普段使いの足として、申し分のない完成度

  • ダイハツ ミライース 走り|ニューモデル試乗
  • ダイハツ ミライース 自発光デジタルメーター|ニューモデル試乗
ガソリン車最高となる10・15モード燃費32.0km/Lを達成したミライース。この低燃費に加え79万5000円からという車両価格の安さも手伝って、発売直後にもかかわらずすでに2万台以上の受注が入っているという。

とはいえ、いくら車両価格が安くてもその走りや質感などがチープだったら意味がない。気になる燃費性能と併せ、その辺を中心にチェックをしてみた。

走り始めて感じたのは、普段使いなら十分ということ。エンジン&CVTはムーヴで採用された最新型がベースとなる。そのベースに対し“涙ぐましい”ほどの細部改良を積み重ねて低燃費を実現したという。
  • ダイハツ ミライース フロントシート|ニューモデル試乗
  • ダイハツ ミライース カーステレオ|ニューモデル試乗
努力の甲斐があってか、ガソリン消費を抑えることに注力しすぎて非力になりがちな従来までのエコエンジンに比べ、街中を走る限り力不足は感じない。その理由の一つが車両の軽量化だ。同クラスのミラに比べて大人一人分=約60kgの軽量化を実現したことが効いている。

燃費に関してはエコアイドル(アイドリングストップ機構)がよく仕事をする。この機構、実は7km/h以下になると車が停車しなくてもエンジンが先に止まる。これによって通常6%程度の節約に対し、10%まで燃料を節約できるという。エンジン停止の惰性で走っていた状態から再加速する際のエンジン再始動も、うまくチューニングされている。

エアコンを常にオンにして試乗したが、25.4km/Lまで燃費を伸ばすことができた。インパネ内のエコアシスト表示はシンプルだが実はこれが一番わかりやすい。室内もベースが70万円台とは思えないほどインパネのシボの使い方がうまい。駅までの送り迎えなど普段の生活の足として、ベストと言える完成度だ。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード X
駆動方式 FF
全長×全幅×全高(mm) 3395×1475×1500
ホイールベース(mm) 2455
車両重量(kg) 730
乗車定員 4人
エンジン種類 直3DOHC
10・15モード燃費 32.0km/L
最高出力[ps/rpm] 38kW(52ps)/6800rpm
最大トルク[kg-m/rpm] 60N・m(6.1㎏-m)/5200rpm
車両本体価格 79万5000~122万円

RATING走行性能だけでは車は語れない。そこで快適装備の充実度や安全性の高さ、環境性能、燃費、バリューの5つのポイントで評価する(※点数は標準車のものです)

総合評価20/ 25
EQUIPMENT(装備)3/ 5
Xは、アルミホイールやフルオートエアコンを装備する最上級グレードのGに対し装備はやや落ちるが、キーレスエントリー、電動格納式ドアミラー、専用設計のCD付きカーステレオを標準装備する。
SAFETY(安全性)2/ 5
車両安定デバイスであるVSCは最上級グレードのGのみ標準装備。他のグレードには設定されていない。運転席/助手席エアバッグは全グレードに標準装備。サイドエアバッグはGのみの設定となる。
ECO(環境性能)5/ 5
新設計のエンジン&CVTの採用により、FF&4WDを問わず平成17年排出ガス75%低減レベル、平成22年度燃費基準+25%を達成。走行中のCO2排出量も1kmあたり 77gとガソリン車で最も少ない。
MILEAGE(燃費)5/ 5
Xを含む2WD車の10・15モードは32.0km/L。より実用に近い走行状態での試験方法であるJC08モード走行では30.0km/Lを達成。ちなみに4WD車のJC08モード走行での燃料消費率は27.0km/Lとなる。
VALUE(バリュー)5/ 5
燃費が良くて車両価格も同クラスより安い設定が売りのミライース。そのなかでもXグレードは、車両価格100万円を切りながら、便利な機能や装備を備えているという点で、バランスが最も良いと言える。
写真:/奥隅圭之 文:高山正寛