▲中古車代表として編集部のホンダ フィット(2代目)とトヨタ エスティマハイブリッド(2代目)、最新の車代表として、マツダ CX-5(現行型)でいざ勝負! ▲中古車代表として編集部のホンダ フィット(2代目)とトヨタ エスティマハイブリッド(2代目)、最新の車代表として、マツダ CX-5(現行型)でいざ勝負!

キーレスが到達する距離を測ってみたことって……ありますか?

便利というよりも、もはや付いていない車は不便だ! といっていいほど当たり前の装備となったキーレスこと、キーレスエントリー。いつのまにかほとんどの新車には標準装備扱いになって、キーを鍵穴に差し込むタイプが残っているのは商用車くらい。カーセンサーnetに掲載されている車もパワーウインドウやパワステと同じくらいの「当たり前の装備」になりつつある。

でも……キーレスってリモコンが利きにくくなるときが結構あるんですよね。筆者が以前に乗っていたルノー メガーヌ(旧型)はボタン電池の残量が減ってくると途端に到達距離が短くなって、運転席側のバイザーに腕を向けたあと、手首を30度ほど下げないと反応しない……なんてことが、しばしばありました。

まあそんなレアケースはともかく、実際のところキーレスって、どれくらいの距離まで反応するのだろう? 高速道路のサービスエリアやショッピングモールなど、車が大量に止まっている状況でのキーレスは自分の車を探し当てるのに役立つのだから(※注:あくまで筆者の場合です)、ある程度離れたところからでも届いた方が便利なハズ。

というわけで、実際にメジャーを使って測ってみましょうか! ほら、編集部の若手たちよ。さっさと手伝いなさいよ。

Case.1 ホンダ フィット(2代目)の場合

超ヒット車種であり、カーセンサーnetでも常時2500台以上は掲載されている(2014年12月16日時点)2代目フィット。ベンチマークとしては適切な1台といえるだろう。

説明書には「周囲の状況により作動範囲が変化することがあります」と記載され、広報の方に問い合わせてみると「特に公称値はありません」という回答を頂いたが、今回の実験ではだいたい30mくらいまでは9割以上の確率で反応した。なぜか高い位置から押すと、プラス5mくらい距離が伸びる。リモコンの受信機はハザードランプスイッチの裏側にあるので、高い位置からの方が電波が通過しやすいのかもしれない。

▲30mまで到達すれば、広い駐車場でもゆうゆう発見できる距離だろう ▲30mまで到達すれば、広い駐車場でもゆうゆう発見できる距離だろう
▲「1.2.3.ダー!」とアントニオ猪木のように拳を天に突き上げると、なぜか反応距離が伸びる! ▲「1.2.3.ダー!」とアントニオ猪木のように拳を天に突き上げると、なぜか反応距離が伸びる!

Case.2 トヨタ エスティマハイブリッド(2代目)の場合

同じく超ヒット車種で今回のミニバン代表、編集部のトヨタ エスティマハイブリッド。広報の方によると「周囲環境の影響を受けるため、公称値はありません」という回答を頂いていたが、実験の結果、反応した距離は25m。高い位置からボタンを押すと、先ほどと同じように若干距離が伸びる。運転席側のスライドドアと運転席の間に受信機があるため、先ほどのフィットと比べると電波が届きにくいのかも……と推測する。

▲25mもあれば実用性は十分。不便と感じることはないだろう ▲25mもあれば実用性は十分。不便と感じることはないだろう

Case.3 マツダ CX-5(現行型)の場合

広報の方から「車の中心から半径5mまでは確実に反応します」という回答を頂いていたが、5m以上離れても問題なく反応するし、フィットと同じ30mでも余裕でイケる。それどころか編集部から持ってきたメジャーを目いっぱいに伸ばした50mでも反応した。メジャーを折り返して、倍の100mまで伸ばしてみたものの、それでもまだ大丈夫。10回押して、きっちり10回反応するのだ。

ロケ地の公園には100m地点の後方に船の形をした遊具がそびえ立っていたので、興味本位でその上に登って試してみた。さすがにここまでくると反応が急激に低下。フィットのときと同様に高々と手を挙げると、おおむね9割くらいの反応に落ち着いた。車との距離はおよそ150m。だいたいこれくらいがCX-5の限界到達距離といえそうだ。

▲50mはよゆーよゆー。あっさりと反応する ▲50mはよゆーよゆー。あっさりと反応する
▲ロケ地の公園駐車場を完全に飛び出した100m地点。このあたりでも問題なく反応する ▲ロケ地の公園駐車場を完全に飛び出した100m地点。このあたりでも問題なく反応する
▲高い位置からなら、こんな距離でも到達することが判明! ▲高い位置からなら、こんな距離でも到達することが判明!

結論としては
・最新モデルは150mくらいなら反応する
・高い位置から車に向けて押すと到達距離は伸びる
ということがわかった。ちなみにキーレスの電波は各メーカーとも微弱無線局の規定に基づき、電界強度の許容値を超えないように設定されている。

シンプルながら、この「キーレスどこまで届くかゲーム」(筆者が勝手に名付けました)はなかなか楽しい。折しも今日はクリスマスイブ。愛しのパートナーと旅先の展望台から自分たちの車に向けて「うわあ、ここまで届くよ! ウフフ、キャッキャ」などとはしゃげば、より一層愛が深まる……かどうかはわからないが、ぜひ一度愛車の飛距離を測ってみてはいかがだろうか。

最後に真面目なことを書くと、中古車を購入するときのチェックポイントとしてキーレスの利き具合を確認することをオススメする。もちろん、店頭で実際に試すときはお店の方にしっかり許可を取ることを忘れずに。

▲カップルはぜひタイタニックごっこをしながら、飛距離を調べてみよう! ▲カップルはぜひタイタニックごっこをしながら、飛距離を調べてみよう!
text/津田智徳