サーフィン雑誌の編集部に潜入!サーファーのクルマ事情を聞いてきた
2019/05/24
「クルマが欲しい」と思うときは「クルマがある生活」を思い浮かべるわけだが、そのシーンは人ぞれぞれ。仕事や生活、趣味……。自分の要望に応えてくれるクルマが欲しいものだ。積載性や燃費の情報は数多くあるが、「自分がしたいこと」を叶えてくれるのは、どんなクルマがベストかはあまり語られていない。
そこで、今回はクルマと切っても切れないアクティビティである「サーフィン」に最適なクルマの選び方や、気をつけるべきポイントを調査。その答えを探るべく、人気のサーフィン雑誌「SURFIN’LIFE(サーフィンライフ)」編集部に突撃取材した。
「SURFIN’LIFE」編集部のオフィスに突撃!
オリンピック種目にもなり、ここ数年で人気がさらに加速しているサーフィン。しかし、ジョギングなどとは違い「海に行かなければならい」「難しそう」「道具を揃えるのにお金がかかりそう」という先入観からちょっとハードルが高そうと思う方も多いはず(あながち間違いではないが)。
実際にサーフィンをしている人も、これから始めてみたい人も、そのシーンにどっぷり浸かっている人の話はきっとタメになるはず! というワケで今回は40年近い歴史をもつサーフィン専門誌「サーフィンライフ」の編集部に取材してきた。
海沿いにテラスがあるオフィス兼カフェで毎日海を見ながら仕事をしている……と思っていたが、編集部のオフィスは意外にも渋谷のど真ん中。棚に並べられた大量の「海」に関する書籍と、春先なのにスタッフが海外帰りのように「真っ黒」という2つを除けば、いわゆる普通の雑誌編集部と変わらない。
オフィスに居合わせたサーフィンライフの編集部員、鈴木さんに話を聞くと「会社には“海感”はありませんが、サーフィンの専門誌を作っているだけあって、取材や営業で週の半分は海沿いにいますよ。今日も朝は湘南の方でロケをしてきました」とのこと。
仕事にはサーフィンするタイミングもあるそうで、自身もサーフ生活を満喫。そんな、サーフィン漬けの生活を送る鈴木さんに話を聞くことにした
サーフィンにまつわるクルマの疑問を聞いてみた
サーフィンを趣味にする場合、海沿いのショップなどでボードを預かってくれて「手ぶらでサーフィン」を楽しめるサービスもあるが、クルマがあるとないとではモチベーションも大きく変わってくる。
実際、筆者もサーフィンを始めたが、都内のカーシェアサービスを利用したサーフ生活は、使い勝手やコスト面で不自由が生じている。そこで本格的にクルマの購入を検討している人に、サーフィンに最適なクルマの選び方と注意点を教えてもらう。
サーフボードを積んだ際のスペースはどうか、乗れる人数はMAX何人か、車中泊はする予定があるかなどを考慮して、クルマをチョイスするのが良いと思います。もちろん、日常使いの条件を満たしていることは大前提。本当はスタイルがあって海の似合うクールなクルマが最高なのですが、理想と現実を比較検討するのが“堅実”です(笑)
サーフボードの種類(長さ)にもよりますが、1BOXタイプが軽自動車を含めて人気です。ボードを室内に載せる方も多いので、背もたれを倒してフラットにできたり、荷室が広かったりする車種を選ぶ人は多いと思います。東海以南では車中泊できるようにカスタムされている車も多いです。また、砂浜まで乗り入れられるビーチなどではスタックしているクルマをたまに見かけるので、路面が悪いサーフスポットによく行くなら4WD車がオススメですね。
ビーチサイドではホンダのN-BOX、スズキのハスラー、トヨタのハイエースやノア/ヴォクシー、日産のセレナなどが人気だと思います。最寄りのスポットが遠い人、海へと通う回数が多い人は、燃費が良く室内も広いプリウスαによく乗っています。
はい。やはり潮の影響だと思います。自転車もバイクもすぐに錆びます。ただ、クルマは塗装が厚いので汚れ以外はそこまで気になりません。普通に洗車をすれば十分でしょう。ただ最近は、ガラスコーティングをして対策したりしている人も多いかもしれません。
ウエット生地のキーポケットに鍵を付けて、そのまま海に入る方も多いです。最近はイモビライザー内蔵のキーだけでなく、スマートキーやインテリジェンスキーもあるので「キーボックス」を利用するのがオススメです。鍵をボックスに入れて、ドアノブなどにくくりつけておきます。最近では、電子キー対応のものも出ていますよ。
週2~3回海に行く人が多いので、ラフに扱うとめちゃくちゃ汚れます(笑)。ビーチでしっかり砂を落とすのは困難ですが、有料シャワーなどを浴びればそこまで汚れません。また、サーフィン時にウェット生地のシートカバーを付けておけば、汚れをけっこう防げます。水も通さないので、濡れたまま移動できて便利です。砂に関してはラバーマットで対応するのが一番掃除しやすいのでオススメですね。
ショートボードなら後部座席を倒してスペースを作る、または取り外しが簡単な車内キャリアを使えば簡単に収納できます。その際ボードはワックスガード、ニットケース、ハードケースなどにしまいましょう。大きめなシリコン製のバケツがあると、ウエットスーツなど濡れ物の持ち運びがしやすくて海上がりにも便利です。
先ほども申し上げた大きめのバケツに加えて、車内キャリアとシートカバー、ビーチサンダルはあるとラクですね。キーボックスやコインケース、小さめの財布など“サーフィン専用ウォレット”を用意するのもオススメです。万が一、車上荒らしにあっても、被害を最小限に抑えられます。
サーフィンでかかる大部分を占めるのは、サーフスポットの駐車場代と高速代でしょう。例えば、夏の人気海水浴スポットである湘南などは渋谷並に駐車料金がかかります。サーフィンは最低でも1週間に1度は行かないと特に初心者などは上手くなりづらいので、高速代も燃費もけっこうかかります。だからクルマ選びをする際は、サーフィンにかかる費用込みで予算を組むのがポイントとなります。
モテます! と言いたいところですが、私は経験ありません(笑)。でもプロサーファーなど、めちゃくちゃ上手い人はモテると思います。それに自然に対峙することで、視野が広がって人生観も変わりますよ。ジムでの運動とは異なる心地よさもありますし。ただ、頭の9割(鈴木調べ)がサーフィンや波のことを考えるようになってしますが(笑)
参考になっただろうか。サーフィンを楽しみ尽くしたいなら、クルマは必須のアイテム。話を聞いて「購入しよう」と思えたなら、ぜひ前向きに検討してほしい。
PROFILE
SURFIN’LIFE:1980年に創刊。内容を大幅にリニューアルして、都市圏の社会人サーファーに向けて情報を発信している。「サーフ×ギア」「サーフ×テク」「サーフ×旅」だけでなく、「サーフ×キャンプ」「サーフ×移住」「サーフ×まちづくり」など多彩な切り口の特集で、多くのサーファーに支持されている。