【試乗】新型キャデラック CT5|上質さも追い求められたスポーツセダン
2022/10/27
キャデラックの中核セダン
「プレミアムブランドのEセグメントは、やはり縦置きユニットを用いたプラットフォームでなければ太刀打ちできない」という考えのもとに、キャデラック陣営が放ったFRセダンが「CTシリーズ」である。
ドイツ車に負けないクオリティと、今までのアメリカ車にはない操縦性を考えて作られた。
個人的にはホイールベースが3mを優に超えたCT6は、ノンターボのNA 3.6Lユニットながら印象の良い1台だ。
欧州プレミアムモデルに引けを取らない内装の作りの良さと、少々粗削りだが確実にダイレクトに作動するAWD。そして何よりもゆったりとした空間と乗り心地のよさが、入魂具合を感じずにいられないモデルであった。
今回は昨年に導入したCT6の弟分のCT5の試乗だ。160mm以上ホイールベースを短くしていることから、シャシー剛性も変わってくる。ホイールベースの違いもさることながらリア、クオーターパネルの造形が短くスポーティになっているのが特徴的だ。
ちなみに、さらにDセグメントの弟分であるCT4も発売されていて、キャデラックはドイツモデルに対抗したストライクゾーンも網羅している。
キャデラックセダンの中で中核をもたらすCT5であるが、日本でのフィールはいかがであろうか。左ハンドルのみの仕様を考えると、ストリーミングナビを採用してインフォテインメントを日本用にアレンジしているようである。
ちなみに現在のところ、日本へのCT4の導入のアナウンスは聞かれない。
上質感へのこだわりがうかがえるインテリア
試乗は都内を中心に行った。
ドアを開けるとCT6よりやや素材感に甲乙はあるが、センタークラスター、サイドパネル、センターコンソールともに質感は高い。
ドアを閉めたときの精度も高いが、ドイツのBMWやメルセデス、アウディよりも重厚感は少ない。だが、閉めやすいのは確かだ。触れる部分にもとても気を使った様子がうかがえる。
エンジンを始動すると4気筒2Lユニットではあるが、特有な振動は皆無である。先入観を持たないようにして乗り込んだが、2Lターボとは思えないくらいスムーズな動きだ。
いつシフトアップしたのかがわからないくらいスムーズではあるが、少し加速したいと思いゆるやかに踏み込むと、エンジンの制御とATの制御に差があり遅れを生じた場面があった。
10速ATは制御が難しい。あえて変速機にも奢った仕様にしてプレミアム感を付随したのだろうか。AWDながらニュートラルな動力バランスがツーリング感を一層高める。細かく制御することも大切だが、ドライビングにおいて動力によるビジーなステアリングフィールは大らかな部分が減少してしまう。
一方、スポーティなドライビングをして負荷を路面にかける走りをすると、ダイレクトにフロントにも動力を感じる走りとなる。
乗り心地はアメリカ車特有のふわふわ感は皆無だ。しっかりと素早く収束する。サスペンションは街中では心地よいが、細かなアンジュレーションでリアの追従性に不満は残る。しかし、モードをスポーツに変更するとそれほど感じなくなった。スポーツの設定に重きを置いた仕様なのだろうか。
フロントマスクは、キャデラックのフラッグシップの流れをくんだ新たなモデルだけに高級感が際立つが、エクステリア以上にインテリアの質感が高く感じられるので、ドライビングでもキャデラックというプレミアムを感じさせる。
見た目は好みもあるがドアを開けてシートに身を委ねれば、オーディオの音色とともに優雅な気持ちにさせてくれるモデルである。
【試乗車 諸元・スペック表】
●スポーツ 4WD
型式 | 7BA-A2LL | 最小回転半径 | -m |
---|---|---|---|
駆動方式 | 4WD | 全長×全幅×全高 | 4.93m×1.9m×1.45m |
ドア数 | 4 | ホイールベース | 2.94m |
ミッション | 10AT | 前トレッド/後トレッド | 1.6m/1.64m |
AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
4WS | - | 車両重量 | 1760kg |
シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | -kg |
ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | -m |
マニュアルモード | ◯ | ||
標準色 |
セーブルブラック |
||
オプション色 |
クリスタルホワイトトゥリコート、ウェーブメタリック、シャドーメタリック、インフラレッドティントコート、ブレーズオレンジメタリック |
||
掲載コメント |
- |
型式 | 7BA-A2LL |
---|---|
駆動方式 | 4WD |
ドア数 | 4 |
ミッション | 10AT |
AI-SHIFT | - |
4WS | - |
標準色 | セーブルブラック |
オプション色 | クリスタルホワイトトゥリコート、ウェーブメタリック、シャドーメタリック、インフラレッドティントコート、ブレーズオレンジメタリック |
シート列数 | 2 |
乗車定員 | 5名 |
ミッション 位置 |
フロア |
マニュアル モード |
◯ |
最小回転半径 | -m |
全長×全幅× 全高 |
4.93m×1.9m×1.45m |
ホイール ベース |
2.94m |
前トレッド/ 後トレッド |
1.6m/1.64m |
室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
車両重量 | 1760kg |
最大積載量 | -kg |
車両総重量 | -kg |
最低地上高 | -m |
掲載用コメント | - |
エンジン型式 | LSY | 環境対策エンジン | - |
---|---|---|---|
種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 66リットル |
可変気筒装置 | ◯ | 燃費(10.15モード) | -km/L |
総排気量 | 1997cc | 燃費(WLTCモード) | - |
燃費基準達成 | - | ||
最高出力 | 240ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
350(35.6)/4000 |
エンジン型式 | LSY |
---|---|
種類 | 直列4気筒DOHC |
過給器 | ターボ |
可変気筒装置 | ◯ |
総排気量 | 1997cc |
最高出力 | 240ps |
最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
350(35.6)/4000 |
環境対策エンジン | - |
使用燃料 | ハイオク |
燃料タンク容量 | 66リットル |
燃費(10.15モード) | -km/L |
燃費(WLTCモード) | -km/L |
燃費基準達成 | - |
自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。