シトロエン C4▲シトロエンの新型C4ディーゼルに試乗する機会を得た。自動車テクノロジーライターの松本英雄氏による、公道でのインプレッションをお届けする

ガソリン、ディーゼル、EVと3つの顔をもつ3代目C4

シトロエンといえば個性派というイメージが強い。シトロエンのこれまでのモデルが、現在まで伝統芸のような風合いを残しているからだろうか。

今回試乗した“シトロエン C4”は、日本では今年になってすぐに登場した新型だ。戦後のC4としては3代目となる。

シトロエンといえば、ハイドロニューマチックサスペンションという“生物のサスペンション”のインパクトが強すぎるが、2005年に日本で初代に試乗した印象は、当時としては金属ばねでありながらも路面との追従性が抜群であった。

2代目となっても、ハンドリングと追従性は安定感が増し、初代よりも高級な装いに変化した印象がする。

しかし、いずれもガソリンモデルであった。今回新型となったC4は、1.2Lのガソリンターボ仕様と1.5Lのディーゼルターボに加え、E-C4というピュアEV仕様もある。

今回試乗するモデルは“C4 シャインブルーHDi”というディーゼルモデルである。EVを見据えて設計されたプラットフォームを有して3代目のC4は作られている。それが故にシャシー剛性は高いということが予想される。
 

乗らなければわからないシトロエンのアイデンティティ

乗り込む前に全体を眺めてみると、フロアとウエストラインに厚みがある。これはバッテリーを搭載する関係上、安全面とスペースパフォーマンスを向上させるための狙いがあることがわかる。同様のプラットフォームを使用しているブランドも同様なスタイリングが中心となる。
 

シトロエン C4

デザインは、他社とは一線を画した造形だ。特にフロントとリアは、パッと見た瞬間に理解できるフォルムだ。少し感じたのは、リアはホンダ車でも見かけたようなデザインである。
 

シトロエン C4

ドアを開け乗り込んでみると、足元のステップまわりが深くなく、足さばきは楽である。インテリアの質感はソフトパッドを多用していて良好だ。特にステアリングホイールの形と触れたときの感じが、手の温かさとぴたりと合う。
 

シトロエン C4

エンジンをスタートしよう。シトロエンやプジョーの特徴なのだが、ボタンを少し長押ししないとスターターが回らない。じっくりとボタンを押しエンジンが始動する。

エンジン音は、高音を遮断して低音のノイズが少々入る程度である。信号待ちなどはアイドリングストップするので当然静かである。だが、再始動した瞬間はやはりディーゼルエンジンだと感じる振動と音がする。
 

シトロエン C4

スロットルのレスポンスは良いが、トラクションもとてもいい。タイヤから路面に押し付けて発進する感じだ。加速中もソフトで雨天時に安心感を与えるセットアップである。

エンジン回転を上げずに8速ATを細かく制御することにより、加速と静粛性のバランスを考えたセッティングだ。

何ヵ所かカーブを曲がり気づいたのだが、フロント部の先端部が想像しやすいデザインである。曲面を多用したデザインは見切りがわかりずらいこともあるが、C4はそうでもない。狭い道でも扱いやすい部類である。
 

シトロエン C4

市街地から首都高を乗ると、路面からの入力に対してのいなし方がシトロエン流である。ふわっと受け止めて早く収束する。今までドイツのハッチバックを乗り続けた人が、初めてC4に乗ると驚くかもしれない。

このように、身体への衝撃を緩和させるサスペンションは、オンリーワンではないだろうか。ブランドのアイデンティティが乗らなければ理解できない、という理由がわかるはずだ。

中央道、東名高速と走りぬいたが『快適』の一言である。デザインが受けいられれば、この乗り心地のよいシトロエンの世界も悪くないだろう。
 

文/松本英雄、写真/尾形和美

【試乗車 諸元・スペック表】
●シャイン ブルーHDi ディーゼルターボ

型式 3DA-C41YH01 最小回転半径 5.6m
駆動方式 FF 全長×全幅×全高 4.38m×1.8m×1.53m
ドア数 5 ホイールベース 2.67m
ミッション 8AT 前トレッド/後トレッド 1.56m/1.56m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
4WS - 車両重量 1380kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 -kg
ミッション位置 フロア 最低地上高 0.17m
マニュアルモード
標準色

ブラン バンキーズ

オプション色

ブルー アイスランド、グリ プラチナム、ブラン キャラメル

掲載コメント

-

エンジン型式 - 環境対策エンジン -
種類 直列4気筒DOHC 使用燃料 軽油
過給器 ターボ 燃料タンク容量 50リットル
可変気筒装置 - 燃費(JC08モード) 23.7km/L
総排気量 1498cc 燃費(WLTCモード) 22.6km/L
└市街地:19.1km/L
└郊外:22.4km/L
└高速:24.7km/L
燃費基準達成 -
最高出力 130ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
300(30.6)/1750
型式 3DA-C41YH01
駆動方式 FF
ドア数 5
ミッション 8AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 ブラン バンキーズ
オプション色 ブルー アイスランド、グリ プラチナム、ブラン キャラメル
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
フロア
マニュアル
モード
最小回転半径 5.6m
全長×全幅×
全高
4.38m×1.8m×1.53m
ホイール
ベース
2.67m
前トレッド/
後トレッド
1.56m/1.56m
室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
車両重量 1380kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 0.17m
掲載用コメント -
エンジン型式 -
種類 直列4気筒DOHC
過給器 ターボ
可変気筒装置 -
総排気量 1498cc
最高出力 130ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
300(30.6)/1750
環境対策エンジン -
使用燃料 軽油
燃料タンク容量 50リットル
燃費(JC08モード) 23.7km/L
燃費(WLTCモード) 22.6km/L
└市街地:19.1km/L
└郊外: 22.4km/L
└高速: 24.7km/L
燃費基準達成 -
松本英雄(まつもとひでお)

自動車テクノロジーライター

松本英雄

自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。