納車とは? 必要な手続きや書類、期間は? 当日にやること、納期を短縮する方法も紹介
カテゴリー: カーライフ
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2023/03/31
納車は購入者にとってはビッグイベント。そんな納車を問題なく迎えるために、納車当日までの流れや必要な手続きを新車と中古車に分けて解説。併せて、納車までの期間や納車待ちを短縮する方法なども紹介しよう。
納車とは?
納車とは、ディーラー・販売店が購入者に車を納入すること。新車であれ中古車であれ、契約した車をその場で持ち帰ることはできない。契約書の捺印・署名や必要書類の提出などの手続きを済ませなければならないし、ディーラー・販売店も車を引き渡す準備をしなければならないからだ。
そのため、契約から納車までは一定の期間が空く。
なお、修理・車検業者が依頼者に届けることも納車と言う。ただ、納車といえば、一般的には購入した車の納入を指すことが多い。
納車までの流れ(新車)
まずは新車を購入した場合の流れをチェック。契約から納車までは4 STEPに大別されるので、一連の流れを覚えておこう。
購入が決まったらディーラー・販売店が用意した契約書を確認し、署名・押印を行う。新車の場合は契約締結後、ディーラー・販売店はメーカーに車を発注。そのオーダーを受けてメーカーが車を生産し始める。完成在庫がある車なら、搬送の準備を行う。
代金を支払うタイミングはディーラー・販売店によって異なるし、現金一括かローンかによっても違ってくる。契約のタイミングで頭金を支払う場合もあるので、ディーラー・販売店に支払いのタイミングは確認しよう。
自動車保管場所証明書(車庫証明)や印鑑登録証明書などの必要書類を準備し、ディーラー・販売店への提出を行う。自動車保管場所証明書の取得には当然、駐車場が必要なので事前に確保しておくとスムーズだ。
ただ、自動車保管場所証明書はナンバー登録までにあれば良いため、車庫証明取得のタイミングはディーラー・販売店に相談すれば調整してもらえるはず。加えて、自動車保管場所証明書の取得は、ディーラー・販売店に代行依頼できる。
また、自動車保管場所証明書は一部の地域では不要となる。自分の地域が必要か不要かわからない場合は、ディーラー・販売店や最寄りの警察署などの所管官庁に確認しよう。
自動車保険に加入する。自動車の保険は「自賠責保険」と「自動車保険」(任意保険)の2種類がある。
自賠責保険は人身事故の保険。相手方の死傷に対してのみ一定額補償してくれる。すべての自動車は法律で加入が義務付けられており、加入していない場合は法律違反で罰せられる。一般的にはディーラー・販売店で加入の手続きを進め、自賠責保険証書も発行してくれる。自分で保険会社を選ぶこともできるが、保険料・保険金は法令によって違いがない。
自動車保険は商品によって、対人・対物、自身・同乗者の死傷、車両など補償対象も保険金額も異なる。また、自動車保険は任意の保険であるため、加入していなくても罰せられることはない。
ただ、近年では人身事故でも物損事故でも補償金額が高額になっているため、安心なカーライフを送るために、両方を幅広く補償する自動車保険には加入しておくべき。自動車保険は入っていなくても納車に影響することはないが、この段階で加入の検討を始めるのが良いだろう。
最後は車が発注書どおりとなっているか検品をして納車となる。注文した車が完成したらメーカーからディーラー・販売店に搬送。ディーラーオプションがある場合は取り付けられる。注文どおりの仕様となっているか、確認していく。
なお、納車の方法は自宅納車と店頭納車の2種類を用意している店がある。希望があるなら、事前に相談しておこう。
上記のまとめとして、納車されるまでの関係各所の動きを図表化してみた。ディーラー・販売店とメーカーの動きも把握しておけば、納車までの流れをよりイメージしやすくなるだろう。
納車までの期間(新車)
新車の納車期間は、主にメーカーの生産状況に左右される。
基本的に新車は受注生産で、完成在庫があれば納車期間は短くなるが、そうでないなら車を作る時間がかかる。中でも人気が高い車種・グレードは発注が多いので、納車待ちが発生しやすい。
納車されるまでの期間は、かつては1~3ヵ月といわれていた。しかし、昨今では納車待ちが長期化している。
例えば、トヨタでは3~5ヵ月ほど納車待ちしなければならない車種が散見され、ホンダでは多くの車種が半年以上待つ状況が発生(2023年3月3日時点、メーカー公式サイトの情報)。とりわけハイブリッド車の納車期間は延びている。原材料・人員不足などが原因となって、生産が滞っているのだ。
もちろん、メーカーや車種によって納車期間は異なり、従来どおり1~3ヵ月で手元に届く車種もある。気になる車種があるなら、遠慮なくディーラー・販売店に確認しよう
納車までの流れと期間(中古車)
中古車の場合でも、購入者が行うことは基本的に新車と変わらない。おさらいしておくと下記のとおりだ。
【STEP1】契約書に署名・捺印
【STEP2】必要書類を準備・提出
【STEP3】保険の手続き・検討・加入
【STEP4】検品して納車
異なるのは契約から納車までの期間だ。
中古車では生産・搬送がない代わりに整備が必要となるが、車を受け取る日程は新車よりも早いケースが多い。必要書類の提出が済んでから、だいたい1~2週間程度で納車されることが多いようだ。
納車までに必要なもの・書類
納車までに必要なもの・書類は、普通自動車と軽自動車で異なる。さらに、下取り車がある場合は追加で書類は必要だ。
書類が不足していると、車自体の準備が整っていても納車されない。必要なもの・書類を正しく把握し、早めに集めておくことが大切だ。
必要書類 | 所有・交付依頼先 |
---|---|
購入者自身 | |
購入者自身 | |
購入者自身 | |
地方自治体役所 | |
管轄警察署 | |
ディーラー・販売店 | |
ディーラー・販売店 | |
ディーラー・販売店 |
必要書類 | 所有・交付依頼先 |
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購入者自身 | |
購入者自身 | |
購入者自身 | |
地方自治体役所 | |
管轄警察署 | |
ディーラー・販売店 | |
ディーラー・販売店 | |
ディーラー・販売店 |
実印は事前に住民票のある市区町村で印鑑登録をしておく必要がある。印鑑登録証明書は発行後3ヵ月以内のものを用意すること。 口座届出印はローンを組む場合に必要となる。
委任状、車検証、自賠責保険証書はディーラー・販売店が用意してくれる。自分で手続きを進める必要はない。
「車庫証明書(自動車保管場所証明書)」は車の保管場所があることを証明する書類。手続きは、ディーラー・販売店で代理申請できる場合もある。自分で行う場合は、以下の方法で発行する。
【STEP1】以下の申請書を用意して、必要事項を記入
・自動車保管場所証明申請書
・保管場所標章交付申請書
・保管場所の所在図・配置図
・保管場所使用権原疎明書面または保管場所使用承諾証明書
【STEP2】管轄警察署に書類を提出・申請する
【STEP3】交付日に管轄警察署で受け取り
申請のために必要な書類は管轄警察署やディーラー・販売店で受け取る。管轄警察のウェブサイトからダウンロードできる場合もある。駐車場が賃貸物件の場合、管理会社から保管場所使用許諾書を発行してもらう。
ただ、使用許諾書でなくとも駐車場の賃貸契約書の写しで受理してくれる地域もある。自分の地域が該当するかどうかは、管轄の警察署に確認すると良いだろう。
申請の費用は2000~3000円ほど。申請から交付までは1週間程度かかる。なお、保管場所として認められるには下記の4条件を満たしていなければならない。
1.駐車場、車庫、空き地等道路以外の場所であること。
2.使用の本拠の位置から2キロメートルを超えないこと。
3.自動車が通行できる道路から、支障なく出入させ、かつ、自動車の全体を収容できること。
4.保管場所として使用できる権原を有していること。
警視庁「保管場所(車庫)の要件と使用権原書面」より引用(※外部サイトに遷移します)
必要書類 | 所有・交付依頼先 |
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購入者自身 | |
購入者自身 | |
購入者自身 | |
地方自治体役所 | |
管轄警察署 | |
ディーラー・販売店 | |
ディーラー・販売店 | |
ディーラー・販売店 |
必要書類 | 所有・交付依頼先 |
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購入者自身 | |
購入者自身 | |
購入者自身 | |
地方自治体役所 | |
管轄警察署 | |
ディーラー・販売店 | |
ディーラー・販売店 | |
ディーラー・販売店 |
軽自動車の場合、実印でなく認印で問題ない。印鑑証明は不要だが、住民票の写しが必要になる。
普通自動車と異なるのは車庫証明書ではなく、「自動車保管場所届出」が必要なこと。さらに、求められるのも下記3つの条件を満たす地域に住んでいる場合となる。
(1)県庁所在地の市
(2)人口10万人以上の市
(3)東京や大阪の中心から30㎞圏内
自分が住んでいる自治体が届け出をしなくてはいけない自治体かどうかは、「全国軽自動車協会連合会」のホームページで確認できる。ただ、こちらは2011年時点での地域名で記載されているので、以降に合併した市町村を調べる際は注意が必要だ。
提出義務がある自治体に居住しているなら以下4つの書類を管轄警察署に提出する。
(1)自動車保管場所届出書
(2)保管場所標章交付申請書
(3)保管場所の所在図・配置図
(4)保管場所の使用権原を疎明する書面(保管場所使用権原疎明書面か管場所使用承諾証明書)
これらは管轄警察署、あるいはディーラー・販売店でもらえる。警察署への届出には、500円ほどの手数料がかかるので注意。届出が認められたら、保管場所標章番号通知書と保管場所標章が交付される。届出が認められる条件は、普通自動車の車庫証明書と同様だ。
車の購入と合わせて、車を下取りに出す場合は下記のもの・書類が必要だ。
・実印
・印鑑登録証明書
・下取り車の車検証
・下取り車の自賠責保険証
・下取り車のリサイクル券
・下取り車の自動車税納税証明書/軽自動車納税証明書
・譲渡証明書
・住民票(住所などが変わっている場合)
下取り車に関する書類は基本的には手元にあるはず。紛失していてもほとんどが再発行できるが、リサイクル券のみ再発行できない。もしリサイクル券が手元になかったら、自動車リサイクル促進センターのサイトから「自動車リサイクル料金の預託状況」を印刷して代用することになる。
譲渡証明書はインターネットで入手可能だが、ディーラー・販売店が用意してくれることもある。ディーラー・販売店に自分で用意すべきか確認しよう。
納車日当日のチェックポイント
手続きが済み、納車日当日を迎えたら実車の確認とサインを行う。ここで主に確認すべきポイントは「書類」「車両の状態」「装備や機能」「保証内容」の4点だ。
納車されたらまずは以下4つの書類が揃っているかチェックをする。
(1)車検証
(2)自賠責保険証書
(3)自動車税納税書
(4)リサイクル券
特に車検証の名義所有者や使用者の氏名、ナンバープレートの車両番号が正しく記載されているかどうか、きちんと確認しておこう。
傷やヘコミがないか車両の状態を確認する。新車でも運搬中に傷ついてしまうこともある。中古車の場合は、写真と照らし合わせてチェックしよう。外装や内装、バンパー下などに問題がないかチェック。もし購入時に修理を依頼したなら、注文どおりに直してもらえているかも確かめよう。
搭載用品の発煙筒やタイヤ修理キットなどが揃っているかを確かめる。新車ならメーカーオプションやディーラーオプション、中古車なら販売店に注文したカー用品など装備が希望どおりに付いているかチェックする。
なお、新車でも中古車でも、カーナビや運転支援システムなどの操作方法がわからなければ、ディーラー・販売店のスタッフに確認しておこう。帰路の運転時に困らないよう、疑問点を解決しておきたい。
保証が付いている場合は、保証の範囲や期間など改めて確認しておくこと。車の調子が悪くなったときの頼れる仕組みなので、きちんと把握しておくことが大切だ。
納車を早める方法
早く納車を済ませて、新しい愛車に乗りたいと思うのが人情だろう。そこで納車期間が短縮できるかもしれないテクニックを紹介。新車・中古車に共通で使える方法に加え、新車と中古車それぞれで使える方法も解説する。
■必要書類などを事前に準備する
納車までの期間を少しでも早めたいなら、新車・中古車を問わず、事前に準備を進めておくことが鉄則。ディーラー・販売店の訪問前に印鑑登録証明書などの必要書類を集め、実印などと合わせて持参するとスムーズだ。また、自動車ローンの使用を検討しているなら、審査基準を満たしているか事前審査をすることも効果的だ。
■ディーラー・販売店に希望納車日を伝える
納車日を事前に相談しておくのも有効な手段。新車の場合、前述したように販売店からメーカーへ発注して生産するのが基本。しかし、販売店があらかじめ生産枠を確保していることもあるので、「納車日を優先したい」と伝えれば調整してくれるかもしれない。中古車の場合でも、新車同様に整備や登録・点検を優先してくれる場合があるので、その旨をしっかりと伝えると良いだろう。
■納車は店頭で行う
自宅で納車をすると、ディーラー・販売店の運搬準備などで納車までの期間が延びる可能性がある。そのため、店頭納車の方が早く愛車に乗れる可能性が高い。車の準備が整い次第、受け取りに行くと伝えておこう。
■近隣のディーラー・販売店で購入する
自分が行きやすいディーラー・販売店で購入すれば、書類の受け渡しなどをより円滑に進めやすい。直接的にではないが、納車までの期間を短縮する一助にはなるはずだ。
■ディーラー・販売店の繁忙期を避ける
購入する時期も納車期間の長短を左右する一因。年末商戦期の12月や決算期前の2~3月、ボーナス時期の6月などディーラー・中古車販売店の繁忙期に購入しようとすると、順番待ちで納車が遅くなってしまうことも。時間に余裕があれば、繁忙期を避け、閑散期に購入することで納車期間を短縮できるだろう。
■抽選による希望ナンバーや図柄入り・自光式ナンバープレートは避ける
抽選による希望ナンバーや図柄入り・自光式ナンバープレートは手配に時間がかかる傾向にある。特にナンバープレートにこだわりがないなら、これらの取得は避けた方が納車が早く済むだろう。
新車の場合は在庫のある車種やグレードを選べば、納車までの期間を短縮できる可能性がある。キャンセルされた車やディーラーの在庫車を優先して選べば、生産工程をカットした分、納車までの時間が短くなるだろう。ただ、車種や色、メーカーオプションなどの選択肢は少なくなるのがネックだ。
車検が残っている中古車や、整備済みの物件を選ぶことで、納車期間た早まるかもしれない。逆に、車検が切れていたり、車検が残っていても整備が必要だったりする物件の場合、その分の時間がかかる。納車の早さを最優先するのであれば、物件の状態にも注目すると良いだろう。
納車にかかる費用
納車に関する費用は、ディーラー・販売店によって異なる。法定費用を除外すると、一般的には車両登録代行費、車庫証明書代行費用が含まれることが多い。
当然、費用の相場も一概には言えないが、一般的には下記がひとつの目安となる。
車両登録代行費:1万~3万円程度
車庫証明書代行費用:1万~3万円
納車費用:5000~3万円(販売店店頭以外に納車依頼をした場合)
希望ナンバー代行費用:5000~1万円(販売店に依頼した場合)
このうち、車庫証明代行費用は自分で手続きすることで、納車費用は店舗で納車することで、費用を削減できることもある。希望ナンバーを申し込まない、ないし自分で申し込めば、希望ナンバー代行費用も浮かすことができる。
納車に関するQ&A
Q.納車式って何?
A.車の納車を記念して販売店で開かれるイベント。販売店によって異なるが、除幕式、花束贈呈、店長挨拶、巨大な鍵と一緒の記念撮影、見送りなどが行われる。近年ではこうした仰々しい式典は行わない店も多いようだ。
Q.納車は縁起が良い日がいい?
A.縁起を担ぐのはあくまで個人の価値観の問題で正解はない。どうしても気になるなら、六曜のうち縁起の悪い「先負」「仏滅」を避け、縁起が良い「大安」か「友引」を納車日にすると良いだろう。もちろん、実利を重視してボディをチェックしやすい晴れの日、スタッフにじっくり相談できる平日などを優先するのもアリだ。
※記事内の情報は2023年3月6日時点のものです。