ミニ ミニクーパー▲2024年2月に発表された4代目ミニクーパ。自動車テクノロジーライターの松本英雄氏が試乗した

まもなく四半世紀を迎えるBMWミニ

2001年に新しい世代となり、BMW生産となったミニ。日本では2024年に現行型となる4代目が発表されたのは記憶に新しい。

以前のクラシックミニと呼ばれる初代ミニは、基本的に1959年から大きな変更をせずに実に41年間作り続けた。いかに先見の明があったということが理解できる。

BMWミニも、それらの要素をしっかり継承している。
 

ミニ ミニクーパー

ミニの最も大切なミニマリズムのアイデンティティの数々、丸みを帯びた独創的なデザイン。これらをリスペクトして新たなジェネレーションへと進化してきたのだ。

その歴史もまもなく四半世紀を迎える。BMWミニの進化は、4代目となっていかに変わってきたのだろうか。

今回は、ミニファミリーの中でもエントリーグレードというかオリジナルの意志を継承したモデルの、ミニクーパー Cの3ドアを試乗しながら解説したい。
 

ダイレクトなハンドリング、これが「ミニ」の真骨頂

ミニ ミニクーパー▲ミニクーパー C 3ドア

まず外観であるが、これは「ミニ」というアイデンティティをもちながら質感の良さを演出している。

フロント先端部からテールランプにかけてスリークで塊感がある作りが印象的だ。先代のプラットフォームを使いながら、全く別物の質感に仕立てたあたりも素晴らしい。
 

ミニ ミニクーパー▲プラットフォームは先代からのキャリーオーバーとなるが、しっかりと質感を高めている

シートに腰を沈めると抑圧が柔らかなシートと、インテリアのシンプルでありながら程良いタイト感が一体感を感じさせる。

とにかくインテリアの質感はすこぶる良く、小型車でも高級感を最も実現しているモデルの1台といえる。

ただし、センタークラスターにあるインフォテインメントシステムは、簡略化してデジタル時代のミニマリズムを発揮したというところであるが、慣れるまで少々時間がかかるかもしれない。
 

ミニ ミニクーパー
ミニ ミニクーパー

エンジンを始動しよう。Cというグレードは、3気筒の1.5Lターボのパワープラントを搭載。1気筒あたり500㏄というBMWのエンジンフィロソフィーに基づくものだ。これは、1977年より考えがまとまったといわれる伝統ある考え方だ。

ロングストロークとコンパクトな燃焼室によってトルクを重視した特性だ。また、3気筒は振動面で不利な点もあるが、独特なエンジンサウンド以外は滑らかでレスポンシブなユニットである。
 

ミニ ミニクーパー▲BMWのフィロソフィーに基づく1気筒あたり500ccの直3 1.5Lエンジン

7速ツインクラッチ式のATは、アクセルの細かな対応に準じた半クラッチをはじめとしてとても扱いやすい。これらツインクラッチ式が苦手なリバース時でも、滑らかでコントロールは容易だ。

アクセルを開けると軽快な音とトルクで力強い加速だ。トラクションもいい。また、ダイレクトなハンドリングで、ミニのダイナミックな部分を肌で感じ取ることができる。

このハンドリングこそミニという名前の真骨頂といえる。

大きさが大きくなったからミニじゃないという意見は多いかもしれない。しかし、それはステアリングを握ってから判断してほしい。走りの軽やかさがどれだけ車体を小さく感じさせるか。

ミニクーパー Cは、歴代モデル同様に「ミニ」らしさをしっかりと継承しているモデルなのは間違いない。
 

ミニ ミニクーパー
文/松本英雄、写真/尾形和美

【試乗車 諸元・スペック表】
●クーパーC 3ドア DCT

型式 3BA-12GD15 最小回転半径 5.2m
駆動方式 FF 全長×全幅×全高 3.88m×1.75m×1.46m
ドア数 3 ホイールベース 2.5m
ミッション 7AT 前トレッド/後トレッド -m/-m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
4WS - 車両重量 1280kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 4名 車両総重量 -kg
ミッション位置 インパネ 最低地上高 0.13m
マニュアルモード -
標準色

メルティング・シルバーIII

オプション色

ブリティッシュレーシンググリーンIV、ミッドナイト・ブラックII、ナノク・ホワイト、インディゴ・サンセット・ブルー、オーシャン・ウェーブ・グリーン、レジェンド・グレー、サニーサイド・イエロー、チリ・レッドII、アイシー・サンシャイン・ブルー

掲載コメント

-

型式 3BA-12GD15
駆動方式 FF
ドア数 3
ミッション 7AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 メルティング・シルバーIII
オプション色 ブリティッシュレーシンググリーンIV、ミッドナイト・ブラックII、ナノク・ホワイト、インディゴ・サンセット・ブルー、オーシャン・ウェーブ・グリーン、レジェンド・グレー、サニーサイド・イエロー、チリ・レッドII、アイシー・サンシャイン・ブルー
シート列数 2
乗車定員 4名
ミッション
位置
インパネ
マニュアル
モード
-
最小回転半径 5.2m
全長×全幅×
全高
3.88m×1.75m×1.46m
ホイール
ベース
2.5m
前トレッド/
後トレッド
-m/-m
室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
車両重量 1280kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 0.13m
掲載用コメント -
エンジン型式 B38A15P 環境対策エンジン -
種類 直列3気筒DOHC 使用燃料 ハイオク
過給器 ターボ 燃料タンク容量 44リットル
可変気筒装置 - 燃費(JC08モード) 18.2km/L
総排気量 1498cc 燃費(WLTCモード) 16.3km/L
└市街地:11.4km/L
└郊外:17km/L
└高速:19.4km/L
燃費基準達成 -
最高出力 156ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
230(23.5)/4600
エンジン型式 B38A15P
種類 直列3気筒DOHC
過給器 ターボ
可変気筒装置 -
総排気量 1498cc
最高出力 156ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
230(23.5)/4600
環境対策エンジン -
使用燃料 ハイオク
燃料タンク容量 44リットル
燃費(JC08モード) 18.2km/L
燃費(WLTCモード) 16.3km/L
└市街地:11.4km/L
└郊外: 17km/L
└高速: 19.4km/L
燃費基準達成 -
松本英雄(まつもとひでお)

自動車テクノロジーライター

松本英雄

自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。