スズキ ジムニーとBMW Z4、2台あったら洋服みたいに着せ替えられる!
2022/04/10
車の数だけ存在する「車を囲むオーナーのドラマ」を紹介するインタビュー連載。あなたは、どんなクルマと、どんな時間を?
アウトドアなジムニーとシティなZ4を乗り換えて
付き合って1年半になる唐澤仁さんと満田紗知子さんの愛車は、1996年式のスズキ ジムニーと2004年式のBMW Z4。
土曜日はジムニーでデイキャンプに行き、日曜日はZ4で都内のレストランへというように、2台を乗り替えて楽しんでいる。
唐澤さんは「その日の行き先や気分で洋服を選ぶのと同じような感じです」と言い、満田さんは「そんなふうに車を選べるのはとても贅沢で、生活が豊かになりました」と穏やかな笑顔を見せてくれた。
実は、仕事でも日常生活でもジムニー1台で十分どころかなくても不便はない。にもかかわらずZ4を買い足したそうだが、そのきっかけはコロナ禍だった。
「なにかと不自由な生活に毎日うつうつとしていて、ふと『バイクに乗ろう!』と思って。でも、家族に反対されて断念したんです」
そんな時、満田さんはネットフリックスの海外ドラマ『ジニー&ジョージア』のワンシーンに衝撃を受ける。奔放なヒロインがBMW 4シリーズカブリオレの幌を下ろし、オープンカーの中でピクニックを楽しんでいたのだ。
「そのカーピクニックがすごくおしゃれで、『これだ!』って思いました」
そして手に入れたZ4だが、たいてい唐澤さんが運転を担当し、満田さんは助手席に座ることが多い。
聞けばZ4は満田さんが免許を取ってから初めての車。車高が低くて視界が狭く、ロードクリアランスの小さなZ4は「初心者向きじゃないんです(笑)」。
「初めての道や狭い道は不安なので彼に運転してもらって、大きな国道なら私が運転します。でも、コンビニの入り口も段差が大きそうだったらパスして、次のお店に行くくらい慎重に」
そんな初心者で慎重派の満田さんに対し、これまでスポーツカーからSUVまで乗ってきた経験豊富な唐澤さんは、ジムニーで渡河にもトライしたという。
「車高を上げてあるだけあって、問題なく川も渡れましたよ。どこにでも行けます」と胸を張るが、箱根の山道ではボンネットから煙が出て肝を冷やしたこともあったそうだ。
何の予定もない週末はよく葉山までドライブする。同じ道でもジムニーで走るのとZ4で走るとのでは景色がまったく違って見える。
背が高くて見晴らしがよく四角いジムニーは一生懸命に走り、低く構えた流麗なZ4はクールに風を切って走る。
真夏でもエアコンを使わずに窓を全開にして走るジムニーは子供の頃の夏休みみたいで最高だし、真冬でもオープンにして走るZ4はシートヒーターと足元の暖房が露天風呂気分でこれまた最高。
そう、まったく違う性格の2台は、お互いを補い合ってパーフェクトなカーライフを2人にもたらしてくれているのだ!
これまで2人と2台でたくさんのドライブをしてきた中でも、ジムニーで行ったフェリーを利用しての南房総へのキャンプ旅はとびきり楽しかったそう。
「まるでペットのようにジムニーを連れて船に乗る気分だった」と振り返る2人が次に夢見ているのが、フェリーで北海道に渡るドライブ旅行だ。
北海道にはジムニーとZ4どっちで? と問うと、「キャンプしたいからジムニーかな」「広大な大地をZ4で駆けぬけてみたいかも」「じゃあ2回行かなくちゃ!」。顔を見合わせながら話す2人はとても幸せそうだった。
唐澤さん&満田さんのマイカーレビューその1
スズキ ジムニー(JA22型)
●購入金額/37万円
●年間走行距離/約6000km
●マイカーの好きなところ/汚れてもかっこいいところ
●マイカーの愛すべきダメなところ/急にボンネットから煙が出るところ
●マイカーはどんな人にオススメしたい?/キャンプやアウトドアが好きな人
唐澤さん&満田さんのマイカーレビューその2
BMW Z4(初代)
●購入金額/33万円
●年間走行距離/約6000km
●マイカーの好きなところ/品がある、やわらかなお尻(リアフェンダー)のライン、きれいなショルダーライン
●マイカーの愛すべきダメなところ/初心者向きじゃない視界の悪さ。ロードクリアランスがないので下をすっちゃいそうで行き先を選ぶ
●マイカーはどんな人にオススメしたい?/日々を豊かにしたい人
自動車ライター
竹井あきら
自動車専門誌『NAVI』編集記者を経て独立。雑誌や広告などの編集・執筆・企画を手がける。プジョー 306カブリオレを手放してから次期愛車を物色しつつ、近年は1馬力(乗馬)に夢中。