マクラーレンMP4-12C【海外試乗】
カテゴリー: マクラーレンの試乗レポート
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2012/05/11
最新テクノロジーのオンパレード
7速デュアルクラッチ(SSG)とアダプティブダンパーを、走行状況に応じてノーマル/スポーツ/トラックの3段階に設定できるADPを採用
F1トップチームのマクラーレンがいよいよ量産スポーツカーに本格参入する。その第1弾モデル「MP4-12C」は、まさに最新テクノロジーのオンパレードと言うべき驚愕の内容を誇る。車体の基本骨格にはF1と同様に軽量・高強度なCFRP製バスタブ「カーボンモノセル」が使われ、前後サスペンションやエンジンが搭載されるアルミ製フレームはこれと一体成形されている。
ミッドマウントされるエンジンは、軽量コンパクトなV型8気筒3.8Lツインターボ。最高出力600ps、最大トルク600Nmの強大なパワーは、7速デュアルクラッチギアボックスを介して後輪へ伝達される。サスペンションからはアンチロールバーが廃され、代わりに4輪のダンパーを連関させたプロアクティブシャシーコントロールを装備。LSDも備わらずブレーキステアを搭載するなど、全身にF1由来の独創の技術を満載した。
乱れぬ姿勢はまるで手品のよう
軽量化によりエンジン重量は199㎏に抑えられた。高回転になるほど迫力のサウンドを奏でるスポーツエグゾーストもオプションで用意
なにしろ600psのミッドシップである。身構えるなというのは無理な相談だが、いざ走り出すと、快適な乗り心地に緊張が和らいだ。アンチロールバーで規制していない分、アシの動きがしなやかなのだ。おかげで路面追従性は抜群。カーボン製の強固なボディと相まって、縁石を踏み越えても姿勢はまるで乱れない。まるで手品のように。コーナリングもきわめてソリッド。サスペンションの位置決めが正確無比で、挙動すべてがダイレクト。600psのミッドシップにもかかわらず、立ち上がりで全開にしてスライドを楽しむ余裕すらあった。こんな走りの一体感、初めてである。
気がかりだったエンジンも8500rpmまで一気に回り、ターボのネガはなし。ブレーキも強力だ。 ひけらかしのためでなく、心から走りを楽しみたいと望む真のスポーツカーフリークに乗ってほしい1台。自分でもいつか絶対手に入れたい!
SPECIFICATIONS
主要諸元のグレード | MP4-12C | |
全長×全幅×全高(mm) | 4509×1908×1199 | |
車両重量(kg) | 1336 | |
エンジン種類 | V8 DOHCターボ | |
総排気量(cc) | 3799 | |
最高出力[ps/rpm] | 600/7000 | |
最大トルク[Nm/rpm] | 600/3000-7000 | 車両本体価格 | 2790万円 |
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