新型レクサス LSのV6ツインターボ“F SPORT”はドライバーも楽しめる仕様だ
カテゴリー: レクサスの試乗レポート
タグ: レクサス / LS / EDGEが効いている / 松本英雄
2018/02/25
クローズドコースで好印象だったのはF SPORT
今回の公道試乗の前に、クローズドコースで“F SPORT”の2WDとAWD、“version L”の2WDに試乗した。
ハイスピードでのタイトなコーナーさばきは、F SPORTの2WDが軽快に感じた。大柄なLSであってもボディの大きさを感じさせず、コーナーをトレースすることが楽しい。
人によってはAWDの方がステアリングにしっかりとした印象をもつかもしれないが、クローズドコースでは重みがある。
とはいっても新しいV6ツインターボのパワーユニットのパフォーマンスは軽快で、スポーツドライブしたくなる。
エンジン音は多少人工的に作られた音もあるが、ターボの感じはない。6000回転で発生する422馬力はあっという間に異次元の速度に到達する。
新しいLSはスポーティなシャシーだとは感じていたが、F SPORTとV6ツインターボの組み合わせは、さらにドライバーが楽しめるラージサイズスポーツサルーンである。
ちなみにversion Lのガソリンモデルのハンドリングは、コーナリング時の軽さも際立つが、ダンパーとタイヤのコンビネーションなのかバイブレーションを感じ、シャシー剛性が低く感じられた。
一般道でも静粛性の高いF SPORT。それ以外はやはり振動が気になる
試乗は房総半島で行われ、県道と高速を併用してのドライブだ。まずF SPORTの2WDから試乗する。
一般道で見るF SPORTは価格も高いがそれだけにエクステリアの加飾もカッコイイ。プライベートカーで乗るのであればF SPORTがいい。
ステリングは軽やかだがカーブのトレースはしやすい。路面でのわだちでもステアリングも取られにくく性能一辺倒のサスペンションセッティングとの違いがわかる。
その様子は高速道路へ入ると一層理解できるが、とにかくF SPORTは静粛性が高い。スポーツとはうたっているが高級サルーンをドライブしている重厚感もある。
サスペンションはボディのバイブレーションもなく確実に細かく仕事をする。エンジンの特性も乗りやすさと、いざというときの加速はフラッグシップのサイズであってもストレスがない軽快な動きをする。
欲を言えばエンジンに厚みのある音が欲しい。回転がそれほど上がらなくても十分なトルク特性があるとフラッグシップとしての高級度が増す。
乗り心地はとても良い。大きなうねりに対してエアーサスペンションの制御はいい仕事をしている。
クローズドコースのときと同じく、やはり振動が気になる。同一のボディではあるが、剛性が違うために動きの良いダンパーのセッティングでも乗り心地に深みを増そうとしたのだろうか。
F SPORTよりも心地が良いとは思えない。すなわち気持ちよくダンピングが行われていないのだ。その結果、静粛性にも表れる。
EXECUTIVEとversion Lは同エンジンで、2WDとAWDで同様な乗り心地なのだから、ボディとサスペンションの兼ね合いであることに間違いはないのではないか。F SPORTを超えるEXECUTIVEやversion Lが待ち遠しい。
【SPECIFICATIONS】
■グレード:F SPORT ■乗車定員:5名
■エンジン種類:V型6気筒DOHC+ターボ ■総排気量:3444cc
■最高出力:310(422)/6000 [kW(PS)/rpm]
■最大トルク:600(61.2)/1600~4800[N・m(kgf・m)/rpm]
■駆動方式:2WD ■トランスミッション:10AT
■全長x全幅x全高:5235x1900x1450(mm) ■ホイールベース:3125mm
■ガソリン種類/容量:ハイオク/82(L)
■JC08モード燃費:10.2(㎞/L)
■車両価格:1200万円(税込)
■グレード:EXECUTIVE ■乗車定員:5名
■エンジン種類:V型6気筒DOHC+ターボ ■総排気量:3444cc
■最高出力:310(422)/6000 [kW(PS)/rpm]
■最大トルク:600(61.2)/1600~4800[N・m(kgf・m)/rpm]
■駆動方式:4WD ■トランスミッション:10AT
■全長x全幅x全高:5235x1900x1460(mm) ■ホイールベース:3125mm
■ガソリン種類/容量:ハイオク/82(L)
■JC08モード燃費:9.5(㎞/L)
■車両価格:1540万円(税込)
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