【試乗】新型 メルセデスAMG SL43|高レベルでチューニングされた4気筒エンジン。ロングドライブのお供に最適なモデルの1台だ!
2023/01/25
久しぶりに4気筒エンジンを採用したプレミアモデル
メルセデス・ベンツ SLシリーズの歴史は長い。初めて量産モデルが販売されたのが1954年だから、かれこれ70年近い歴史があるグランドツーリングモデルである。
ご存じの方も多いと思うが、SLというのは “Super Leicht(スーパーライト)”を意味しており、元々は軽量スポーツモデルだった。
今回新たに登場した7世代目のメルセデスAMG SLは、アルミ合金製のスペースフレームを採用。上位モデルのスポーツカーのAMG GT ロードスターに比べ、縦方向に40%、横方向に50%も剛性が向上した新世代のフレームである。
先代はメタルトップを採用していたが、新型ではキャンバストップの軽量オープンクローズシステムとなった。この方が、コントラストが明確で、プレミアムなグランドツーリングスポーツ感が強まった。
そして新型SLの特徴として、ロードスターながら2+2のレイアウトをもつこと、パワーユニットに2.0Lの4気筒ユニットが採用されているということが挙げられる。
特にSLに4気筒エンジンが採用されるのは、おそらく1955年から63年まで生産された190SL以来ではないかと思う。
この4気筒の190SLに25年ほど前に乗ったことがあるが、ソレックスが2機装着された重厚なSOHCユニットを載せ、サルーンのような優雅なイメージのモデルであった。
今回試乗したのは、新型SLの中でもよりハイパフォーマンスモデルとなるメルセデスAMG SL43。
搭載される4気筒エンジンのM139は、AMGの理念に基づいて一人が一つのエンジン組み立てており、最高出力は381psを発揮。トルクはなんと48.9kg・mというから、一昔前の2Lエンジンでは考えられない数値である。
キャンバストップを感じさせない快適さ
今回は、都内をはじめ富士、御殿場方面も含めたロングドライブを行った。
まず、ロードスターとしての耐候性であるが、ジャーマントップが素晴らしい仕事をしており、静粛性はクローズドモデルに準じているのではと思うほどだ。
また、高速道路がメインだったが、キャンバストップにありがちな“たわみ”による不快な気圧変化もない。非常に快適なクルージングである。
途中雨に見舞われたこともあったが、クーペに乗っているかのごとく快適であった。
そして注目の4気筒エンジンはレスポンスが良好で、どの速度域からアクセルを踏んでも瞬時に加速する。
それでいて4気筒特有の振動もスポイルするほど、しっかりとチューニングされたユニットだ。
ドライバビリティの良さはメルセデスの真骨頂でもある。だからこそ、今回のようなロングドライブでも疲れないのである。
トランクに中型の旅行鞄を入れて、後席にはジャケットを置き、助手席には手帳とタブレットなどが入ったカバンを置いて、優雅で不自由のない移動を楽しめた。
ステアリングホイールが太めで手の小さな私は疲れやすいと感じたが、強く握らずにワンハンドステアのように支えてコントロールするだけでも十分安心感のあるセッティングだ。
乗り心地は、スポーツカーというよりも少しばかりロール剛性が高いツーリングモデルという印象である。
ロングドライブのお供に最適なモデルのひとつと言えよう。
試乗の際に特に良かったと感じたのが、中高速が連続するコーナーだ。気持ちよくラインをトレースするし、加減速もリニアで制動力と出力特性のあんばいがいい。
欲を言えば9速ATのダイレクト感がよりスムーズであれば、一層ラグジュアリー感を演出できると感じたが、スポーツ性と考えればこのダイレクト感を好む人もいるだろう。
気温5℃前後の寒い富士山周辺をオープンルーフで走らせたが、首元や足元、手に至るまで寒さを少しも感じなかった。
オープンカーは春や秋などの穏やかな陽気の時期に乗るものだと思うが、今回のように開放感とともに頭に冷たい風がかすめた感触は、日常とは異なった体感を得られリフレッシュになる。
このような体感を得られるモデルこそ、特別なモデルという証しではないだろうか。
▼検索条件
メルセデスAMG SL(現行型)×全国【試乗車 諸元・スペック表】
●SL43
型式 | 4AA-232450C | 最小回転半径 | 6.1m |
---|---|---|---|
駆動方式 | FR | 全長×全幅×全高 | 4.7m×1.92m×1.37m |
ドア数 | 2 | ホイールベース | 2.7m |
ミッション | 9AT | 前トレッド/後トレッド | 1.66m/1.63m |
AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
4WS | - | 車両重量 | 1780kg |
シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
乗車定員 | 4名 | 車両総重量 | -kg |
ミッション位置 | コラム | 最低地上高 | 0.12m |
マニュアルモード | ◯ | ||
標準色 |
オブシディアンブラック、ハイテックシルバー、セレナイトグレー、スペクトラルブルー、ハイパーブルー |
||
オプション色 |
アルペングレー、オパリスホワイト、パタゴニアレッド、スペクトラルブルーマグノ(マット)、AMGモンツァグレーマグノ(マット) |
||
掲載コメント |
- |
型式 | 4AA-232450C |
---|---|
駆動方式 | FR |
ドア数 | 2 |
ミッション | 9AT |
AI-SHIFT | - |
4WS | - |
標準色 | オブシディアンブラック、ハイテックシルバー、セレナイトグレー、スペクトラルブルー、ハイパーブルー |
オプション色 | アルペングレー、オパリスホワイト、パタゴニアレッド、スペクトラルブルーマグノ(マット)、AMGモンツァグレーマグノ(マット) |
シート列数 | 2 |
乗車定員 | 4名 |
ミッション 位置 |
コラム |
マニュアル モード |
◯ |
最小回転半径 | 6.1m |
全長×全幅× 全高 |
4.7m×1.92m×1.37m |
ホイール ベース |
2.7m |
前トレッド/ 後トレッド |
1.66m/1.63m |
室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
車両重量 | 1780kg |
最大積載量 | -kg |
車両総重量 | -kg |
最低地上高 | 0.12m |
掲載用コメント | - |
エンジン型式 | 139 | 環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆ |
---|---|---|---|
種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 70リットル |
可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
総排気量 | 1991cc | 燃費(WLTCモード) |
10.8km/L
└市街地:7.4km/L └郊外:11.2km/L └高速:13.2km/L |
燃費基準達成 | - | ||
最高出力 | 381ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
480(48.9)/5000 |
エンジン型式 | 139 |
---|---|
種類 | 直列4気筒DOHC |
過給器 | ターボ |
可変気筒装置 | - |
総排気量 | 1991cc |
最高出力 | 381ps |
最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
480(48.9)/5000 |
環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆ |
使用燃料 | ハイオク |
燃料タンク容量 | 70リットル |
燃費(10.15モード) | -km/L |
燃費(WLTCモード) | 10.8km/L
└市街地:7.4km/L └郊外: 11.2km/L └高速: 13.2km/L |
燃費基準達成 | - |
自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。