家族と釣具を乗せて走るタックルボックス! 生粋のツリジャンキーが惚れたルノー カングー
2025/06/24

【連載:どんなクルマと、どんな時間を。】
車の数だけ存在する「車を囲むオーナーのドラマ」を紹介するインタビュー連載。あなたは、どんなクルマと、どんな時間を?
ひと目ぼれした走るタックルボックス
釣りが好きな出町亮さんは、2006年式の初代カングーに乗っている。初めての愛車を探していた5年ほど前のこと、「ゴルフⅢなんかいいかな」などと探してみたものの、オートマでちょうどいいものが見つからず、会社帰りに幹線道路を走る車を30分ほど眺めるのを日課にしていたという。
ある日、目に飛び込んできたのが、小さくてずんぐりしたユニークな1台だった。


「何この車、かわいい! ってなって。名前を調べたら『カングー』っていうらしい。すぐに専門店を探して見に行きました」
そして出会ったのがこの白いカングーだ。「よく見る黄色は、自分にはちょっとかわいすぎるかな」とちゅうちょしていたこともあって、見たことのない白いボディカラーは新鮮で、心引かれた。


「しっかり使われてちょっとやれた感じもいいし、“走るタックルボックス”みたいな無骨さもいいなと思って決めました」
ギア感を引き立たせるように、元々ボディ同色だったサイドミラーやバンパーをあえてオーセンティック仕様の樹脂製に交換し、商用車風にドレスダウンして乗っている。


観音開きのバックドアを開けると、カングー自慢の高く広い荷室には、たくさんのタックルがきれいに整頓されていた。
「釣りは房総や伊豆に行くことが多いです。一人だったり、友達と2人だったり。コンパクトだけど、2人分のタックルがちゃんと積めるんですよ」


愛用のロッドの中には自作のものもあって、ロッドビルディングまでたしなむ凝り性ぶりに驚いていると、「パックロッドが好きなんですけど、10フィートくらいのものは選択肢があまりないので作ってみたんです。自分でごちゃごちゃ手を動かすのは好きなので」と淡々と言う。機動力の高いマルチピースのパックロッドが好きで、足りないものは自分で作るという出町さんに、なるほどカングーはぴったりだと思った。
荷室からはパックロッドだけでなく、交換用のシングルフックや、荷室で釣りの準備や片付けをするときに手元を照らすランプなど、創意工夫を凝らしたお手製グッズがいろいろ出てくる。


釣りだけじゃない! ファミリーカーとしても大活躍
見れば見るほど完全に釣り専用車の様相だが、ファミリーカーとして買い物や大きな公園、動物園などへも出かけているそうだ。
「2歳の娘が広いデパートの駐車場とかでもすぐにカングーを見つけて、『うちのブーブー』って言って喜んでいる様子は、すごくかわいいです」


青森の実家への帰省にも使っているそうで、住まいの東京都品川区から片道約650kmのロングドライブも「コンパクトだけど座り心地もよくて、高速も長距離も苦じゃない」と頼もしい。

「ちょっと古いので、エアコンとか壊れるかもって覚悟してたんですけど意外とちゃんと効くし、故障といえばハザードランプがつきっぱなしになっちゃったことくらいです。買ったお店では“アタリだね”って言われました(笑)」
今後の夢は、カーフェリーで愛車と海を渡っての佐渡島での釣り旅。家族の足として、趣味の相棒として、カングーの活躍は続きそうだ。

▼検索条件
ルノー カングー(初代)
出町さんのマイカーレビュー
ルノー カングー(初代)
●購入価格/約80万円
●年間走行距難/1万~1.5万km
●マイカーの好きなところ/見た目も使い勝手も、全部がちょうどいいところ
●マイカーの愛すべきダメなところ/2~3年で乗り替えるつもりが、乗り替えられなくなってしまう
●マイカーはどんな人にオススメしたい?/荷物がいっぱい積めるので、キャンプや釣りなどアウトドアが好きな人やファミリーにも

ライター
竹井あきら
自動車専門誌『NAVI』編集記者を経て独立。雑誌や広告などの編集・執筆・企画を手がける。プジョー 306カブリオレを手放してからしばらく車を所有していなかったが、2021年春にプジョー 208 スタイルのMTを購入。近年は1馬力(乗馬)にも夢中。