スチャダラパーBoseがミニモークに試乗。「非日常すぎて、笑いが止まらないよ!」
2015/09/10
見た目がとにかく最高!マジで日常の足にしたい
日本のヒップホップシーン最前線でフレッシュな名曲を作り続けているスチャダラパーのMC、Bose。中古車情報誌『カーセンサー』にて彼がお届けする人気連載「Bosensor」。カーセンサー本誌で収録しきれなかったDEEPでUNDERGROUNDな話をお届けっ!!
編集部ペリー(以下ペリー):カーセンサー本誌に続き、日刊カーセンサーもハックしていきましょう!
Bose:カーセンサーを見ている人ってメジャーな車を探している人が多いんでしょ? 堅実で間違いのない人生を送るならそれもアリだけど、人生を踏み外した先にあるぶっ飛んだ車を知ることはできないじゃん。一度味わったら後戻りできないDEEPで魅惑的な世界を、カーセンサー読者にも覗いてもらっちゃおうよ。
ペリー:第1回となる今回取り上げるのはミニモーク。……って、初っ端から外角低めを通り越した、ワイルドピッチな珍車じゃないすかっ!
Bose:実は最近、鎌倉に引っ越したの。暮らしが変わると乗りたい車、使える車も変わってくるじゃない。海が近くなったし、夏の134号線を気持ちよく走れる車って何かなと考えていたら……モークだったの。
ペリー:確かにモークにはビーチクルーザーっぽい雰囲気がありますからね。もっとも2WDだしタイヤが小さいから砂浜に出たらすぐスタックしちゃうと思いますが。でもBoseさん、マジでこれを日常の足にするの?
Bose:だからそれができるか、体を張って確かめに来たんじゃんっ!!! それにしてもこの見た目は最高だよね。目にしただけで笑っちゃう車ってなかなかないよ。
ペリー:モークの幌がかかった姿って、どこかで見たことがあるんだよな……。
Bose:テントだよ(笑)。ドアのチャックの開け方、クルクルと丸めるリアのスクリーンだってテントと同じ作りじゃん。浜辺や河原、山にこの車があっても違和感、まったくないだろうな。止まった瞬間にアウトドア。
ペリー:見た目はメチャメチャ可愛いけれど、雨とか降ったら大丈夫なのかな……。そのあたり、どうなんですか? 瀬戸さん(取材店「BARRY'S」の社長)。
瀬戸さん:古い車ですし、「絶対に大丈夫!」とは言い切れません。しかもオープンにしたときに幌を車内に格納できないので、ガレージなどに置いておく必要があるんですよ。
Bose:なるほど。雨が降りそうなときは乗らないか、濡れても気にしない気合が必要だな。でもこれ、幌とシートの色が合わせてあったり巻いたスクリーンを留めるひもがグリーンでシートのパイプとお揃いだったり……めちゃめちゃオシャレだよね。
この形でも普通に公道を走ってOK! その事実に驚いちゃうよ
瀬戸さん:それよりBoseさん、せっかくだから乗ってみてください。楽しい車ですよ。
Bose:えっ!? 僕が運転するの……?
ペリー:あれ、もしかしてビビってます?
Bose:おいっ! ただ、見た目がぶっ飛んでるから運転も特別な注意が必要なのかなって思っただけだよ!!
瀬戸さん:ハハハ。心配しないでくださいBoseさん。こんなカッコでも中身はミニですから。
Bose:そうだよな……。じゃあ運転させてください。(セルを回してエンジンがかかる)ドワッハハハハハハ!!!!!!! なんだこれ、すげえええええ!!!!!!!!
ペリー:ど、どうしたんですか……?
Bose:エンジンをかけただけなのに、見える風景、エンジン音の聞こえ方、振動……何もかもが非日常すぎ! 笑いが止まらないよ。この車が堂々と公道を走っていいってスゴいことだと思うな。
瀬戸さん:ですよね(笑)。でも車検もちゃんと通るし、ナンバープレートも発行されます。さあ、走ってみましょう!
Bose:本当だ。クラッチミートやシフトチェンジはもっと気を使うかと思ったけれど、普通のマニュアル車とほとんど変わらない。なのに、このワクワク感はどこからくるんだろう。やっぱ防音なんて言葉が存在しないくらいの音かな。ステアリングの感触もクラシックミニのゴーカートな感じ、そのまんまだね。これいいわ!
ペリー:後ろも気持ちいいですよ。全然スピードを出しているわけじゃないのに幌がバタバタする感じとか超アドベンチャー!!!!
瀬戸さん:幌を取ればもっと気持ちいいですよ。ただこの車はだいぶ幌がやれているので元に戻すのが大変だから外さなかったけれど(笑)。今、新しいのを作っちゃおうかとも考えているんです。
Bose:考えてもみてよ。現代の車は安全基準が厳しくなりコンパクトカーだってずんぐりしているじゃない。モークはそこの対極だよね。もともとクラシックミニはゴーカートフィーリングと言われているし、あれに初めて乗ったときも「これで他の車と一緒に走っていいんだ」と思ったの。体がむき出しのモークはそれ以上だよね。
ペリー:走りだした瞬間に冒険が始まるミニモーク。普段使いはできそうですかね?
瀬戸さん:えっ!? そんなことを考えているんですか? 相当な覚悟がないと難しいんじゃないかな……。
Bose:アハハ。お店から引き留められちゃったよ(笑)。幌はやっぱり雨漏りもするだろうし、外した幌の置き場が車内にないから家のどこかに置かなきゃいけない。そうなるとガレージが欲しくなるよね。エアコンもないから夏は暑いし冬は寒い。大抵のことが許されるウチでもモーク1台で許されるのはよくて数日な気がする。
ペリー:普段使いができる車が1台あって、完全な遊び車としてモークを持てたら最高っすね!
Bose:それって究極だよね。その夢を実現させるためにはメインで使う車の選び方が重要だよ。モークが家にやってきた瞬間、奥さんは間違いなくブチ切れるから(笑)。奥さんが助手席で快適に過ごせるミニバンとかにしないと。
ペリー:現代のミニの派生モデルであるミニクロスオーバーとかもいいですね。
Bose:奥さんは喜ぶよね。クロスオーバーのディーゼルも乗ったけど、まるで宇宙船のようだなって思ったもの。ディーゼルなのに静かで、街中をすーっと走っていく。「ミニなのにこんなに快適でいいの?」って思っちゃうくらい。で、アクセルを踏み込めばディーゼルならではのパワフルな走りを楽しめるし、燃費がいいから奥さんも納得してくれる。モークが1台あっても許してくれそうだよね。
瀬戸さん:そろそろ店に戻りましょうか。どうです? せっかくだからペリーさんも運転してみてくださいよ。
ペリー:えっ!? いや、なんか商品を壊しちゃったりするのもまずいし……。
Bose:人のこといじったくせに一番ビビってんじゃん!!