アストンマーティン DBSスーパーレッジェーラで全国行脚! 1000万円で買ったディーノ246のレストアから始まったスーパーカー人生!
2025/10/03

【連載:どんなクルマと、どんな時間を。】
車の数だけ存在する「車を囲むオーナーのドラマ」を紹介するインタビュー連載。あなたは、どんなクルマと、どんな時間を?
赤いジャケットの日本スーパーカー協会会長
存在感を放つアストンマーティン DBSスーパーレッジェーラから降りてきたのは、赤いジャケットと笑顔がトレードマークの須山泰宏さん。一般社団法人 日本スーパーカー協会の会長を務める、スーパーカー界隈で知らない人はいない有名人である。
「若いころ、一生付き合える車に乗りたいと思ったのがスーパーカーを買おうと思ったきっかけかな」
20代後半になって、そんな思いが芽生えたという須山さん。若い頃は、短いサイクルで次々とフルモデルチェンジしていく日本の自動車の世界に疑問を抱いていた。
そんな頃、心を奪われたのが「フェラーリ ディーノ246」だった。ようやく見つけたディーノは、ボロボロで走れる状態ではなかった。
しかし「どうしてもコイツに乗りたい!」という熱意で、意を決して1000万円で購入。早く走らせたい一心で、5万円で買ったスバル レックスコンビ ヴィッキー2で修理工場に通い、板金職人の手伝いで自ら手を動かしながら5年半かけてレストアした。
▲赤ジャケットがトレードマークの日本スーパーカー協会会長・須山泰宏さんその間はBMW E30、シトロエン AX、フォード フェスティバ、軽自動車などを倹約生活しながら乗り継ぎ、様々な集まりにも顔を出していたという。そしてついにレストアを終え、高速道路を走っていたとき、運命的な出会いが訪れる。
「テスタロッサに乗ったおじさまが後ろにピタッとつけてきて、御殿場ICを降りて止まったら同じく止まってくれて……(笑)。緊張しながらお話しすると“フェラーリのクラブに加入しないか”って誘いを受けて……それで仲間が一気に増えたんです」
その出会いをきっかけにいろいろな集まりに参加するうち、自らスーパーカーの集まりを主催するようになった。それが月1で定期開催する「都筑会」。そして昼間に走るイベントもやりたいと「フレンドリーツーリング」を立ち上げ、のちにクラブ化して「SuperCar Club Japan(SCJ)」となった。
「スーパーカーって、事故を起こしてニュースになると“乗用車”ではなくメーカー名や車種名が前に出てしまうでしょ。マイナスな印象ばかりが目立つのではなく、スーパーカーを通じて社会貢献や地域復興ができないかと考えました」
こうして2015年、全国30ほどのスーパーカークラブと連携して「全日本スーパーカー連絡会」を設立。2年後には法人化し、現在の「一般社団法人 日本スーパーカー協会」となった。
大規模な活動ゆえイベント運営は大変だったが、大きなやりがいを感じながら歩んできた。
▲日本スーパーカー協会会長として、全国のイベントや集会に足を運んでいるスーパーカーで日本を元気に!
現在61歳の須山さんは、これまでにディーノ、ヴァンキッシュ、コンチネンタルGT、XK……などなど、数々のスーパーカー、スーパーGTカーを乗り継いできた。
そんな彼が今ハンドルを握るのは、アストンマーティン DBSスーパーレッジェーラだ。もともと限定車のOne-77へのあこがれもあり、最終的にこの車を選んだという。

「クーペが好きで、ロングノーズ・ショートデッキで流れるようなルーフラインに引かれるんだけど、実は最初にこの車を見たときはそこまでグッとこなかったんだ」
斜め後ろから眺めると、Cピラーから降りてくるラインに継ぎ目がある。フロントフェンダーの切り込みも気になった。「本当は、流れるような一体構造が良かった」と振り返る須山さん。
それでも、止まっている愛車を見つめながら「なんだか今はしっくり見えてきたかな……」と笑う。

そして、速さだけを追い求めるのではなく、エレガントさや洗練さを備え、普段使いもできるGTカー寄りのスーパーカーというところが、須山さんの好みに合致していた。
「ロングツーリングからサーキットまで……ただミニサーキットは厳しいけどね(笑)」
スーパーカーからGTカーまでの顔を持つアストンマーティン DBSスーパーレッジェーラ。「この車に乗ると3割方、上品に見えるかなー(笑)」と笑顔で語った。

自分の生きている時代は、自動車が民主化され技術も大きく進化してきた時代。しかし今は少子化や車離れで、自動車産業の規模が下降傾向にあると言われている。須山さんは「このままでは日本の国力が下がり、衰退につながるのではないか」と危惧する。
「微力ながら私はそれを食い止めたい。スーパーカーを通して、車の魅力を子供たちや多くの人に発信したい。スーパーカーを通じて多くの人に喜んでもらいたい。私はそのために生まれてきたのではないかと思っています」
大好きな日本が、再び自動車産業で盛り上がることを願い、熱く語ってくれた。
▲今日も愛車のDBSスーパーレッジェーラに赤ジャケットを積み込み、日本のどこかを駆け回っていることだろう▼検索条件
アストンマーティン DBSスーパーレッジェーラ(初代)
須山泰宏さんのマイカーレビュー
アストンマーティン DBSスーパーレッジェーラ(初代)
●マイカーの好きなところ/もともとアストンの車が好きだったんです。その歴史とブランド力は大きな魅力ですね
●マイカーの愛すべきダメなところ/バックのときの警告音がうるさいんです(笑)
●マイカーはどんな人にオススメしたい?/上品なスーパーカーが欲しい人にはオススメです

自動車ジャーナリスト
瀬イオナ
車メディアの雑誌編集部員を経て、2024年にフリーランスとして独立。「走って書ける」自動車ジャーナリストを目指して修行しながら、若手ジャーナリストとして活動している。車業界に入ったきっかけは、某動画で中谷明彦師匠を見つけたこと。現在に至るまで「ドライビング」はもちろん「ジャーナリスト」の心得など業界におけるすべてを教わりながら日々鍛錬中である。趣味はドライブ、レーシングカート、サウナ。
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アストンマーティン
DBSスーパーレッジェーラ 5.2 Qスペシャルペイント Bang&Olufsen エキゾーストフルチタニウムシステム サテンチョップドカーボントリム 認定中古車保証
本体価格3280.0万円
支払総額3330万円