レクサスNX▲新型レクサス NXに公道試乗する機会を得た。NXには大きく分けるとガソリンとハイブリッド、新たなプラグインハイブリッドの仕様がある。前編として、まずはガソリンモデルの2台を比較試乗。自動車テクノロジーライター・松本英雄がレポートする。

コンセプトを継承しつつ重厚感を増したデザイン

初代LEXUS “NX”が登場して7年が経過した。

8年と少し前にコンセプトカーLEXUS “LF-NX” を目の前にしたときに、新しいデザインだと感じずにはいられなかった。

折り紙のようなシャープラインに基づいた陰影とソフトな造形でありながら力強さを感じさせるフェンダー。このコンセプトをベースに作られた量産モデルNXはショーカーのイメージを崩さずに登場した。

7年前に試乗したときの印象は今でも忘れられない。コンパクトSUVというクラスでありながら、あらゆる部分でアイデアとコストをかけた作りがちゃんとしていた。様々なアイデアも盛り込んだインテリアではあったが、随所の作りこみは上位車種よりも良さが際立っていたことを今でも思う。

2代目となった新型を目の前に思うのは初代のショーカーのコンセプトから受け継がれた造形は2代目となっても受け継がれている。

しかし、ボディの面のクオリティはより塊感を重んじていて、質感の向上がうかがえる。ウエストラインより上部のキャビンと、前後のフェンダーは継承したデザインであるが重厚感が増した。
 

レクサスNX
レクサスNX

NX 250 バージョンL(4WD):味わい深いアンダーステイトメント

NXには、大きく分けるとガソリンとハイブリッド、新たなプラグインハイブリッドの仕様がある。前編として、まずはガソリンモデルの2台の試乗した印象をお伝えしたい。

比較するのは、NX 250 バージョンLと350 Fスポーツだ。ともに4WD仕様である。

まずNX 250 バージョンLを試乗する。今回のバリエーションの中でも比較的地味な存在であるが、素性が最もわかるモデルでもある。

エンジンは4気筒2.5Lユニットから201馬力とトルクは24.5kg・mを発揮する。テレンカーキーマイカメタリックという深緑系のメタリックだ。初代ISにも似たような色があり、個人的には好みの色である。

内装はタンで装い、上品さが際立ったモデルだ。センスの良さを感じられる仕上がりはバージョンLならではと言える。

エンジンを始動し、バイワイアータイプのシフトレバーをDに入れて発進だ。手に触れる部分の質感はとてもいい。

走り出して感じるのは剛性の高さだ。バージョンLならではの追従性が良好なサスペンションと、ランフラットタイプのタイヤとのマッチングもいい。

今回は山道であるが、市街地や高速道路で疲れないセッティングの雰囲気を醸し出している。追従性が良く、タイトなコーナリングが連続するところでもフラットなボディは安心感がある。

エンジンも急こう配でなければパワー不足は感じないであろう。意地悪にキックダウンして負荷を高めエンジン回転を上げても、不快なノイズはない。8速ATも実に滑らかでエンジンの静粛性をサポートしながら山間部ではあるが最適なポジションにとどめてくれる。

4WDは車の質も向上する手段のひとつであるが、NX 250も前後ともに動力を得られることによってたえず路面とコンタクトをとるので、加速・減速ともにスタビリティは高い。

NX 250は決して全面的に押し出しのある雰囲気ではないが、ステアリングを握っているとアンダーステイトメントをじんわりと感じる飽きのこないモデルに違いない。
 

レクサスNX▲NX 250 バージョンL(4WD)

NX 350 Fスポーツ(4WD):ボディ剛性の違いが歴然

続いて対局のガソリンモデルであるNX 350 Fスポーツの試乗だ。空力を考えた顔つきはスポーティである。

ユニットは2.4Lターボから279馬力と、およそ44kg・mというNAのガソリンモデルであれば4.5L級のトルクを発揮する。

エンジンの静粛性は上々だ。試乗会場から一気に山に向って走り出す。前後の剛性が非常にソリッドであるが、その剛性の高さだからこそ、スポーツモードで走らせてみたくなった。

上りであってもパワフルなトルクによってぐいぐいと引っ張る。後軸から押されているような加速だ。8速ATはさらに素早く反応して、シフトアップ時の一呼吸がスポーティさを一層際立たせる。

ダンパーは、加速時にボディのフロント部分が上がりそうになるのを瞬時に収束する、伸び側を積極的に使うタイプである。ブレーキタッチは立ち上がりが速く、リニアリティには少々かけるが安心感がある。

負荷をかけてのコーナリングはビビッドで、SUVらしくない。ハイトが低いモデルのような高いスタビリティだ。下りではブレーキングによるリアの伸びを抑制して、フロントに荷重を意識させないセッティングは好感がもてる。

NX 250 バージョンLと比べると、ボディ剛性の違いが歴然としている。ステアリングを切った瞬間に、捩れることなく操舵系からサスペンションに伝わるスポーティさは、この剛性感があってこそ演出できる。

“F SPORT”の特別さが理解できるモデルだ。スポーティライクな方には満足のいく仕様である。

次回、後編としてハイブリッドモデルの比較試乗のレポートをお届けする。
 

レクサスNX▲NX350 Fスポーツ(4WD)
文/松本英雄、写真/篠原晃一

【試乗車 諸元・スペック表】
●250 バージョンL 4WD

型式 5BA-AAZA25 最小回転半径 5.8m
駆動方式 4WD 全長×全幅×全高 4.66m×1.87m×1.66m
ドア数 5 ホイールベース 2.69m
ミッション 8AT 前トレッド/後トレッド 1.61m/1.63m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) 1.81m×1.52m×1.2m
4WS - 車両重量 1710kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 1985kg
ミッション位置 フロア 最低地上高 0.19m
マニュアルモード    
標準色

ソニッククォーツ、ソニックチタニウム、ソニッククロム、ブラック、グラファイトブラックガラスフレーク、マダーレッド、テレーンカーキマイカメタリック、セレスティアルブルーガラスフレーク

オプション色

ブレージングカーネリアンコントラストL

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エンジン型式 A25A-FKS 環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆
種類 直列4気筒DOHC 使用燃料 ハイオク
過給器 - 燃料タンク容量 55リットル
可変気筒装置 - 燃費(10.15モード) -km/L
総排気量 2487cc 燃費(WLTCモード) 13.5km/L
└市街地:10.2km/L
└郊外:13.5km/L
└高速:15.6km/L
燃費基準達成 -
最高出力 201ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
241(24.5)/4400
型式 5BA-AAZA25
駆動方式 4WD
ドア数 5
ミッション 8AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 ソニッククォーツ、ソニックチタニウム、ソニッククロム、ブラック、グラファイトブラックガラスフレーク、マダーレッド、テレーンカーキマイカメタリック、セレスティアルブルーガラスフレーク
オプション色 ブレージングカーネリアンコントラストL
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
フロア
マニュアル
モード
最小回転半径 5.8m
全長×全幅×
全高
4.66m×1.87m×1.66m
ホイール
ベース
2.69m
前トレッド/
後トレッド
1.61m/1.63m
室内(全長×全幅×全高) 1.81m×1.52m×1.2m
車両重量 1710kg
最大積載量 -kg
車両総重量 1985kg
最低地上高 0.19m
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エンジン型式 A25A-FKS
種類 直列4気筒DOHC
過給器 -
可変気筒装置 -
総排気量 2487cc
最高出力 201ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
241(24.5)/4400
環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆
使用燃料 ハイオク
燃料タンク容量 55リットル
燃費(10.15モード) -km/L
燃費(WLTCモード) 13.5km/L
└市街地:10.2km/L
└郊外: 13.5km/L
└高速: 15.6km/L
燃費基準達成 -

【試乗車 諸元・スペック表】
●350 Fスポーツ 4WD

型式 5BA-TAZA25 最小回転半径 5.8m
駆動方式 4WD 全長×全幅×全高 4.66m×1.87m×1.66m
ドア数 5 ホイールベース 2.69m
ミッション 8AT 前トレッド/後トレッド 1.61m/1.63m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) 1.81m×1.52m×1.2m
4WS - 車両重量 1780kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 2055kg
ミッション位置 フロア 最低地上高 0.19m
マニュアルモード    
標準色

ソニックチタニウム、ソニッククロム、ブラック、グラファイトブラックガラスフレーク、マダーレッド、テレーンカーキマイカメタリック、セレスティアルブルーガラスフレーク、ホワイトノーヴァガラスフレーク

オプション色

ブレージングカーネリアンコントラストL、ヒートブルーコントラストレイヤリング

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エンジン型式 T24A-FTS 環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆
種類 直列4気筒DOHC 使用燃料 ハイオク
過給器 ターボ 燃料タンク容量 55リットル
可変気筒装置 - 燃費(10.15モード) -km/L
総排気量 2393cc 燃費(WLTCモード) 12.2km/L
└市街地:9.1km/L
└郊外:12.3km/L
└高速:14.2km/L
燃費基準達成 -
最高出力 279ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
430(43.8)/3600
型式 5BA-TAZA25
駆動方式 4WD
ドア数 5
ミッション 8AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 ソニックチタニウム、ソニッククロム、ブラック、グラファイトブラックガラスフレーク、マダーレッド、テレーンカーキマイカメタリック、セレスティアルブルーガラスフレーク、ホワイトノーヴァガラスフレーク
オプション色 ブレージングカーネリアンコントラストL、ヒートブルーコントラストレイヤリング
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
フロア
マニュアル
モード
最小回転半径 5.8m
全長×全幅×
全高
4.66m×1.87m×1.66m
ホイール
ベース
2.69m
前トレッド/
後トレッド
1.61m/1.63m
室内(全長×全幅×全高) 1.81m×1.52m×1.2m
車両重量 1780kg
最大積載量 -kg
車両総重量 2055kg
最低地上高 0.19m
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エンジン型式 T24A-FTS
種類 直列4気筒DOHC
過給器 ターボ
可変気筒装置 -
総排気量 2393cc
最高出力 279ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
430(43.8)/3600
環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆
使用燃料 ハイオク
燃料タンク容量 55リットル
燃費(10.15モード) -km/L
燃費(WLTCモード) 12.2km/L
└市街地:9.1km/L
└郊外: 12.3km/L
└高速: 14.2km/L
燃費基準達成 -
松本英雄(まつもとひでお)

自動車テクノロジーライター

松本英雄

自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。