UX300e▲2020年10月に登場した電気自動車(EV)の新型UV300e。自動車テクノロジーライターの松本英雄氏による試乗の様子をお届けする

EVにはもってこいのボディ

トヨタでは初のバッテリー式電気自動車(BEV)となったレクサス UX300e。レク サスの中で最もコンパクトなクロスオーバーSUVだ。

トヨタ CH-Rなどにも使われている「GA-Cプラットフォーム」を用い、BEVとしてブラッシュアップしたモデルである。当初は135台の限定的な販売であったが、今現在では通常販売となっている。

レクサスの中ではコンパクトながら、空気を流す形状のデザインは凝った造形といえる。特にフロントフェンダーとリアクオーターまわりは、空気の流れを考えスタビリティをもたらすことがうかがえるといえる。

可能な限り航続距離を延ばしたいBEVには、既存のモデルとしてみればうってつけかもしれない。今回は数日の間、試乗をする機会を得たのでその様子をお伝えしよう。

まず、乗り込むと感じるのは、ドアとロッカーパネルの形状によって乗り降りがしやすいという点だ。これはガソリンモデルのUXにも共通したことだが、改めてそう感じた。

見た目もガソリンとHVとそう変わる部分もない。

UX300e ▲BEVだからと言って、過剰に演出されているということはない

早速、乗り込んでみる。メーターは走行可能な距離がわかりやすく、バッテリーの残量を意識してもらうような表示になっている。

それと、シフトレバーが小ぶりで繊細で上品さがうかがえる。EVならではのバイワイヤ方式をアピールする形状でもある。

一般的に電気自動車(EV)は、発進のコントロールに唐突な場面もあるが、UX300eは走り出しから徐行速度までの極低速域でのコントロールがとてもいい。

UX300e ▲航続可能な距離が速度の下に表示される

我が家は少々坂になった駐車スペースなのだが、電気モーター特有の初めから大きなトルクを上手に扱ったアクセレーションである。

FFモデルでは、一時停止の坂道発進は設計の根幹にかかわる素養が見え隠れする場面だ。欧州車でも、これがいまひとつというプレミアムブランドがあるくらいだが、UX300eは粘り強くアクセルの操作によって演出できるので、唐突でなく優しい発進だ。

いたずらに強くアクセルを踏んでみても、トラクションは万全である。これが空転したり、スリップした瞬間を察知してコントロールすることも速いようだ。

UX300e ▲落ち着きのある上品なインテリア

走りからもレクサスらしさを感じる

EVだからと言って回転半径が大きいわけではなく、ガソリンモデル同様の5.2mはとても扱いやすい数字といえる。

自宅から一般道を走り第三京浜へと向かう。途中の轍でもステアリングが取られるようなこともない。ガソリンモデルを含めたUXの中では、最も乗り心地がしっとりしていて落ち着きがある。

最低地上高は他のUXと比べると20mmほど低いが、といっても140mmの高さが確保されているので通常の乗用車と同じ感覚で扱うことができる。

ブレーキのコントロール性もリニアで操作しやすい。唐突さがなく連続的な制動力だ。回生ブレーキを念頭に置いているにもかかわらず、プレミアムブランドとして角のなさが感じられる。

UX300e ▲バッテリーの分だけ底面が低くなっているが、普段使いでは特段気になることはなさそう

加速は俊敏でとてもいい。加速した瞬間でもフロントも浮き上がらず、フラフラしないことは大切なドライバビリティである。

第三京浜に入るカーブも安定性が高く、車重によるアンダーステアを抑えていて不安がない。高速道路の安定感も良好だ。風切り音も少なく、BEVだけに静粛性も高い。

1人での試乗だったのでうねりの大きいバウンスィングでも影響はなかったが、条件によってはストロークの抑制は感じ取れるのかもしれない。

UX300e ▲SUVらしい積載性の高さも魅力

取り回しがいい稠密なデザインで質感の高いモデルは少ない。しかも、電気自動車となると選択はさらに少なくなる。

そう考えるとUX300eは質感が高く、おまけに取り回しもいい。カローラと同等かそれ以上の小回りの持ち主だ。しかも、静粛性は文句ない。

これは、ある程度の年齢を重ねた方にはうってつけのモデルである。

今後はこういった稠密で質の高い電気自動車も出てくるだろうが、誇張しない雰囲気とパイオニア的な存在はいいと思う。

UX300e ▲UX300eというエンブレム以外の極端な差別化は難しいが、ちらっとオンリーワンを感じさせるモデルであった
文/松本英雄、写真/尾形和美

▼検索条件

レクサス UX300e(現行型) × 全国

【試乗車 諸元・スペック表】
●UX300e バージョンC

型式 ZAA-KMA10 最小回転半径 5.2m
駆動方式 FF 全長×全幅×全高 4.5m×1.84m×1.54m
ドア数 5 ホイールベース 2.64m
ミッション その他AT 前トレッド/後トレッド 1.56m/1.56m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) 1.83m×1.52m×1.11m
4WS - 車両重量 1800kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 2075kg
ミッション位置 不明 最低地上高 0.14m
マニュアルモード -
標準色

ソニッククォーツ、マーキュリーグレーマイカ、プラチナムシルバーメタリック、ソニックチタニウム、ブラック、グラファイトブラックガラスフレーク、マダーレッド、アンバークリスタルシャイン、テレーンカーキマイカメタリック、セレスティアルブルーガラスフレーク

オプション色

ブレージングカーネリアンコントラストL

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型式 ZAA-KMA10
駆動方式 FF
ドア数 5
ミッション その他AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 ソニッククォーツ、マーキュリーグレーマイカ、プラチナムシルバーメタリック、ソニックチタニウム、ブラック、グラファイトブラックガラスフレーク、マダーレッド、アンバークリスタルシャイン、テレーンカーキマイカメタリック、セレスティアルブルーガラスフレーク
オプション色 ブレージングカーネリアンコントラストL
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
不明
マニュアル
モード
-
最小回転半径 5.2m
全長×全幅×
全高
4.5m×1.84m×1.54m
ホイール
ベース
2.64m
前トレッド/
後トレッド
1.56m/1.56m
室内(全長×全幅×全高) 1.83m×1.52m×1.11m
車両重量 1800kg
最大積載量 -kg
車両総重量 2075kg
最低地上高 0.14m
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エンジン型式 4KM 環境対策エンジン -
種類 電気モーター 使用燃料 電気
過給器 - 燃料タンク容量 -リットル
可変気筒装置 - 燃費(10.15モード) -km/L
総排気量 -cc 燃費(WLTCモード) -
燃費基準達成 -
最高出力 203ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
300(30.5)/-
エンジン型式 4KM
種類 電気モーター
過給器 -
可変気筒装置 -
総排気量 -cc
最高出力 203ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
300(30.5)/-
環境対策エンジン -
使用燃料 電気
燃料タンク容量 -リットル
燃費(10.15モード) -km/L
燃費(WLTCモード) -km/L
燃費基準達成 -
松本英雄(まつもとひでお)

自動車テクノロジーライター

松本英雄

自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。