日産自動車株式会社が、多目的商用バン「NV200」をベースとした100%電気商用車「e-NV200」のテストカー1台を栃木県へ貸与する。農村地域での電気自動車の活用を目的とし、農作物直売所などへの集荷用車両として、9月4日(火)~17日(月)の期間で実証運行が実施される。

過疎化が進みガソリンスタンドの撤退も進んでいる農村地帯で、燃料に頼らずとも自宅からの充電で走る電気自動車の利便性や排出ガスゼロによる環境への負担軽減効果、経済性などの検証がなされる模様だ。また、栃木県では、小水力発電や太陽光発電、バイオマス発電などを農業用施設などに活用する「電力の地産地消」を目指しており、今回の実証走行はその取り組みの一環にもなっている。

すでに今年の5月には「e-NV200」ベース車をイオンスーパーの配達車両として、ビジネスにおける実用性を検証している。さらに7月には国内のフェデラル エクスプレスと協働で、横浜地域での国際航空貨物のデリバリー業務における実用性の検証も行われている。そのほかにも、4月には日産 NV200がベースのイエローキャブ次世代モデル「NV200次世代ニューヨーク市タクシー」、8月にはロンドンタクシーの未来の姿を提案した「NV200ロンドンタクシー」が発表されている。

2012年1月、北米国際自動車ショーにて初公開された「e-NVコンセプト」をベースに、多くの大手企業や都市における新しい車の利用形態を模索し検証している日産自動車。電気自動車普及への取り組みはもちろん、今後どのような場面で活躍するのか楽しみだ。

100%電気商用車「e-NV200」フロント|日刊カーセンサー

100%電気商用車 日産「e-NV200」。ボンネット中央にリーフと同様の特徴をもつ充電ポートがある

100%電気商用車「e-NV200」サイド|日刊カーセンサー

基本コンポーネントはリーフと同じ。リーフと同等の航続距離がある