採ると、高確率で上位にくるSUV。以前、カーセンサーの記事でも街頭取材をしたことがあるのだが、M・ベンツのGクラスなどは人気が高かった。しかし、驚いたのはその理由。なんとカワイイからなのだとか。ちなみに、SUV以外で人気が高かったBMWのミニに対してもカワイイの一言。正直、女子ウケする車を購入しようにも、男子と美的感覚が違いすぎて混乱してしまう……。

「女子のカワイイに理由はありません。真に受けてはダメなんです」と教えてくれたのは、心理カウンセラーの五百田達成氏。それって、どういうこと?

「男子のカッコいいには、その裏側に人に自慢できるといった理由があります。例えば、速いからカッコいい、高級車だからカッコいい。語れるうんちくがあるからカッコいいなど。裏を返せば、男は自分のセンスに自信がないんですね。一方、女子のカワイイは他人の評価はあまり関係ない。強いて言うなら“I like it”に近い感情で客観的な“cute”ではないんです」

そう考えると、合コンの女子側が使う「今日来る○○ちゃんはカワイイよ~」も合点がいく。私のお気に入りの○○ちゃん、という意味なのだ。うん、目からウロコ。

「さらに、女子はマクロ・ミクロの両視点でカワイイを使います。マクロの場合はいわゆる雰囲気がカワイイ場合。なんとなくカワイイといった感じです。ミクロの場合は、テールランプの形状が気に入っているだけでも、車全体をカワイイと表現します。なので、似たような車だとお気に召さない。こうなると、女子に気に入られる車選び自体が無意味だと思った方がいいでしょう」
 

▲無骨な外観のM・ベンツ Gクラス。男性の感覚からは「カワイイ」とは言い難い。ちなみに、現在の新車価格は1000万円オーバーからで、可愛くない価格帯。10年落ちなら車両価格500万円前後がボリュームゾーンとなる。デザインはキープコンセプトなので古くささもない ▲無骨な外観のM・ベンツ Gクラス。男性の感覚からは「カワイイ」とは言い難い。ちなみに、現在の新車価格は1000万円オーバーからで、可愛くない価格帯。10年落ちなら車両価格500万円前後がボリュームゾーンとなる。デザインはキープコンセプトなので古くささもない

女子はある程度快適に乗れる車ならばOK

では、女子ウケする車を選ぶにはどうすればいいのだろう。

「基本は、男子のカッコいい目線で良いんです。車にステータスを求める女子を除けば、男子のうんちくにも理解を示してくれるはず。ただし、旧車で乗り心地が悪い、スポーツカーでシートが低く座りづらい、オープンカーで風の巻き込みが髪型を崩すなど、明らかに不利益のある車には嫌悪感を示す女子が多い。要は、ある程度快適に乗れる機能性さえあれば、特に彼氏の車にこだわりはないということですよ」

五百田先生いわく「女子のカワイイは挨拶のようなもの」とのこと。女子ウケする車が欲しいと考えているアナタ。とりあえず、乗っていて快適であることを最優先するのがいいのかもしれませんよ。
 

【取材協力】
五百田達成(いおた たつなり)
作家・心理カウンセラー。「コミュニケーション心理」「社会変化と男女関係」を主なテーマに、「情報の翻訳家」として執筆・講演。「スッキリ!!」(日本テレビ系)レギュラーコメンテーターをはじめテレビ出演多数。最新刊は「アラン先生と不幸な8人」(ワニブックス)

▲こちらが五百田達成先生。モットーは「大人でも知らないことを、子どもでもわかる言葉で」。28万部を超える「察しない男 説明しない女」シリーズ他、著書多数 ▲こちらが五百田達成先生。モットーは「大人でも知らないことを、子どもでもわかる言葉で」。28万部を超える「察しない男 説明しない女」シリーズ他、著書多数
text/コージー林田
photo/PIXTA、メルセデス・ベンツ、五百田達成事務所