3Lエンジンでトルク40%増大。低速でも力強いトルクを実現

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コンセプト

F1譲りのテクノロジーによりさらなる性能向上

1995年春(日本では1996年1月)にデビューし、1998年にフェイスリフトを受けたアルファスパイダー。今回のモデル追加では、外観や装備などは従来の2Lモデルから変更されていないが、ピニンファリーナの手による独創的なデザインは、いまだに斬新さも存在感も十分。目玉は3LV6・24Vエンジンの搭載。

このエンジンは、GTVに搭載されているものと同じスペックのオールアルミ製で、F1テクノロジーの応用であるスロットル・バイ・ワイヤー(電子制御によるスロットルコントロール)が採用されている。さらに、トランスミッションも6速マニュアルとし、スポーツドライビングのポテンシャルアップが図られており、よりエモーショナルで、よりスポーティなコンバーチブルモデルとなっている。
室内&荷室空間

イタリアンテイストあふれるコントラスト

インテリアにもデザインの変更はないが、アルファ独特のヌヴォラ・ブルーが加わりボディカラーは7色となった。また4色のインテリアカラー、2色のソフトトップカラーが用意され、新しいカラーバリエーションが追加された。赤ボディにタンのインテリア、あるいはライトグレーにオレンジの内装など、綺麗で大胆なカラーコーディネイトは、いかにもラテンの雰囲気にあふれオープンならではの醍醐味を醸し出している。

トランクは深さこそあるがそのほとんどがスペアタイヤに占領され、荷室と呼べるスペースはない。シート後部に、小ぶりの旅行バッグくらいなら置けるがいずれにしても実用的とは言い難い。それだけ「オープン」と「走り」に割り切っているゼイタクな車なのだ。
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ドライブフィール

フレキシブルでレスポンスに優れるエンジン

3Lエンジンの搭載により、全体的な走りの質感が高まったのが印象的。排気量アップにより低速域から力強いトルクとなり、さらに6速に刻まれたギアが常にトルクバンドにタコメーターの針を落としてくれる。2Lエンジンは高回転まで回したほうが気持ち良かったが、3Lは、トルクを使って走れるのであえて高回転まで引っ張ろうという気にはならない。とはいえ、電子制御によるスロットルコントロールによってアクセルレスポンスも向上し、スポーティな走りにも応えてくれる。

サスペンションも硬めだがダンピングが利いており、乗り心地も文句ない。パワーアップされても、ボディ剛性やブレーキとのアンバランスも感じられず、「オープンスポーツ」に更に磨きがかかったと言えよう。
こんな人にオススメ
このデザインとカラーコーディネイトはさすがイタリア、さすがアルファ、である。やはり乗る人もファッションに興味がありオシャレで、パッションのある人が似合いそう。ギンギンのスポーツドライビングじゃなくて、もう少し雰囲気を楽しむスポーティ派、そして当然ながらオープンエアを楽しみたい人にもオススメ。
SPECIFICATIONS
グレード 3.0 V6 24V
駆動方式 FF
トランスミッション 6MT
全長×全幅×全高(mm) 4290 x 1780 x 1315
ホイールベース(mm) 2540
車両重量(kg) 1450
乗車定員 2人
エンジン種類 V型6気筒DOHC
総排気量(cc) 2958
最高出力 160kW(218ps)/6300rpm
最大トルク 265N・m(26.9kg-m)/5000rpm
車両本体価格 455万円
写真:桜井健雄 文:佐藤久実