「あのプジョー 3008がついにフタケタ万円へ」という嬉しいお知らせ
2017/08/06
今年春のフルモデルチェンジを機にお手頃化が進行
昨年4月、こちらに「プジョー 3008がついに100万円台前半へ!」という主旨の記事が掲載された。しかし、その後行われたフルモデルチェンジにより「先代」となった旧型プジョー 3008のお手頃化はさらに進行。今や「車両フタケタ万円でも余裕!」とも言える時代へと突入した。
これはもう「ちょっと洒落ていて個性的で、そんでもって実力派でもある輸入クロスオーバーに(できればお手頃予算で)乗り替えてみたい」と考えている層にはうってつけな素材と言えるため、フタケタ万円の旧型プジョー 3008についてじっくり考えてみたいと思う。
まずは一応おさらいとして「旧型プジョー 3008はこんな感じの車です」ということを。
デビューは10年6月。当時のプジョー 308をベースに作られた5人乗りのMPV(マルチ・パーパス・ビークル)で、特徴的なモノスペースのトールボーイスタイルを採用している。パワートレインは1.6Lの直噴ターボ+アイシンAW製6速ATという、当時の最新トレンドにのっとったものだった。ステアリング位置は当然右のみ。
基本となるグレードは、ファブリックシート+17インチホイールの「3008プレミアム」と、電動レザーシート+18インチホイールとなる「3008グリフ」の2種類。その他、各種の限定車が都度都度リリースされ、14年3月にはマイナーチェンジを実施。内外装デザインをシュッとさせると同時に、「グリップコントロール」というトラクションシステムも進化。そして上級グレードの名称がグリフから「3008シエロ」へと変更された。
……と、駆け足ではあるが、以上が旧型プジョー 3008のざっくりとしたヒストリーだ。このうち、車両フタケタ万円で狙えるのは10~12年式付近の初期モデルとなる。
走りと実用性はかなり優秀。デザインは評価が分かれるところか
では次に「フタケタ万円の旧型プジョー 3008は買いなのか?」という部分について考えよう。
まずは車そのもののデキについて。
これはもう「なかなか良好である」と言い切ることが可能だろう。もちろん、17年3月からの現行型3008と直接対決をするなら、ドライバビリティにおいてもパッケージングにおいても、そしてついでにスタイリングのカッコ良さみたいな部分についても、旧型前期に勝ち目はないはずだ。
しかし旧型をそれ単体として見るなら、これはこれでかなりステキな小型クロスオーバーである。
前席シートはやや小ぶりだが非常に座り心地が良く、頭上のパノラミックガラスルーフも非常に快適。後席も車体サイズの割にはかなり広々しており、上下2分割式のリアゲートを開けた先にあるラゲージスペースはフロアボードの高さを3段階に変更可能で、床下を含めた収容性もなかなかのもの。非常に使い勝手の良い車なのだ。
そして走らせてみても、直噴ターボならではの圧倒的な中域トルクと、新世代6速AT(AM6型)の、好燃費志向でありながらスポーティなプログラミングも素晴らしい。さらには「ダイナミック ロール コントロール」という非電子制御の機構等々により、背が高いMPVでありながら、ワインディングでの挙動はスポーツハッチバックにも引けを取らないレベルに仕上がっている。
唯一の問題は、どこかおダンゴのような全体のフォルムだろうか? このあたりの感じ方は人それぞれなので、あなたが「なんかダサイい……」と思うか、「逆に個性的でイイじゃない!」と思うかにより評価は変わるだろう。ちなみに筆者はコレ、好きですけどね。
ツボを押さえた選び方をすればフタケタ万円車でも問題なし?
さて。車そのもののデキがよろしいことは前章にてある程度おわかりいただけたと思うが、一番の問題というか疑問は「でもフタケタ万円の中古車の場合はどうなのよ?」ということであろう。
これについては、中古車というのは同じような価格・年式であっても1台ごとに状態は大きく異なるため、「絶対にこう!」ということは言えない。しかし少なくとも「傾向」としては、以下のことが言えるはずだ。
まず第一に、プジョー 3008前期モデルは特に故障が多い車ではない。もちろん機械モノゆえ絶対に壊れないなんてことは言えないし、いわゆるマイナートラブルみたいなものも、新車のトヨタ車あたりと比べるなら多いかもしれない。
しかし旧型プジョー 3008は、しょっちゅう壊れまくる「固有の弱点」みたいなものは基本的には存在しない車種だ。
それゆえ、中古車選びの三原則にのっとった選び方さえすれば、つまり「①内外装に手荒く扱われた痕跡がないか確認する ②重要部分(エンジン/トランスミッション/パワーステアリング/足回り/エアコン/その他)を中心に、その現状と整備・交換履歴を確認する ③信頼に足る販売店か否かを調査確認する」といった探し方をすれば、そうそうドツボにハマることはないはずなのだ。
ただし注意点としては、現在フタケタ万円で狙える旧型プジョー 3008には、走行6万~8万kmあたりとなる個体もそこそこ多い。これぐらいの距離というのは、ちょうどあちこちの部品が最初の交換時期を迎えるタイミングだったりもする。そういった走行距離の個体を購入する場合は、直近の部品交換歴を記録簿で確認するとともに、納車前整備の方向性と内容、そして費用見積もりを事前にしっかり確認する必要はあるだろう。
そしてそのあたりの懸念さえクリアになるのであれば、車両フタケタ万円のプジョー 3008というのは今、ある種の人間にとって果てしなく魅力的な選択肢である。
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