前にエンジン、後ろにモーターのシンプルハイブリッド

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プジョー3008をベースに、世界初の乗用ディーゼルハイブリッドユニットを搭載。ベースモデルとはLEDデイライト式ヘッドライトやブラック塗装のリアスポイラー、専用エンブレムなどの採用により差別化している
3008ハイブリッド4は、フロント内燃機関+リア電動化のAWDハイブリッド車である。前後の駆動力を最適制御しながらFFにもRRにも4WDにもなるという、シンプルな構造のハイブリッドカーだ。

フロントのエンジンは、プジョーシトロエンPSA最新の2Lコモンレールディーゼルターボで、最新式の粒子状物質排出フィルター(FAP)を備える。これにアイドリングストップ機構付き6速ロボタイズドセミMTを組み合わせた。PSAによれば、このシステムを煮詰めた先に、リアアクスル電動化によるハイブリッドの誕生を見たらしい。

最高出力37psの永久磁石モーターとサンヨー製ニッケル水素バッテリーパックをリアアクスルに積む。もちろん、エネルギー回生システムも。また、エンジンからも大型オルタネーターによる発電によって充電される。電動パワーのエレクトロニクスや協調制御はボッシュとの共同開発だ。

エコカーだけどスポーツが楽しい!?

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ディーゼルエンジン&ハイブリッドの設定だが、将来的にはガソリンユニットとの組み合わせも計画されている。0→100km/h加速は8.6秒(スポーツモード)と、スポーツ性能と環境性能を両立。インパネ回りのデザインは3008を踏襲したもので、特徴的なギアセレクター、AWD駆動システムを4つのドライブモード(AUTO/ZEV/SPORT/4WD)から選択できるダイヤル式コントローラーを備える
3008ハイブリッド4には、4種類の走行モードがある。燃費を稼ごうと思えば、車任せの“オート”モード。市街地ではほとんど半分の時間でエンジンが停まっていた。“ZEV”、つまり電動走行モードでは、最高70km/h/最長4kmのEV走行が可能で、バッテリー容量が足らなくなれば、勝手にオートへと切り替わる。“4WD”モードは、悪天や悪路で4輪駆動走行を積極的に使いたいときのためのモード。

注目は、最後の“スポーツ”モード。当たり前だけれど、コイツが最もパワフルでアグレッシブ、走らせていて楽しいものだった。より高回転域で変速し、変速スピードもかなり速い。そして、いきなりトルクの波に乗ったかと思うと、踏み応えのあるダイナミックな走りを電池の続く限り提供してくれる。走りの質も、ある種の重厚さが増して、しなやかに。ずっとスポーツしても燃費は14km/L程度と、踏ん張った。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード ハイブリッド4
全長×全幅×全高(mm) 4365×1837×1639
車両重量(kg) 1660
エンジン種類 直4DOHCディーゼルターボ+モーター
総排気量(cc) 2000
最高出力[ps/rpm] 163/3850+37/2500
最大トルク[Nm/rpm] 300/5200+200/1290
車両本体価格 -万円
Tester/西川 淳 Photo/プジョー・シトロエン・ジャポン