セミATの進化が生んだ上質感のある走り

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コンセプト

充実した装備のプレミアムカー

アルファロメオは156の登場以来、単なるスポーティカーメーカーからプレミアム感を重視した車作りへと大きく路線を変更しつつある。145の後継となる147も“プレミアムコンパクト”と呼ぶにふさわしい内容に仕上がっているのが特徴だ。

独特のスタイリング(このフロントマスクの唯一無二さと言ったら!)もさることながら、装備の充実ぶりにも注目してほしい。専用BOSEサウンドシステムに始まって、内気循環モード自動切り替え機構付きのデュアルフルオートエアコン、6エアバッグシステム、各種の走行安定化電子デバイス搭載など、プレミアムの名に恥じない仕様。価格競争力も十分あるだろう。日本仕様は2Lのセレスピードのみ。マニュアルミッションは2002年春にも上陸する予定だ。
室内&荷室空間

居住空間は十二分。包まれ感がなお嬉しい

ウエストラインの高いスタイリングを採用していることもあって、サイドウインドウが極端に薄く、それが147をマッシブかつスポーティに見せている。室内が犠牲にされているかというとそうではない。3ドアも5ドアも不満のない居住性を確保する。適度な包まれ感があって、ちょっとワクワクものだ。

セレスピードのパドルシフトのみならず、オーディオのボリュームコントロールなども付いた3本スポークハンドルの向こうには、丸形3連タイプの計器が見えている。左が240km/hまで刻まれた速度計、右がタコメーター、真ん中にガソリン計と水温計、そしてインフォメーションディスプレイだ。インテリアの材質や目のつまり方などに高い品質感があって、しかもスポーティ。なかなかセンスがいい。
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ドライブフィール

アルファらしさは健在。キレのある走りが自慢だ

156セレスピードとの大きな違いは、まずハンドルにF1風のパドルスイッチが付いたことだ。ハンドルの3時と9時の位置裏側に小さな三角のプラスチック板が付いていて、右がシフトアップ、下がダウンである。156の時に相当苦労して熟成させ、147の導入にあたってもトランスミッションメーカー並みのテストを重ねただけあって、しっかり進化しているのが嬉しい。特にオートマチックモードの使い勝手が格段に良くなった。

プレミアム感を増したことでアルファらしさが薄れたのでは、という懸念もあったが、発進前から聞こえるエンジンの鼓動や頭の重さを感じさせないキレのいいハンドリングはまさにアルファそのもの。それでいて、街中では上質に乗りこなせる。147の魅力はそんな二面性にある。
こんな人にオススメ
まずは、すべてのアルファロメオファンに。それから、これまで興味はあったけど品質面に不安があると思い込んでいたドイツ車ファンにもぜひ。そして、スポーティ&個性的な車が好きで、手頃な大きさ、手頃なステイタスを求める人にもオススメ。車で生活や価値観が変わるんだ、って実感できます。
SPECIFICATIONS
グレード 2.0 ツインスパーク セレスピード
駆動方式 FF
トランスミッション 5AT
全長×全幅×全高(mm) 4170 x 1730 x 1420
ホイールベース(mm) 2545
車両重量(kg) 1280
乗車定員 5人
エンジン種類 直列4気筒DOHC
総排気量(cc) 1969
最高出力 110kW(150ps)/6300rpm
最大トルク 181N・m(18.5kg-m)/3800rpm
車両本体価格 285万円
写真:桜井健雄 文:奥平 淳