劇的! タイヤ交換ビフォーアフター【CERC ~編集デスクのロードスター日記~ #05】
2016/04/20
中古車買ったらまずタイヤ!
4月20日から順次発売されるカーセンサー本誌で展開している連載『CERC』でもお伝えしたとおり、総額75万円で購入した2代目ロードスターNR-Aで本格的にサーキット走行を開始した。詳しくは本誌をご覧いただくとして、ここではタイヤの話をしよう。
ところで、中古車には劣化した古タイヤが付いていることが多い。そのまま乗り続けて「やっぱり中古車なんて、このレベルだよ」とガッカリしてしまうユーザーもいることだろう。だが、タイヤを新品に交換するだけで、乗り心地もステアリングフィールも音もガラリと変わる。筆者も、例のTV番組じゃないが、「なんということでしょう!」と叫びたくなるほどの激変っぷりを何度も経験している。昔からカーセンサーが提唱している「中古車買ったらまずタイヤ」は、覚えておきたい中古車標語だ。
ミシュラン パイロットスポーツ3を導入!
我がNR-Aに新たに導入したのは、「ミシュラン パイロットスポーツ3」というタイヤだ。ミシュランはフランスに本拠を置く世界的な老舗タイヤメーカーである。その「パイロットスポーツ」シリーズは、スポーツ性能を追求しながら濡れた路面(ウエット)でのグリップ性能も高い高性能タイヤの代名詞的存在。今年の3月に登場した最新モデル「ミシュラン パイロットスポーツ4」やル・マン24時間耐久レースから生まれたテクノロジーを採用した「ミシュラン パイロットスーパースポーツ」など様々なバリエーションがある中で、筆者はNR-Aのサイズ(195/50R15)を設定する「ミシュラン パイロットスポーツ3」をチョイスした。
チョイスの理由はサイズの有無だけではない。以前、別の車で同じタイヤを履いていたことがあり、ドライ/ウエットでのグリップ性能の高さ、ほど良い乗り心地、そして耐摩耗性&耐久性が高い=性能が持続するライフが長いことを知っていたこともある。どちらかといえば普段使いの方が多く、頻繁に交換できるほど経済状況が良好ではないという現実を踏まえ、筆者の用途を高い次元でバランスしてくれそうなのが「ミシュラン パイロットスポーツ3」だった、というわけだ。
まるでニュータイプになったかのようなハンドリング
手元に、タイヤを履き替えた当日のフレッシュな印象を記したメモがある。一般道と高速道路を走った感想として、そこにはこう書かれている。
・リアタイヤの存在をしっかり感じる
・トラクションのかかりが増した
・路面をしっかり掴んでいる感覚がある
グリップ力に関することばかりだ。従来のタイヤに比べ、いかにグリップが増したかがわかるだろう。ちなみに以前のタイヤに関しては、「おそらく黒くて丸いゴムの何かだった」と書かれていた。メモにはハンドリングについても触れられている。
・高速道路での違いが顕著/ウエットでの安定感(安心感)は絶大
・ステアリングを切ってから曲がるのではなく、“頭で考えたのと同時に曲がる”
・まるでニュータイプ?
最後の箇所は、誇張が過ぎるかもしれないが、違いがより鮮明な初日だったからこそ感じ取れた非常に繊細な部分であることは間違いない。一般道での印象は、すこぶる良好。その印象は、交換から1ヵ月、約1000km走った現在もほとんど変わらない。
続いて、我がホームサーキットである「袖ケ浦フォレスト・レースウェイ」で行ったテストの結果を報告しよう。というと、なんだかカッコよいのだが、正直なところ現在の筆者の技量では、とてもじゃないがサーキットでタイヤの性能を引き出すことは無理だった。まるでお釈迦様の手の内をグルグル飛んでいる孫悟空かのように、筆者が味わったのは、「ミシュラン パイロットスポーツ3」の懐の深い性能のごく一部でしかなかったはずだ。ただし、ラップタイムは以前のタイヤで走行したときよりも1秒縮まった。一瞬、腕が上がったのかと喜んだが、どう考えてもタイヤのおかげとしか言いようがない。
ことほど左様に、タイヤ交換による恩恵は大きい。たとえスポーツ走行をしなくとも、中古車を買ったユーザーならその絶大なる効果を実感することだろう。今の時代「女房と畳は……」だとなにかと語弊が生じるが、少なくとも「タイヤ」は新しい方が良いのだ。
【CERCとは】
中古車情報誌『カーセンサー』の連載『CERC』のスピンオフバージョンである。カーセンサー本誌に収録しきれなかった話題を、同連載の語り手である本誌デスク本人が赤裸々に綴る。ちなみにCERCとはCarsensor Editors Racing Club(カーセンサー・エディターズ・レーシング・クラブ)の略。
【筆者プロフィール】
1970年生まれ。群馬県在住の編集・ライター。カーセンサー本誌の編集デスク担当。
2015年9月に参加したメディア対抗ロードスター4時間耐久レースでの惨憺たる結果から一念発起。運転技術を磨くべく、マツダ ロードスター(2代目)のNR-Aを購入した。
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