話題の「フォーミュラE」に関して、2014年に入りまたひとつ大きな動きがあった。それは、佐藤琢磨を含む8人のドライバーの参戦意思表明だ。彼らは、“フォーミュラEドライバーズクラブ”のメンバーとしてドライバー候補に挙げられ、初シーズンに参加するチャンスを得たことになる。

「フォーミュラE」とは、国際自動車連盟(FIA)が管轄する電気自動車によるフォーミュラカーレースだ。2014年9月から中国、マレーシア、アメリカなど世界各地を転戦するのだが、排気ガスを出さず、エンジンの爆音もないために、全レースにおいて公道開催が予定されている。F1屈指の名コース、モナコも公道ならではの駆け引きやスピード感が楽しめるが、毎レースあの興奮が味わえるかもしれない。

そもそも、佐藤琢磨は昨年の11月時点で、フォーミュラEのマシン「SRT_01E」のテストに開発ドライバーとして協力することが発表されている。この「SRT_01E」は、パーク・レーシング・テクノロジー社が製造し、ルノーが全般的なシステム統合を担当する電気フォーミュラカー。初年度は、このマシンを用いたワンメイクレースとして実施されるので、よりドライバーの腕が試されるレースになりそうだ。

日本ではテレビ朝日が、地上波、BS、CSと三波一体の総合編成で公式練習から予選・決勝までをフルカバーする予定。実際のレースにバーチャルで参戦できるリアルタイム連動レースゲームやSNSと連携し、多くの応援を集めたドライバーにだけ、追加でプッシュ・トゥ・パス(追い抜きをしやすくするために、一時的にエンジン出力を上げるシステム)が与えられるというファン連動システムなども検討されているという。

ちなみに、日本勢では、元F1ドライバーの鈴木亜久里が率いるレーシングチーム「スーパーアグリ」も復活予定。往年のF1ファンは目を離せないカテゴリーになりそうだ。

佐藤琢磨は日英のF3選手権を経てF1にステップアップ。2002年ジョーダン、2003~05年B・A・R、2006~08年 スーパーアグリF1から出場している

佐藤琢磨は日英のF3選手権を経てF1にステップアップ。2002年ジョーダン、2003~05年B・A・R、2006~08年 スーパーアグリF1から出場している

写真はSRT_01E。1人2台のマシンを使用してピットで乗り換える。2年目以降はピット停車中にワイヤレス充電するシステムが採用される予定

写真はSRT_01E。1人2台のマシンを使用してピットで乗り換える。2年目以降はピット停車中にワイヤレス充電するシステムが採用される予定