【試乗】新型ミニ ジョン・クーパー・ワークス|走りもインテリアもワクワクが止まらない、ミニの異端児
2021/12/10
進化したミニの最上位グレード
改良された新型ミニの3ドアモデルには、5つの仕様がある。
1つ目はエントリーモデルというべき「ワン」。パフォーマンスよりも、扱いやすさとこのスタイリングを気に入った人向けだ。
2つ目は「クーパー」。これは少し出力もあってキビキビ感を楽しみたい人向けのグレードである。
続いて「クーパー」よりも馬力は少し低いが、トルクの大きなディーゼルモデルの「クーパーD」もある。これはなかなかパワフルでいて、燃費もいい。どこのシーンでもストレスがない。
さらに「クーパーS」。4気筒2Lユニットは十分な馬力で、「クーパー」とはガラリと変わった車の動きが特徴だ。身体と車体の一体感をダイレクトに味わえるビビッドな動きが好みの人には最適だろう。十分すぎる速さである。
そして、今回試乗した「ジョン・クーパー・ワークス」 である。こちらは「クーパーS」の次元を超えた仕様であることを、初めに話しておきたい。
このモデルのみ、0-100km/hが表記されており、その速さは6.1秒という。これは、少し前の3Lターボに劣らない加速だ。
試乗した場所は富士山麓で、きついヘアピンとアップダウンがある。
トグルスイッチをONにしてスタートだ。マフラーが奏でる野太い音によって、コンパクトなハッチバックだがただものではない様相を五感で感じられる。
バイワイヤ式のセレクターレバーをDレンジに入れて発進する。
ツインクラッチ式のATであるが、ゆっくりした走り出しでスムーズだ。まだ素養がわからない部分もありながら2~3速あたりを低速でも走らせても、路面からのインフォメーションがバシバシと専用のバケットシートに伝わってくる。
こんなゆっくりとした速度でも、鼻息が荒い。「早くワインディングで素質を試してほい」と言わんばかりの車の挙動だ。
ゆっくりと交差点を曲がるたびに、低速でもキビキビとしたゴーカート感覚を味わえて楽しくなる。現代のモデルではほとんど見られない。
中速域まで達さずとも、曲がるたびにジョン・クーパー・ワークスの価値が垣間見える。曲がった後に加速するのだが、これがたまらなく歯切れが良いシフトで気分がいい。
MTから進化したツインクラッチタイプのATは、電光石火のシフトでシフトアップでもエンジン回転差が少なく、もどかしさはない。
クラスターは、今回からマルチディスプレイのメーターパネルになり視認性と軽やかさが増した。アナログメーターと違いグラフィックで立体感を出しているため奥行き感は難しいが、視認性は抜群にいい。速度とエンジン回転は即座にわかる。
タイトなコックピットがミニのトレードマークだ。この空間が“仕事場”という感じがして、おじさんが少年にタイムスリップしたようにワクワクする。
しかも、踏み込めば異次元のロケットスタートだ。そこから、タイトなカーブを吸い付くように走り出す。
タイヤと腕が直結しているようなダイレクトさだ。最近のモデルは車に乗せられている感覚が多いが、これは確実に自分でドライブしているという気持ちが高ぶる。
3ドアで剛性の高いボディと質感のいいインテリア、しかも最高のパフォーマンスでオンザレールで走らせる。
いったいどこに、このクオリティを保持するレベルのモデルがあるのだろうか。オンリーワンのかわいく危険な相棒は、乗り手も選ぶことを忘れないようにしたい。
▼検索条件
ミニ ミニ(現行・後期型) × 全国【試乗車 諸元・スペック表】
●ミニ ミニ ジョン・クーパー・ワークス3ドア
型式 | 3BA-XRJCWMW | 最小回転半径 | 5.3m |
---|---|---|---|
駆動方式 | FF | 全長×全幅×全高 | 3.88m×1.73m×1.43m |
ドア数 | 3 | ホイールベース | 2.5m |
ミッション | 8AT | 前トレッド/後トレッド | -m/-m |
AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
4WS | - | 車両重量 | 1290kg |
シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
乗車定員 | 4名 | 車両総重量 | -kg |
ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | -m |
マニュアルモード | ◯ | ||
標準色 |
ムーンウォーク・グレー・メタリック |
||
オプション色 |
ペッパー・ホワイト・ソリッド、チリ・レッド・ソリッド、ミッドナイト・ブラック・メタリック、ルーフトップ・グレー・メタリック、アイランド・ブルー・メタリック、ブリティッシュ・レーシング・グリーンM、エニグマティック・ブラック・メタリック、レベル・グリーン・ソリッド |
||
掲載コメント |
- |
型式 | 3BA-XRJCWMW |
---|---|
駆動方式 | FF |
ドア数 | 3 |
ミッション | 8AT |
AI-SHIFT | - |
4WS | - |
標準色 | ムーンウォーク・グレー・メタリック |
オプション色 | ペッパー・ホワイト・ソリッド、チリ・レッド・ソリッド、ミッドナイト・ブラック・メタリック、ルーフトップ・グレー・メタリック、アイランド・ブルー・メタリック、ブリティッシュ・レーシング・グリーンM、エニグマティック・ブラック・メタリック、レベル・グリーン・ソリッド |
シート列数 | 2 |
乗車定員 | 4名 |
ミッション 位置 |
フロア |
マニュアル モード |
◯ |
最小回転半径 | 5.3m |
全長×全幅× 全高 |
3.88m×1.73m×1.43m |
ホイール ベース |
2.5m |
前トレッド/ 後トレッド |
-m/-m |
室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
車両重量 | 1290kg |
最大積載量 | -kg |
車両総重量 | -kg |
最低地上高 | -m |
掲載用コメント | - |
エンジン型式 | B48A20B | 環境対策エンジン | - |
---|---|---|---|
種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 44リットル |
可変気筒装置 | - | 燃費(JC08モード) | 16.5km/L |
総排気量 | 1998cc | 燃費(WLTCモード) | 14.5km/L └市街地:10.3km/L └郊外:14.8km/L └高速:17.3km/L |
燃費基準達成 | - | ||
最高出力 | 231ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
320(32.6)/4600 |
エンジン型式 | B48A20B |
---|---|
種類 | 直列4気筒DOHC |
過給器 | ターボ |
可変気筒装置 | - |
総排気量 | 1998cc |
最高出力 | 231ps |
最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
320(32.6)/4600 |
環境対策エンジン | - |
使用燃料 | ハイオク |
燃料タンク容量 | 44リットル |
燃費(JC08モード) | 16.5km/L |
燃費(WLTCモード) | 14.5km/L └市街地:10.3km/L └郊外: 14.8km/L └高速: 17.3km/L |
燃費基準達成 | - |
自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。