ルノー メガーヌR.S.▲2021年3月にマイナーチェンジを受けたルノー メガーヌR.S.。今回はそのEDC(6速AT)モデルを公道にて試乗する機会を得た。自動車テクノロジーライターの松本英雄氏によるインプレッションをお届けする

300psへとパワーアップを遂げた“素”のR.S.

新型車を多数試乗する機会がある。その中には期待に満たないモデルもあるが、逆に大きく期待を超えるパフォーマンスを見せてくれるモデルがある。

始めから答えを言うようで恐縮だが、ルノーのR.S. (ルノー・スポール)モデルは、スポーティという点において間違いなく期待を超えてくる。(ただし、トゥインゴIIのR.S.は少し手を抜いたような印象だったが……)

その中でもメガーヌのR.S.は、硬派で最速のFFモデル「R.S. トロフィー」はもちろん、 「“素”のR.S.」 も、どれを選んでも素晴らしい。

今回試乗したルノー メガーヌ R.S.のEDC(エフィシエント デュアル クラッチ)仕様は、6速ツインクラッチによるATモデルである。

ルノー メガーヌR.S.

今年3月のマイナーチェンジのタイミングで登場し、以前のモデルよりもパワーアップされ、R.S.トロフィーと同様の300ps/420N・mとなった点が最も大きなポイントだ。

同時に、シーケンシャルウインカーなど装備して見た目の付加価値を高めたが、やはりメガーヌR.S.は中身が売りだ。

それでは、早速試乗インプレッションをお伝えしよう。

ルノー メガーヌR.S.▲一部、エクステリアデザインにも改良が加えられた。写真はシーケンシャル化されたウインカー

レスポンスが素晴らしく、ワインディングでも楽しい

運転席へと乗り込む。シートはグループB時代のルノー 5ターボのような雰囲気で、ルノーらしく好感がもてる。しかも、ソフトでいてホールド性は申し分ない。デザインも良く、ルノー・スポールのセンスが光る。

エンジンを始動させると振動にソリッド感があり、ハードなマウントがまやかしではないスポーツハッチだということを証明しているようだ。

Dレンジに入れゆっくりと走り出す。2018年に初期型モデルを箱根で試乗して以来のワインディングであるが、エグゾースノートがよりハーモニックになりおとなしい雰囲気だ。


ルノー メガーヌR.S.
ルノー メガーヌR.S.

さらに、深くアクセルを踏み込んでみると、エンジンンのざらつきがなくなった印象で思った以上にレスポンスがいい。

トルクが高まるポイントまで一気に踏み込んでみる。トルクステアが発生するかと思いきやまったくない。勾配のきつい上り坂にもかかわらず素晴らしい真直性だ。

中速コーナでは、“4コントロール”という電子制御式四輪操舵制御がより細かく制御されている印象を受けたが、ダンパーのセッティングを変更したことによる可能性もある。

ルノー メガーヌR.S.

ステアリングとスロットルを一定にしコーナを抜ける。最大荷重がかかったときのリアサスペンションの動きは、すこぶるスムーズで接地性が向上していることがわかる。

国産モデルでは得られない、スムーズでスポーティなシャシーコントロールであるのは確かだ。

ちなみにこのダンパーは、日本のカヤバと共同でつくったものだという。過酷なラリー車両で用いられた、HCC(ハイドロリック・コンプレッション・コントロール)という技術を応用している。

レスポンスの高いターボユニットとEDCの統合制御は綿密で、ドライバーの加減速の操作に素早く反応する。これこそが、ATでありながらもワインディングで楽しめる理由だ。

ルノー メガーヌR.S.

マイナーチェンジにもかかわらず、我々が思っている以上のチューニングを施し、まさに期待を大きく超えてきたと言える。

R.S.の冠が付いたモデルに対し、手を入れることを惜しまない姿勢が感じ取れる、素晴らしいモデルだ。

文/松本英雄、写真/尾形和美

【試乗車 諸元・スペック表】
●R.S.(ルノー・スポール)

型式 7BA-BBM5P1 最小回転半径 5.2m
駆動方式 FF 全長×全幅×全高 4.41m×1.88m×1.44m
ドア数 5 ホイールベース 2.67m
ミッション 6AT 前トレッド/後トレッド 1.62m/1.6m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
4WS 車両重量 1480kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 -kg
ミッション位置 フロア 最低地上高 -m
マニュアルモード
標準色

ブルーアイロンメタリック、グリチタニアムメタリック

オプション色

ブランナクレメタリック、オランジュトニックメタリック

掲載コメント

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型式 7BA-BBM5P1
駆動方式 FF
ドア数 5
ミッション 6AT
AI-SHIFT -
4WS
標準色 ブルーアイロンメタリック、グリチタニアムメタリック
オプション色 ブランナクレメタリック、オランジュトニックメタリック
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
フロア
マニュアル
モード
最小回転半径 5.2m
全長×全幅×
全高
4.41m×1.88m×1.44m
ホイール
ベース
2.67m
前トレッド/
後トレッド
1.62m/1.6m
室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
車両重量 1480kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 -m
掲載用コメント -
エンジン型式 M5P 環境対策エンジン -
種類 直列4気筒DOHC 使用燃料 ハイオク
過給器 ターボ 燃料タンク容量 47リットル
可変気筒装置 - 燃費(10.15モード) -km/L
総排気量 1798cc 燃費(WLTCモード) 11.8km/L
└市街地:8.4km/L
└郊外:12.4km/L
└高速:13.6km/L
燃費基準達成 -
最高出力 300ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
420(42.8)/3200
エンジン型式 M5P
種類 直列4気筒DOHC
過給器 ターボ
可変気筒装置 -
総排気量 1798cc
最高出力 300ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
420(42.8)/3200
環境対策エンジン -
使用燃料 ハイオク
燃料タンク容量 47リットル
燃費(10.15モード) -km/L
燃費(WLTCモード) 11.8km/L
└市街地:8.4km/L
└郊外: 12.4km/L
└高速: 13.6km/L
燃費基準達成 -
松本英雄(まつもとひでお)

自動車テクノロジーライター

松本英雄

自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。