【試乗】新型 アルファ ロメオ ジュリアGTAm|ブランド110年の集大成、“最強エンジン”を積むハイパフォーマンスモデル
カテゴリー: アルファロメオの試乗レポート
タグ: アルファ ロメオ / セダン / FR / 4WD / ジュリア / EDGEが効いている / 西川淳 / c!
2022/05/02
ファン熱狂の世界限定500台、最大のテーマは軽量化
電動ブランドへの進化を決断したアルファ ロメオのそれは、エンジンカーファンに対する最後のギフトになるかもしれない。アルファ ロメオ史上最強スペックのエンジンを積んだジュリアGTA&GTAmは、輝かしいヘリテージに満ちたイタリアンブランド110年の集大成として登場した。
合わせて世界限定500台。そのうち84台が日本へとやってきた。アルファ ロメオの限定車に対する日本人の熱狂ぶりはイタリア人も驚くほどで、過去のモデルでもその比率は他の国を大抵凌駕してきたが、今回のオーダー数もまた驚異的である。日本人はアルファ ロメオが大好きなのだ。
この2月にそのほとんどが日本へと上陸した。顧客への納車も順調に進んでいるようだ。今回、幸運にもそのうちの1台、象徴的なグリーンメタリックにペイントされたオーナー車両をテストすることができた。
F1チームのノウハウを採り入れて開発したというエアロパーツや広げられたトレッドを覆うオーバーフェンダー、落とされた車高に20インチのセンターロックホイールが、ジュリアの美しいサルーンスタイルを一気に猛々しく演出する。濃い緑という珍しいカラーリングと相まって、もはや悪魔的な見栄えであり、獰猛を超えて猛毒を持つ禍々しさを感じる。
GTAmのインテリアはさらに威圧的だ。これから乗り込もうとする者にあからさまなアラートを出している。ボディ色に塗られたロールケージの下にはもはや後部シートはない。リアセクションのウインドウには白い埃がたくさんまとわりつく。ガラスではなく軽量なレキサンだ。
そう、その名のとおり、最大のテーマは軽量化だった。それゆえ付加デバイスはほとんどがプリプレグ成型の炭素繊維強化樹脂(CFRP)であり、特に軽量化の難しいフロントまわりのエアロパーツなどを見ていると、その複雑な成型に唸る他ない。カーボンパーツの価格は尋常じゃないだろう。オーナー各位にはくれぐれもアクシデントに気をつけていただくよう願っている。
それはともかく。フロントガラスの肉厚減にまで及んだという軽量化と、もちろんパワートレーン、シャシーセッティングがGTAのキモというべきで、そのことは乗り出して10mで早くもその端緒を実感する。そして100kmを超えた頃にはジュリア クアドリフォリオとはもはやまるで別の車であることを理解し、さらにテストが500kmに至ったときには心の底からこの車の虜になっていた。
10mで分かるのは、ハンドリングが相当にクイックであることだ。そして乗り心地はスペシャルなシートを相まって典型的なフラット&ソリッド。転がる頑丈な一枚岩の上にいるかのようだが、脳をシェイクするような衝撃の伝わり方ではない。だから街中でも案外、フツウに流すことができる。
100kmを超えたなら、様々な領域でV6ツインターボのエンジンフィールがクアドリフォリオ用とは違うことを知って、別物感が増す。チューニングのレベルを明らかに超えており、おそらく中身のほとんどが新設計になっているのだろう、吹けの鋭さから、トルクのつき、高回転域におけるパワー感など、全域にわたって別のエンジンを試しているかのようだ。アルファ ロメオのためにフェラーリが作った最後のエンジンである。その究極バージョンというだけでも価値があるというもの。
500kmまで延ばしてくると、高速域でのエアロダイナミクスが非常に優れていることを知る。スムーズに空気を流して走る感覚が常にあり、結果、安定感はクアドリフォリオの比ではなかった。非常に優れたグラントゥーリズモである。
総合的に見て、GTAmはクアドリフォリオよりも“クセのない”車だったというと、驚かれるだろうか? 否、最新の高性能モデルは皆、そのような傾向にある。パワートレーンやシャシーの制御が行き届いているからだ。それを好むか好まないかは個人の自由だが、少なくとも540psという途方もないパワーを誇るサルーンを公道で楽しみたいという方であれば、優れた制御を存分に活用してもらいたいと思う。そして、もし、そのもてるパフォーマンスをすべて解放してみたいと望まれるのであれば、ぜひ、クローズドトラックへとノーズを向けてみてほしい。最新にして最高のパフォーマンスをもつジュリアGTAmのようなマシンであれば、乗り手の腕に合わせて存分に楽しませてくれるはずだ。
繰り返す。GTAおよびGTAmにはアルファ ロメオの歴史が詰まっていた。
自動車評論家
西川淳
大学で機械工学を学んだ後、リクルートに入社。カーセンサー関東版副編集長を経てフリーランスへ。現在は京都を本拠に、車趣味を追求し続ける自動車評論家。カーセンサーEDGEにも多くの寄稿がある。
アルファ ロメオ ジュリアの中古車市場は?
アルファ ロメオのスポーティなFRセダン、ジュリア。現行モデルは、2022年に追加設定された2Lターボを搭載するエントリーモデルのTi(写真)から、2.9L V6ツインターボを積むハイパフォーマンスなクアドリフォリオまでをラインナップ。
国内導入は2017年と比較的時間がたっているため、中古車の流通台数も160台以上とイタリアンサルーンとしては豊富。価格も、初期型を中心に200万円台から狙うことができる。また、すでに最新ラインナップには用意されていない、4WDモデルやディーゼルエンジン搭載モデルが選べるのも、中古車の魅力と言えるだろう。
▼検索条件
アルファ ロメオ ジュリア × 全国【試乗車 諸元・スペック表】
●ジュリア GTAm
型式 | - | 最小回転半径 | -m |
---|---|---|---|
駆動方式 | 4WD | 全長×全幅×全高 | 4.67m×1.92m×1.45m |
ドア数 | 4 | ホイールベース | 2.82m |
ミッション | 8AT | 前トレッド/後トレッド | 1.58m/1.65m |
AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
4WS | - | 車両重量 | 1580kg |
シート列数 | 1 | 最大積載量 | -kg |
乗車定員 | 2名 | 車両総重量 | -kg |
ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | -m |
マニュアルモード | ◯ | ||
標準色 |
トロフェオホワイト、モントリオールグリーン、GTAレッド |
||
オプション色 |
- |
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掲載コメント |
※諸元情報は欧州参考値を記載しております |
型式 | - |
---|---|
駆動方式 | 4WD |
ドア数 | 4 |
ミッション | 8AT |
AI-SHIFT | - |
4WS | - |
標準色 | トロフェオホワイト、モントリオールグリーン、GTAレッド |
オプション色 | - |
シート列数 | 1 |
乗車定員 | 2名 |
ミッション 位置 |
フロア |
マニュアル モード |
◯ |
最小回転半径 | -m |
全長×全幅× 全高 |
4.67m×1.92m×1.45m |
ホイール ベース |
2.82m |
前トレッド/ 後トレッド |
1.58m/1.65m |
室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
車両重量 | 1580kg |
最大積載量 | -kg |
車両総重量 | -kg |
最低地上高 | -m |
掲載用コメント | ※諸元情報は欧州参考値を記載しております |
エンジン型式 | - | 環境対策エンジン | - |
---|---|---|---|
種類 | V型6気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 58リットル |
可変気筒装置 | ◯ | 燃費(10.15モード) | -km/L |
総排気量 | 2891cc | 燃費(WLTCモード) | - |
燃費基準達成 | - | ||
最高出力 | 540ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
600(61)/2500 |
エンジン型式 | - |
---|---|
種類 | V型6気筒DOHC |
過給器 | ターボ |
可変気筒装置 | ◯ |
総排気量 | 2891cc |
最高出力 | 540ps |
最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
600(61)/2500 |
環境対策エンジン | - |
使用燃料 | ハイオク |
燃料タンク容量 | 58リットル |
燃費(10.15モード) | -km/L |
燃費(WLTCモード) | -km/L |
燃費基準達成 | - |