ロードスター4時間耐久レース▲「メディア対抗ロードスター4時間耐久レース」は、初代ロードスターが発売された1989年の第1回大会から今年で35回目を迎える伝統あるレース。茨城県の筑波サーキットを舞台に、雑誌やウェブなどのメディアに携わる編集者やモータージャーナリストがレース仕様に改造されたマツダ ロードスターで競い合う。今大会では一般者参加型イベントなど家族連れでも楽しめるコンテンツを盛りだくさん用意している

世界で最も長く続いているワンメイクレースシリーズ

2024年9月21日(土)、茨城県の筑波サーキットで第35回「メディア対抗ロードスター4時間耐久レース」が開催される。

メディア対抗ロードスター4時間耐久レースとは、歴代のマツダ ロードスターを使用したワンメイクレース。自動車専門誌をはじめテレビやラジオ、インターネット媒体ごとにチームを編成。ドライバーは、編集者、寄稿する自動車ジャーナリストらで、自らの体験を通じて車やモータースポーツの魅力を発信することを意図したもの。初代ロードスターが誕生した1989年に始まり、今年で35年目を迎える歴史あるイベントだ。

1チームは4名ないし5名で構成され(プロドライバーの助っ人は1名までOK)、1名の連続運転時間は52分(助っ人ドライバーは連続運転時間42分)と定められている。決勝レースは満タン(40L)でスタートし、レース中に1回のみ、20Lまでの給油が可能。ただ単に速く走ることを目的としたものではなく、燃費レースとしての側面もあり、チームはガソリン残量やタイヤの摩耗、天候の変化などを計算しながら4時間のうちにできるだけ多くの周回を重ねることを目指す。

このレースでは過去の成績やドライバーの技量をもとに、ピットストップ時間を追加するといったハンディキャップが与えられる。これによりどのチームにも優勝のチャンスが生まれ、毎戦ゴールするまで結果がわからない、参加者も見ている人も楽しめるドラマチックなレース展開が生まれる。
 

ロードスター4時間耐久レース▲普段は媒体を通じて車の楽しさを伝えるメディアのスタッフが、自らステアリングを握って競い合う4時間耐久レース。速さも大切だが、それよりも燃費よく、トラブルなく走り切ることが重要
ロードスター4時間耐久レース▲レース経験のある編集者やモータージャーリスト、プロドライバーといったそうそうたるメンバーを揃えるチームが多いなか、素人同然のサラリーマンチームであるカーセンサー/カーセンサーEDGEも参戦。「無事完走!」を目指した昨年は21チーム中17位でした

レース車両は市販のロードスターをベースにしたもの。1989年から1997年までは初代ロードスター(NA型)、1998年から2代目ロードスター(NB型)へ、2005年から3代目ロードスター(NC型)となり、2015年からは現行型ロードスター(ND型)が使用されている。

厳格なレギュレーションのもとロールゲージやレーシングシートなど安全装備を含め全車イコールコンディションとされ、参加チームはタイヤの空気圧以外の一切の改造および調整は禁止。2024年からは「ロードスター・パーティレースⅢ」の車両規則にのっとった、ロードスターNR-Aでレースを行う。これは市販されている公道走行可能なモデルであり、一般ユーザーでも購入が可能。一般ドライバーが参加可能なワンメイクレース「パーティレース」に出場することもできる。
 

ロードスター4時間耐久レース▲レースで使われる車両はロードスターをベースに、公道走行可能なレース車両「NR-A」を使用。写真は2005年のもので、当時の現行モデルである3代目ロードスター(NC型)
ロードスター4時間耐久レース▲モータースポーツベース車として用意されたロードスター NR-A。ナンバー付きレースを楽しむために冷却性・耐久性を強化している他、パーティレース公認の車高調整式サスペンションも標準装備されている

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今大会は観戦者も楽しめる参加型イベントが盛りだくさん

第35回を迎える今大会では「ロードスターを愛する仲間と祝い、未来に向け、仲間を拡げる」をテーマに新たな試みに挑戦を行う。

まず、「最も長く続いている自動車のワンメイクレースシリーズ(Longest running one-make automobile racing series)」として、ギネス世界記録への挑戦を行う。そもそもロードスターは「2人乗り小型オープンスポーツカー」で生産累計世界一のギネス世界記録を更新し続けており、ワンメイクレースの世界においても金字塔を打ちたてることになる。

そして今大会より、環境に配慮したカーボンニュートラル燃料を使用する。これはトヨタ、スバルと共同開発し、スーパー耐久シリーズで採用しているもの。市販のハイオクガソリンと比較してノッキング特性や燃焼はほぼ等価で、車両性能への影響はほぼ皆無。また、車両側もハードウエアの変更は不要で、エンジンのキャリブレーションのみで対応可能という。

また今年からパーティレース仕様の車両を用いるため助手席が備わった(これまでは運転席のみだった)。それを生かし、レース見学者にはサーキットでの同乗体験会が行われる。参加チームのピット見学など、ふれあいイベントも開催。さらに「eSPORTS(GranTurismo7)」を使ったメディア&一般参加者の混成チームによる対抗戦も実施するなど、第35回記念大会にふさわしく一般者参加型イベントもより充実した内容となっている。

入場料は無料(ただし駐車料金は別途必要)。レース初体験の人でも気軽に楽しめるイベントなので、ぜひ足を運んでみては。

●開催概要
開催日:2024年9月21日(土) * 雨天決行
会場:筑波サーキット
主催:株式会社ビースポーツ
特別協賛:マツダ株式会社
入場料金:無料(ただし駐車料金は別途必要)
公式HP:https://www.mazda.com/ja/innovation/motorsports/media4tai/
 

文/藤野太一 写真/篠原晃一、マツダ、(C) B-Sports