ポルシェ 911 【ニューモデル試乗】
カテゴリー: ポルシェの試乗レポート
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2012/01/11
パフォーマンスと環境性能を同時に向上
ホイールベースを100mm延長し、アルミ材&高張力鋼板の採用で45kg軽量化。リアには可変式リアスポイラーが装備され、Cd値0.29を達成する
水冷に移行した996以来、14年ぶりにすべてが刷新された新しい911カレラ、コードネーム991が遂にデビューした。大幅なサイズ拡大が噂されていたボディは、ホイールベースが100mm、全長が56mm延びた一方で全幅は変わらず、全高は下げられている。全体の44%をアルミ製とした軽量ボディ採用で、最大45kgの軽量化を実現。997後期型で使われた直噴フラット6はカレラが3.4L、カレラSが3.8Lで7速PDKそして7速MTと組み合わされる。アイドリングストップ機能、PDKにはDレンジ走行中のアクセルオフ時に惰性走行するコースティング機能が搭載される。
シャシーもすべて一新。新たに可変スタビライザーのPDCC、トルクベクタリング機構のPTVPlusも用意される。パフォーマンスと環境性能を同時に向上させる、まさに時代に即した進化が志向されたのだ。
らしさはそのままにすべてを1ランク底上げ
華美な装飾のない機能性溢れるインテリア。ベースとなる内装のデザインはカレラGTをモチーフにしている。7速PDK/7速MTのいずれかを設定
試乗に供されたのはカレラS。寸法以上に大きく見えるのはフロントトレッドの拡大や20インチタイヤ、低いルーフなど、新しいプロポーションとデザインの賜物。実際に走り出せば、911らしいタイト感は不変だとすぐにわかる。乗り心地、静粛性はまるでパナメーラのように上質。しかし、ひとたびアクセルペダルを踏み込めば回転計の針は一気に跳ね上がり、室内には精緻に調律されたフラット6サウンドが流れ込む。ホイールベースが延びた分、特に高速域の安定感は格段に向上。フロントの接地感の高まりもコントロール性を広げている。
911らしさは? 心配ない。PSMオフでは相変わらず御するのは簡単ではないし、RRらしいトラクションも健在だ。911らしさはそのままに、すべてを一段底上げし洗練させた。しかし、その跳躍の幅が今までになく大きいのが、新しい911カレラなのである。
SPECIFICATIONS
主要諸元のグレード | カレラS | |
全長×全幅×全高(mm) | 4491×1808×1295 | |
車両重量(kg) | 1395 | |
エンジン種類 | FLAT6 DOHC | |
総排気量(cc) | 3800 | |
最高出力[ps/rpm] | 400/7400 | |
最大トルク[Nm/rpm] | 440/5600 | 車両本体価格 | 1381万円 |
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