事故時、高齢同乗者はなぜ負傷するのか?を分析
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2014/05/27
高齢化社会を迎える中でドライバーの高齢化も進んでいるが、公益財団法人交通事故総合分析センター(ITARDA)が、「高齢同乗者の事故による障害~死亡・重傷のリスクを下げるには?~」という分析レポートを発表した。高齢の同乗者がどのような状況で大きなケガを追っているかを分析し、万が一の際にリスクを下げる方法を探っている。
死傷者数を見ると助手席に座った18歳~64歳が突出して多いが、死亡重症者に限ると、助手席に座った65歳以上と後席に座った65歳以上がそれぞれ18歳~64歳の数を上回る。このことから、高齢者は一旦事故に合うと大きな被害を受けやすい。さらに車が正面から衝突し、高齢者の腹部にダメージが合った場合に死亡重傷割合が増えることもわかった。胸部にケガをする割合も高齢者は高い。
ITARDAでは高齢者が車に同乗し、事故にあった場合の特徴として、「シートベルトにより胸部・腹部・腰部を負傷している割合が高い」「座面にクッションなどを置いていると、胸部・腹部・腰部に致命傷を負っている割合が高い」と結論付けている。
ただ、シートベルトが負傷の原因になっているからといって、シートベルトを付けないのは論外。高齢者のシートベルト非着用事例では死者重傷割合が26.9%にまで跳ね上がっている。
高齢者の場合、長時間正しい乗車姿勢がとりづらい、あるいは小柄で体の正しい位置にベルトが掛かっていないなど、きちんとシートベルトを付けられていない可能性がある。とくに背中が丸まっているとシートに深く座ることができないため、腰部のベルトがお腹の方にずり上がってしまうことも。これを避けるためには、同乗者がこまめにシートベルトの状態を確認することが大事だ。
高齢化は社会問題のひとつ。誰もが安全に車に乗れるよう、高齢者が同乗しているときは、万が一の際にケガしやすいことを頭に入れ、車内にいる人みんなで気遣うようにしたい。
- ITARDA INFORMATION~交通事故分析レポート~【PDF】(交通事故総合分析センター)