▲白眉はなんといってもリアデザインだ。ルーフからテールゲートにつながる一連の流れ。そして後席の窓をはめ殺しにしてまで実現した抑揚のあるサイドパネル、切れ目のないウインドウモールとそこにさり気なく収められたドアノブ。おそらくこの企画、日本ならボツだろう。DSの本懐を遂げたモデルなのだ ▲白眉はなんといってもリアデザインだ。ルーフからテールゲートにつながる一連の流れ。そして後席の窓をはめ殺しにしてまで実現した抑揚のあるサイドパネル、切れ目のないウインドウモールとそこにさり気なく収められたドアノブ。おそらくこの企画、日本ならボツだろう。DSの本懐を遂げたモデルなのだ

“オーディナリー”だけど“アバンギャルド”

リアのドアハンドルを上手に隠し4ドアクーペを自称するハッチバック、DS4をベースにフロントバンパーをはじめ外観をブラック基調に、ルーフにアルミのレールを載せ車高を30mm高めた、SUVの要素を加えたモデル。DS4クロスバックを端的に言えばそうなる。欧州で流行するFF車+SUVスタイル=クロスオーバーの流れを受けたものというわけだ。

パワートレインは1.6L直4ターボエンジンに6速ATを組み合わせる。アクセルペダルに足をのせると240Nmというトルクがすぐに立ち上がり、すっと前に出る。とても1.6Lとは思えない。シフトフィールもとてもスムーズだ。静粛性も高く車高が上がったことの違和感はまったくない。乗り心地はフラットでクセもなくいい意味でオーディナリー(普通)だ。試乗車にはオプションのクラブレザーシートが装着されていたが、これがいい。柔らかなタッチのセミアニリンレザーがゆったりと体を包み込んでくれる。2時間程度の長距離ドライブでも腰の位置を入れ替えたくなることが一度もなかった。この要素だけでも購入への動機付けとしては十分だ。

しかし白眉はなんといってもリアデザインだ。ルーフからテールゲートにつながる一連の流れ。そして後席の窓をはめ殺しにしてまで実現した抑揚のあるサイドパネル、切れ目のないウインドウモールとそこにさり気なく収められたドアノブ。おそらくこの企画、日本ならボツだろう。DSの本懐を遂げたモデルなのだ。
 

▲頭上まで広がるパノラミックフロントウインドウやクロームデコレーションの3連メーターなどを採用し個性を強調。ラゲージ容量は370Lを確保する ▲頭上まで広がるパノラミックフロントウインドウやクロームデコレーションの3連メーターなどを採用し個性を強調。ラゲージ容量は370Lを確保する
▲DS4と同じ、連続可変バルブタイミング機構を備えた1.6Lツインスクロールターボを搭載。アイドリングストップ機構なども備え、JC08モード燃費は14.9km/Lとされた ▲DS4と同じ、連続可変バルブタイミング機構を備えた1.6Lツインスクロールターボを搭載。アイドリングストップ機構なども備え、JC08モード燃費は14.9km/Lとされた
▲DSエンブレムを配したフロントグリルや、バイキセノンランプとLEDポジションランプを組み合わせたDS LED VISIONなども特徴的なスタイル ▲DSエンブレムを配したフロントグリルや、バイキセノンランプとLEDポジションランプを組み合わせたDS LED VISIONなども特徴的なスタイル

【SPECIFICATIONS】
■グレード:CROSSBACK ■乗車定員:5名
■エンジン種類:直4DOHCターボ ■総排気量:1598cc
■最高出力:165/6000[ps/rpm]
■最大トルク:240/1400-3500[n・m/rpm]
■駆動方式:FF ■トランスミッション:6AT
■全長x全幅x全高:4285x1810x1530(mm) ■ホイールベース:2610mm
■車両価格:338万円

text/藤野太一
photo/河野敦樹