▲対局前に羽生名人が「想像もつかない」と言っていた「リアル車将棋」の全景。将棋盤の大きさは約54.2×33.5メートル。なんと通常の盤の約1万5000倍。これは想像以上です! ▲対局前に羽生名人が「想像もつかない」と言っていた「リアル車将棋」の全景。将棋盤の大きさは約54.2×33.5メートル。なんと通常の盤の約1万5000倍。これは想像以上です!

史上最大のスケールで行われた車将棋!

先日2月8日(日)、埼玉県は所沢の西武ドームで前代未聞の催し「リアル車将棋」が行われた。クラウンやランドクルーザー、プリウスなどトヨタの名車を将棋の駒に見立て、球場内に作られた巨大な盤上で棋士の指示のもと対局する、このイベント。挑んだのは、現在、名人・王位・王座・棋聖の四冠を保持する羽生善治名人と、昨年の王座戦で羽生名人を追い詰めた豊島将之七段だ。

ドワンゴとトヨタの共催で、「車離れ」、「将棋離れ」が叫ばれる昨今、史上最大のスケールで行われる“車将棋”で若い世代に車と将棋の楽しさを知ってもらうことが狙いだという。

ルールは4時間切れ負けのチェスクロック方式。車の移動時間も持ち時間に含むので、いかに車を上手く動かせるかも勝負の行方を左右する。羽生名人の持ち駒(車)を実際に動かしたのは早稲田大学自動車部の皆さん。豊島七段の駒はトヨタ自動車のテストドライバーの皆さんが動かした。

それにしても、山形県天童市の人間将棋は知っているが、車将棋なんて聞いたこともない。なんともぶっ飛んだ(超褒め言葉)このイベント、実際に見てみたい! ということで、日曜の早朝から西武ドームへ行ってきた。

なお、このイベントはニコニコ動画でも配信された。観た方も多いのでは?

▲気温2℃の極寒の西武ドーム内で行われたオープニングセレモニー。将棋アマ三段の腕前で、元トヨタ社員でもある古田敦也氏の振り駒により、豊島七段の先行で対局がスタートした。ちなみに古田氏の好きなトヨタ車はカリーナEDだそう(本人情報) ▲気温2℃の極寒の西武ドーム内で行われたオープニングセレモニー。将棋アマ三段の腕前で、元トヨタ社員でもある古田敦也氏の振り駒により、豊島七段の先行で対局がスタートした。ちなみに古田氏の好きなトヨタ車はカリーナEDだそう(本人情報)
▲羽生陣営は過去の名車8車種を、豊島陣営はインターネット投票で選ばれた現行車8車種を駒に。「角の使い方が上手い」と言われる羽生名人の角行はランドクルーザー(40系)で、王将はトヨペット クラウン。対して、豊島七段の玉将は若草色のクラウンアスリートだ。上に乗っているのは巨大な将棋の駒。なんとも不思議な光景である ▲羽生陣営は過去の名車8車種を、豊島陣営はインターネット投票で選ばれた現行車8車種を駒に。「角の使い方が上手い」と言われる羽生名人の角行はランドクルーザー(40系)で、王将はトヨペット クラウン。対して、豊島七段の玉将は若草色のクラウンアスリートだ。上に乗っているのは巨大な将棋の駒。なんとも不思議な光景である
▲「トヨタのミュージアムに来たようだ」とはゲストのレーサー・脇坂寿一さんの談。こうしてズラリとトヨタ車が並ぶと壮観だ。しかし、ニコニコ動画では、「なんで車で将棋をやる必要があるの?」という身も蓋もないコメントも! いやいや、イイんじゃないかぁ ▲「トヨタのミュージアムに来たようだ」とはゲストのレーサー・脇坂寿一さんの談。こうしてズラリとトヨタ車が並ぶと壮観だ。しかし、ニコニコ動画では、「なんで車で将棋をやる必要があるの?」という身も蓋もないコメントも! いやいや、イイんじゃないかぁ
▲棋士の持ち時間を無駄にしないよう、作戦処から車まで猛ダッシュするドライバーさん。敢闘賞は間違いなく、この人たちだと思う。対局が進むに連れて盤上は車が入り乱れ、移動の難易度が上がる。所定のマスへの移動のために他の車を動かすのはOKだが、それにしても大変そうだった。いや、本当に…… ▲棋士の持ち時間を無駄にしないよう、作戦処から車まで猛ダッシュするドライバーさん。敢闘賞は間違いなく、この人たちだと思う。対局が進むに連れて盤上は車が入り乱れ、移動の難易度が上がる。所定のマスへの移動のために他の車を動かすのはOKだが、それにしても大変そうだった。いや、本当に……
▲対局は2回の休憩を挟んだ。8時間近くの熱戦に挑む両棋士には糖分が必須。15時のおやつ休憩では、仲良くドライバーの皆さんとケーキを食べた。その際、羽生名人はとてもうれしそうで、おっさんである筆者も思わずほっこり。ちなみに、羽生名人の好きなトヨタ車はハチロクとのこと(本人情報) ▲対局は2回の休憩を挟んだ。8時間近くの熱戦に挑む両棋士には糖分が必須。15時のおやつ休憩では、仲良くドライバーの皆さんとケーキを食べた。その際、羽生名人はとてもうれしそうで、おっさんである筆者も思わずほっこり。ちなみに、羽生名人の好きなトヨタ車はハチロクとのこと(本人情報)
▲実況席には多彩なゲストが次々と登場。芸人の小籔千豊さんをはじめ、レーサーの中嶋一貴さん、乃木坂46の伊藤かりんさん、声優の岡本信彦さんなど将棋や車に造詣の深い方々に加え、「将棋界のまゆゆ」こと香川愛生女流王将や、筆者が個人的に好きな室谷由紀女流初段などの美人棋士も番組に華を添えた。それにしても大盤解説の盤よりも実物の盤の方が大きいとは……違和感を感じざるを得ない ▲実況席には多彩なゲストが次々と登場。芸人の小籔千豊さんをはじめ、レーサーの中嶋一貴さん、乃木坂46の伊藤かりんさん、声優の岡本信彦さんなど将棋や車に造詣の深い方々に加え、「将棋界のまゆゆ」こと香川愛生女流王将や、筆者が個人的に好きな室谷由紀女流初段などの美人棋士も番組に華を添えた。それにしても大盤解説の盤よりも実物の盤の方が大きいとは……違和感を感じざるを得ない
▲対局は羽生名人が見事に制し、初代「車王」の栄誉に輝いた。両陣営の検討を讃え合い、最後は記念撮影。羽生名人が「駒の間を縫うように走る姿を見てすごいと思いました」と言うと、豊島七段も「一生の思い出になりました」と語った。筆者としては、企業が多くの資金と手間をかけたこの「本気の遊び」、第2回もぜひ見たい!  今度は観客を入れて開催したら面白いと思うのだだが、どうだろうか、ドワンゴさん、トヨタさん? ▲対局は羽生名人が見事に制し、初代「車王」の栄誉に輝いた。両陣営の検討を讃え合い、最後は記念撮影。羽生名人が「駒の間を縫うように走る姿を見てすごいと思いました」と言うと、豊島七段も「一生の思い出になりました」と語った。筆者としては、企業が多くの資金と手間をかけたこの「本気の遊び」、第2回もぜひ見たい! 今度は観客を入れて開催したら面白いと思うのだだが、どうだろうか、ドワンゴさん、トヨタさん?
text&photo/TOM