【試乗】新型 日産 セレナ|静粛性と安定感が向上した6代目
2023/05/30
▲2022年12月にデビューした日産 セレナ。自動車テクノロジーライターの松本英雄氏による試乗のインプレッションをお届けする高い質感をまとったデザインにフルモデルチェンジ
セレナは日本において日産の販売を支えている最有力の1台と言えるだろう。
だからこそ気合が入ったモデルではあるが、2005年より3代目として登場したCプラットフォームの脆弱さは否めない。
もちろん改良は続けているのは理解できるが、先代となる5代目まで試乗して感じるのはドライバーは随分と良くなっているものの、セカンド、サードシートに及第点はあげられない。
もっとも売れれば良いという考え方もあるが、見えない部分にブラッシュアップを図ることも大切なのではと、セレナを乗るたびに感じる。
そして今回、6代目として新しくなったセレナを神奈川県追浜のテストコースで試乗した。
初めに言っておくが、このコースはモデルをより良く感じさせる路面なので辛めに見ようと思う。
プラットフォームはキャリーオーバーだが、エクステリアデザインはVモーションをフロント部全体に施し、質感を向上したマテリアルと表面処理で存在感を増した。

リアは先代のエッセンスも取り入れながらシャープで低く構え、小ぶりにしたことによって凝縮した質の高さを狙ったものである。

サイドを見るとシンプルであるが立体感あるデザインに仕上げられている。
5ナンバー枠のディメンションでいかに重厚感を出そうかと模索している様子もうかがえるが、明らかに先代よりも質は向上した。
ハイブリッド、e-POWERどちらも静粛性と安定感がUP
最初に試乗する2リッターのスマートハイブリッドモデルはいかがだろうか。

乗り込んでみると、コックピットは水平基調とデザイン性よりも視認性と扱いやすさを考えたデザインだ。
メータークラスターからインナーサイドパネルは柔らかな造形で仕上げられ、セレナのファミリー性が発揮されている。
特にシンセティック素材はしっとりとして柔らかさを感じる。

走り出しはスムーズかつ柔らかな加速だ。先代と比べ静粛性がかなり向上した。
テストコース内の路面が硬い部分でそう感じるので、本コースではもっと良好な印象になるに違いない。
ストレートを一気に加速する。平たんな道では、ロングストローク4気筒ユニットとCVTの相性が実にマナーのいい状態と言える。
中速コーナーの安定感も申し分なく、ハンドリング性の向上が強く感じられる。
続くタイトなコーナーの連続でも終始フラットライドで切り抜け、プラットフォームに合わせた進化がうかがえた。
次に乗るのは日産回復の原動力であるe-POWERを搭載したモデルだ。

走り出しはエンジンがしばらく始動しないので静かでいいが、その分キャビンの音が少し気になる。
とはいえ、この3気筒ユニットはとても静粛性に長けた「優れモノ」ということがよくわかる。
エンジンが始動しても3気筒特有のチープな振動は皆無である。

出力も必要にして十分であり、セレナのキャラクターとしてはソフトな雰囲気でいい。
そして何よりテストコースでは、安定感がとても良かった。
しっかり感が、外観とインテリアとそして走りに表れている。
【試乗車 諸元・スペック表】
●セレナ 2.0 XV
| 型式 | 5BA-C28 | 最小回転半径 | 5.7m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | FF | 全長×全幅×全高 | 4.69m×1.7m×1.87m |
| ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.87m |
| ミッション | CVT | 前トレッド/後トレッド | 1.48m/1.49m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | 3.15m×1.55m×1.4m |
| 4WS | - | 車両重量 | 1680kg |
| シート列数 | 3 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 8名 | 車両総重量 | 2120kg |
| ミッション位置 | インパネ | 最低地上高 | 0.14m |
| マニュアルモード | 〇 | ||
| 標準色 |
ダークメタルグレーメタリック、ブリリアントシルバーメタリック、アズライトブルーパール、ホワイト |
||
| オプション色 |
ターコイズブルーPM/Sブラック2トーン、利休-リキュウ-PM/スーパーブラック2トーン、カーディナルレッドCPM/Sブラック2トーン、プリズムホワイト/スーパーブラック2トーン、ターコイズブルーパールメタリック、利休-リキュウ-パールメタリック、プリズムホワイト3コートパール、インペリアルアンバーパール、ダイヤモンドブラックパール、カーディナルレッドカラークリアパールM |
||
| 掲載コメント |
- |
||
| エンジン型式 | MR20DD | 環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆☆ |
|---|---|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | レギュラー |
| - | - | 燃料タンク容量 | 54リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 総排気量 | 1997cc | 燃費(WLTCモード) | 13km/L └市街地:9.5km/L └郊外:13.6km/L └高速:14.9km/L |
| 燃費基準達成 | R12年度燃費基準 55%達成車 |
||
| 最高出力 | 150ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
200(20.4)/4400 |
| 型式 | 5BA-C28 |
|---|---|
| 駆動方式 | FF |
| ドア数 | 5 |
| ミッション | CVT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | ダークメタルグレーメタリック、ブリリアントシルバーメタリック、アズライトブルーパール、ホワイト |
| オプション色 | ターコイズブルーPM/Sブラック2トーン、利休-リキュウ-PM/スーパーブラック2トーン、カーディナルレッドCPM/Sブラック2トーン、プリズムホワイト/スーパーブラック2トーン、ターコイズブルーパールメタリック、利休-リキュウ-パールメタリック、プリズムホワイト3コートパール、インペリアルアンバーパール、ダイヤモンドブラックパール、カーディナルレッドカラークリアパールM |
| シート列数 | 3 |
| 乗車定員 | 8名 |
| ミッション 位置 |
インパネ |
| マニュアル モード |
〇 |
| 最小回転半径 | 5.7m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.69m×1.7m×1.87m |
| ホイール ベース |
2.87m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.48m/1.49m |
| 室内(全長×全幅×全高) | 3.15m×1.55m×1.4m |
| 車両重量 | 1680kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | 2120kg |
| 最低地上高 | 0.14m |
| 掲載用コメント |
| エンジン型式 | MR20DD |
|---|---|
| 種類 | 直列4気筒DOHC |
| 過給器 | - |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 1997cc |
| 最高出力 | 150ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
200(20.4)/4400 |
| 環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆☆ |
| 使用燃料 | レギュラー |
| 燃料タンク容量 | 54リットル |
| 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 燃費(WLTCモード) | 13km/L └市街地:9.5km/L └郊外: 13.6km/L └高速: 14.9km/L |
| 燃費基準達成 | R12年度燃費基準 55%達成車 |
●セレナ 1.4 e-POWER XV
| 型式 | 6AA-GC28 | 最小回転半径 | 5.7m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | FF | 全長×全幅×全高 | 4.69m×1.7m×1.87m |
| ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.87m |
| ミッション | その他AT | 前トレッド/後トレッド | 1.48m/1.49m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | 3.15m×1.55m×1.4m |
| 4WS | - | 車両重量 | 1810kg |
| シート列数 | 3 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 8名 | 車両総重量 | 2250kg |
| ミッション位置 | インパネ | 最低地上高 | 0.14m |
| マニュアルモード | - | ||
| 標準色 |
ダークメタルグレーメタリック、ブリリアントシルバーメタリック、アズライトブルーパール、ホワイト |
||
| オプション色 |
ターコイズブルーPM/Sブラック2トーン、利休-リキュウ-PM/スーパーブラック2トーン、カーディナルレッドCPM/Sブラック2トーン、プリズムホワイト/スーパーブラック2トーン、ターコイズブルーパールメタリック、利休-リキュウ-パールメタリック、プリズムホワイト3コートパール、インペリアルアンバーパール、ダイヤモンドブラックパール、カーディナルレッドカラークリアパールM |
||
| 掲載コメント |
- |
||
| エンジン型式 | HR14DDe | 環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆☆☆ |
|---|---|---|---|
| 種類 | 直列3気筒DOHC | 使用燃料 | レギュラー |
| 過給器 | - | 燃料タンク容量 | 52リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 総排気量 | 1433cc | 燃費(WLTCモード) | 19.3km/L └市街地:19.7km/L └郊外:20.7km/L └高速:18.3km/L |
| 燃費基準達成 | R12年度燃費基準 達成車 |
||
| 最高出力 | 98ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
123(12.5)/5600 |
| 型式 | 6AA-GC28 |
|---|---|
| 駆動方式 | FF |
| ドア数 | 5 |
| ミッション | その他AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | - |
| 標準色 | ダークメタルグレーメタリック、ブリリアントシルバーメタリック、アズライトブルーパール、ホワイト |
| オプション色 | ターコイズブルーPM/Sブラック2トーン、利休-リキュウ-PM/スーパーブラック2トーン、カーディナルレッドCPM/Sブラック2トーン、プリズムホワイト/スーパーブラック2トーン、ターコイズブルーパールメタリック、利休-リキュウ-パールメタリック、プリズムホワイト3コートパール、インペリアルアンバーパール、ダイヤモンドブラックパール、カーディナルレッドカラークリアパールM |
| シート列数 | 3 |
| 乗車定員 | 8名 |
| ミッション 位置 |
インパネ |
| マニュアル モード |
- |
| 最小回転半径 | 5.7m |
| 全長×全幅× 全高 |
4.69m×1.7m×1.87m |
| ホイール ベース |
2.87m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.48m/1.49m |
| 室内(全長×全幅×全高) | 3.15m×1.55m×1.4m |
| 車両重量 | 1810kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | 1810kg |
| 最低地上高 | 0.14m |
| 掲載用コメント | - |
| エンジン型式 | HR14DDe |
|---|---|
| 種類 | 直列3気筒DOHC |
| 過給器 | - |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 1433cc |
| 最高出力 | 98ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
123(12.5)/5600 |
| 環境対策エンジン | H30年基準 ☆☆☆☆ |
| 使用燃料 | レギュラー |
| 燃料タンク容量 | 52リットル |
| 燃費(10.15モード) | -km/L |
| 燃費(WLTCモード) | 19.3km/L └市街地:19.7km/L └郊外: 20.7km/L └高速: 18.3km/L |
| 燃費基準達成 | R12年度燃費基準 達成車 |

自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。