クルマを替えた、もっとサーフィンに行きたくなった|Carsensor IN MY LIFE

都内某所。サーファーのK.Sさん(32歳)に話を伺った。彼は介護施設の職員として働きながら、時間さえあれば海に行き、ひとつでも多くの波に乗りたいと考えている。焼けた肌がそれを物語っていた。「サーフィンのどこに惹かれるのか?」。そう尋ねると、彼はまず幼い頃の波との出会いを語り、その思いを静かに語ってくれた。

この物語は、取材を通して聞いた実話をベースにしたもの。クルマにまつわる、人間ドラマだ。
 

サーフィンと、クルマと、人生と。その密接な関係

「サーフィンのどこが面白いの?」

「いい質問だけど、答えるのが難しいね(笑)」

波乗りを始めたのは20歳の頃だ。好きだったバイクにひとり乗って湘南の七里ヶ浜に着くと、たくさんの人が海に浮かんで波待ちしていた。

波乗りってそんなに面白いのだろうか。翌週には鵠沼でスクールを受けた。最初から乗れたのにインストラクターはビックリしていたけれど、今思えば、小さな頃に家族と海に行ってはボディボードを楽しんでいた影響が大きい。波に押される感覚が体に染み付いている。

学校を卒業して、介護施設で働くようになって10年近く経ったけど、波乗りへの情熱は冷めない。いや、熱くなる一方だ。職場で知り合って結婚した妻は、僕の波乗りに理解がある。自分もやってみたいとは言わないが、波乗りのどこが面白いのか興味はあるようだ。今朝も出発前に玄関で聞かれた。
 

トヨタ カローラフィールダー

「ねぇ、サーフィンのどこが面白いの?」

「同じ波は二度と来ない。波は一期一会。どの波も僕が初めて出会った波だからね」

「ふーん……」

「納得してないね(笑)。そうだ、初めて自転車に乗れた日のこと、覚えている?」

「もちろん! スッゴク感動した」

「あれだよ。どの波も初めての波。ひとつ乗るたび、初めて自転車に乗れたときのような感動がやってくるんだ」

「それ、超感動だね! 毎週、何度も行きたくなる理由がわかる。いってらっしゃい」
 

トヨタ カローラフィールダー

毎週どころか許されるなら毎日行きたい。僕の休日はシフト制だから、道も海も混む土曜、日曜は避けられるけれど、意外に交通費がバカにならない。給与は決まっているから、波乗りの回数を増やすには工夫するしかない。

だから高速道路は使わずに一般道を走る。うまく裏道やショートカットを見つけて到着時間を短縮できたときは気分がいい。連休のときは、そのまま海辺のパーキングにステイ。車内泊で宿泊代をセーブ。以前に乗っていたハイエースは荷台に寝られたからコンディションも上々。波が上がってくるまで車内で休憩するのも快適だった。
 

トヨタ カローラフィールダー

でも、コストカットもここまで。これ以上何ができるのか。ハイエースの車検が来たときに悩んでいたら、いい“物件”を見つけて即決した。それが、このカローラフィールダー。ハイエースの燃費がJC08モードで10.2km/Lだったのが、カローラフィールダーなら23.0km/L。ざっと2倍も走る。

こいつとの出会いも一期一会。そんな“波”にサクッと乗ってみたら、海辺で声をかけられることが多くなった。

「これ、トヨタのなんてクルマ? カローラフィールダー? いいじゃん!」

ハイエースやSUVが多いビーチパークでは、かえって注目を集めている。昔から着るものは70年代のスタイルが好きで、実はそういったファッションともさり気なくマッチしてくれる懐の深さがある。そういうところは買ってから気づいた。
 

トヨタ カローラフィールダー

ショートボードはもちろん、ロングボードも中に積めるから実用的。シートを倒せば快適に休めるし、今の僕にとってパーフェクト。燃料代がセーブできた分は波乗りの回数を増やすつもり。人生の節目にも一期一会の“波”がある。巧みに“乗れた”感動は、波乗りと変わらないと思った。
 

クルマを替えた、もっとサーフィンに行きたくなった

エコなクルマで、サーフィンの回数を増やしたい

 

波乗りに行けばいくほど、積み重なる交通費。だから多少、車両価格が高かったとしても燃費を含め維持費を抑えられるクルマが良い。もちろんサーフボードを車内に積めて、横になって休めることも大切だ。そんな条件を備えたクルマの中で、気に入ったのはトヨタ カローラフィールダー、マツダ CX-5、BMW 3シリーズツーリングの3台。僕の予算に近いのはカローラフィールダーだったから選んだけど、いずれも僕のスタイルには“ハマる”感じだった。
 

文/ブンタ 写真/杉田裕一[BGHE] スタイリング/星光彦 ヘアメイク/高石涼太(Yolken) モデル/山本晃(MauSurf)

CREDIT

MAN:シャツ2万4000円/メッサジェリエ(WAKO&CO 06-6263-8188)、Tシャツ5800円/メイプル(デルタ03-3409-5923)、デニム3万3000円/AG(エージー ジャパン03-5946-8990)サングラス3万5000円/マッサーダ、グラスコード5400円/ディフューザー(ともにブリンク青山 03-5775-7525)、ターコイズバングル3万3000円/シンパシー・オブ・ソウル(S.O.S fp 恵比寿本店03-3461-4875)、スニーカー1万円/ヴァンズ(ブルーウッド バイ ハンドイントゥリーPR03-3796-0996)

※掲載内容有効期限:2016年10月16日