存在感高まるピレリの真の実力を確認した

  • ピレリ チントゥラートP7ブルー/Pゼロ 走り|ニューモデル試乗
  • ピレリ チントゥラートP7ブルー|ニューモデル試乗
チントュラートP7ブルーは欧州ですでに11サイズが販売されており、年末までには3サイズを追加する予定とのこと
最近ピレリが元気だ。と言っても、F1でアピール度が高まっている、というだけじゃない。例えばフラッグシップの「P ZERO」は今年が25周年。1987年デビューの第1弾はフェラーリF40用。それからハイパフォーマンスタイヤの代名詞として常に進化を続けてきた。これまでの累計販売本数は、何と5300万本。現在もマクラーレンMP4-12Cや、ポルシェ911の20インチサイズに独占供給を行うなど、特別な存在感を示している。

待望の新商品も登場した。「Cinturato P7Blue(チントュラートP7ブルー)」は、ミディアム〜ハイパワー車用のチントュラートP7の後継モデル。

特筆すべきは、サイズにより違いはあるが、今秋から始まるヨーロッパのタイヤラベリング制度において、転がり抵抗とウェットグリップの両項目で最高点の「A」を獲得した初めてのタイヤになるということだ。

意外や好バランスな走りが印象的

  •  ピレリ チントゥラートP7ブルー/Pゼロ 走り|ニューモデル試乗
  • ピレリ チントゥラートP7ブルー/Pゼロ 試乗会風景|ニューモデル試乗
バレンシア(スペイン)で行われた試乗会には、P ZEROとスーパーカー向けのP ZERO Corsaも比較のため用意された
ウェットコースで走らせた「チントュラートP7ブルー」は、「P ZERO」と比べても操舵応答が良く、大舵角でも旋回力が発揮されて安心感が高い。しかもリアが流れた時の動きが穏やかなのが印象に残った。ことウェット性能について言えば、「P ZERO」をも凌ぐほどだというわけである。

一般道の印象も良かった。硬めだがダンピングの利いた乗り心地は、エコタイヤへの先入観を覆すに十分。ハンドリングもキレ味軽快だ。これで燃費も向上するなら、言うことはない。サーキットでは「P ZERO」も堪能した。こちらは高いグリップ力はもちろん、コントロール性の良さを実感。ハイパワー車でも臆せず楽しめた。

正直言ってピレリ、F1の印象もあってか、もっとピーキーなタイヤと思っていた。それだけに、どれを取っても好バランスな仕上がりが、とても印象的だったのである。
Tester/島下泰久  Photo/ピレリ ジャパン