【試乗】新型 フィアット ドブロ|シンプルで必要十分な装備を備えた“オトナのギア”
カテゴリー: フィアットの試乗レポート
2023/07/16
意外なほどスポーティな走りが楽しめるイタリアンMPV
フィアットのミニバン「ドブロ」の国内導入が開始された。ドブロとは、2000年に初代が誕生した商用&乗用MPV(マルチパーパスビークル)。日本ではルノー カングーが人気をけん引するカテゴリーに属するモデルだ。
初代と2代目は日本に正規輸入されておらず、この3代目が本邦初となる。そして2代目まではフィアット自社製だったが、この3代目はステランティス・グループとして多くの部品を共通化することで、プジョー リフター、シトロエン ベルランゴとの姉妹車となっている。
リフターは、プジョー独自のステアリング&メーターのレイアウト、i-Cockpitやアドバンスドグリップコントロールを装備したSUV仕立てに。ベルランゴは、シトロエンらしい乗り味やポップな内外装デザインを備えている。
そして、このドブロはボディバリエーションに姉妹車と同様の5人乗りベース車と7人乗り「ドブロマキシ」のグレードを用意する。デザインはとてもシンプルで、フロントマスクの中央には、フィアットの新しいシルバーのロゴを配した他、無塗装の前後バンパーやボディサイドのモールが道具感を演出する。2列目のドアは左右ともにスライドドア。リアのハッチゲートには、ガラス部分だけが開閉可能なガラスハッチを備えているなど使い勝手に優れている。
ボディサイズは、ベース車が全長4405mm、全幅1850mm、全高1800mm、ホイールベース2785mm。一方の7人乗りのドブロマキシは、全長4770mm、全幅1850mm、全高1870mm、ホイールベース2975mmと、全長で+365mm、ホイールベースで+190mmサイズアップしている。最大ラゲージ容量は、ベース車で2126L、ドブロマキシが2693Lだ。
インテリアの基本的な造形はベルランゴとも共通。インパネ中央に8インチのタッチスクリーンを配し、その下にあるATセレクターはダイヤル式になっている。メーターの上部やセンターコンソール、さらには運転席&助手席の頭上など、様々なところに物入れが用意されている。
シートは、座面などがかためでしっかりとした作り。2列目の3座シートは均等になっており、またドブロマキシの3列目は独立式となっている。いずれも前方へフラットに倒す操作はワンアクションで可能。その3列目シートだが、前方へ跳ね上げるタンブル格納ができ、さらに取り外すこともできる。加えて、左右のシート間にスペースがあるため、乗り降りも2列目のドアだけでなく、リアのハッチゲートからアクセスできる点もいい。3列目のスペースは、身長約180cmの大人が座っても窮屈に感じない広さが確保されている。
パワートレインは、ベース車とドブロマキシ共通。最高出力130ps/最大トルク300N・mを発揮する 1.5Lのディーゼルターボエンジンに8速ATを組み合わせている。1750rpmで最大トルクを発揮するこのエンジンは、ベース車1560kg、マキシ1660kgの車重をものともせず軽快に走る。8速ATもリズミカルにシフトアップし、コーナーにさしかかりブレーキを踏み込むようなシーンでは、控えめながらもブリッピングしながら小気味よくシフトダウンしてくれる。
コーナリング時のロールは少なくノーズが向きを変える。特に5人乗りはその傾向が強く、マキシは少しロール量が増えるものの基本的な印象は変わらない。意外にもATにマニュアルモードとパドルシフトが備わっているので、もっと積極的に走ることも可能。ブレーキもファーストタッチからしっかりと利くフィーリングだ。MPVとはいえ、意外なほどにスポーティな味付けになっているところがイタリア車らしくてユニークだ。
カングーの一人勝ちだったこのカテゴリーに、ベルランゴ、リフター、そしてこのドブロと新たな選択肢が加わった。先んじて発表された新型カングーの導入時にインポーター広報担当に確認したところ、決して小さいパイを奪い合っているわけではなく、このカテゴリーはまだまだ成長過程にあるという。
ドブロは3姉妹の中で最もシンプルで廉価な設定だが、必要なものはほぼ揃っている点が魅力だ。アダプティブクルーズコントロールやレーンキーピングアシスト、オートハイビームといったADAS(先進運転支援システム)も、俯瞰の映像が見えるリアパーキングカメラなども標準装備する。
それでいて、ベース車が399万円、7人乗りのマキシが429万円というリーズナブルな設定となっている。すでに500Xのスペースでは物足りない愛犬家のフィアットオーナーからも好評を得ているという。シンプルなデザイン、使い勝手のいいサイズ、両側スライドドア、大人が座れる3列シートなど、国産ミニバンとも十分に比較検討できるイタリアンMPVの登場だ。
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フィアット ドブロマキシ× 全国姉妹車のシトロエン ベルランゴとプジョー リフターの中古車市場は?
シトロエン ベルランゴ
2019年10月に日本デビューを果たしたシトロエン版MPV。ポジショニングライトとヘッドライトを2段構えとしたフロントマスクをはじめ、3モデルで最も個性的でポップなスタイリングに仕立てられている。
2023年7月前半時点で、中古車市場には200台以上が流通しており、そのほとんどが上級グレードのシャイン。平均価格は約353万円となる。7人乗りのロングは2023年1月導入のため、まだ数台しか流通していない。
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シトロエン ベルランゴ× 全国▼検索条件
シトロエン ベルランゴロング× 全国プジョー リフター
ベルランゴと同タイミングで日本デビュー。こちらはSUV仕立てが特徴となり、樹脂パーツが備わり、地上高がアップしている。ラフロードで役立つアドバンスドグリップコントロールやヒルディセントコントロールなどが備わるのもリフターのみとなる。
2023年7月前半時点で、50台程度の中古車物件が流通しており、平均価格は約364万円。こちらも大半は上級グレードの GTとなっている。半数弱のボディカラーがブルーなのもポイントだ。
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プジョー リフター× 全国▼検索条件
プジョー リフターロング× 全国【試乗車 諸元・スペック表】
●1.5ディーゼルターボ
型式 | 3DA-K9FYH01L | 最小回転半径 | 5.8m |
---|---|---|---|
駆動方式 | FF | 全長×全幅×全高 | 4.77m×1.85m×1.87m |
ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.98m |
ミッション | 8AT | 前トレッド/後トレッド | 1.56m/1.57m |
AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
4WS | - | 車両重量 | 1660kg |
シート列数 | 3 | 最大積載量 | -kg |
乗車定員 | 7名 | 車両総重量 | -kg |
ミッション位置 | インパネ | 最低地上高 | -m |
マニュアルモード | ◯ | ||
標準色 |
ジェラートホワイト |
||
オプション色 |
マエストログレー、メディテラネオブルー |
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掲載コメント |
- |
型式 | 3DA-K9FYH01L |
---|---|
駆動方式 | FF |
ドア数 | 5 |
ミッション | 8AT |
AI-SHIFT | - |
4WS | - |
標準色 | ジェラートホワイト |
オプション色 | マエストログレー、メディテラネオブルー |
シート列数 | 3 |
乗車定員 | 7名 |
ミッション 位置 |
インパネ |
マニュアル モード |
◯ |
最小回転半径 | 5.8m |
全長×全幅× 全高 |
4.77m×1.85m×1.87m |
ホイール ベース |
2.98m |
前トレッド/ 後トレッド |
1.56m/1.57m |
室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
車両重量 | 1660kg |
最大積載量 | -kg |
車両総重量 | -kg |
最低地上高 | -m |
掲載用コメント | - |
エンジン型式 | YH01 | 環境対策エンジン | - |
---|---|---|---|
種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | 軽油 |
過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 50リットル |
可変気筒装置 | - | 燃費(JC08モード) | 22.9km/L |
総排気量 | 1498cc | 燃費(WLTCモード) |
18.1km/L
└市街地:14.5km/L └郊外:18.2km/L └高速:20.2km/L |
燃費基準達成 | - | ||
最高出力 | 130ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
300(30.6)/1750 |
エンジン型式 | YH01 |
---|---|
種類 | 直列4気筒DOHC |
過給器 | ターボ |
可変気筒装置 | - |
総排気量 | 1498cc |
最高出力 | 130ps |
最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
300(30.6)/1750 |
環境対策エンジン | - |
使用燃料 | 軽油 |
燃料タンク容量 | 50リットル |
燃費(JC08モード) | 22.9km/L |
燃費(WLTCモード) | 18.1km/L
└市街地:14.5km/L └郊外: 18.2km/L └高速: 20.2km/L |
燃費基準達成 | - |