アウディ S6 【プレイバック試乗記】
カテゴリー: アウディの試乗レポート
タグ: セダン
2009/04/28
※この記事はカーセンサー関東版37号(2000年10月5日発売)に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです
飛び出す加速Gがいつまでも続く、豪快華麗な“S”専用エンジン
↑走りは強烈のひと言で、街乗りでは慎重なアクセル操作が要求されるほど(左)軽量化のため、ボンネットやフロントパネルにアルミニウムを使用している(右)
見た目はアウディのミディアムクラス「A6」とほとんど変わらないS6は、車高を落とし(公式には10mmだがそれ以上に見える)17インチホイールを装着したライトチューン感覚。だが、アウディで“S”が付くからにはただものではない。メルセデス・ベンツでいうAMG、BMWでいうMと同じく、Sのバッヂはハイパフォーマンスなモデルの証明なのだ。
アウディ自慢の全天候型クワトロシステム(4駆)を採用済みだが、S6の凄さはエンジンにある。最上級クラスのA8用4.2L V8、5バルブをS6専用にチューンした、340psのパワーと42.8kg-mのトルクはスポーツユニットそのもの。
操縦性はオンザレール感覚で、乗り味は意外にコンフォートな設定
↑アルカンタラと革を組み合わせた、Sシリーズ専用のレカロシートを採用する(左)V8エンジンを搭載するため、サイドメンバーを80mm、全長を37mm延長している(右)
実際、走りは強烈のひと言だ。まずはとても4.2Lもあるとは思えないアクセルレスポンスの鋭さに圧倒される。“踏み込む”なんてアクセル操作をしようものなら、それこそ飛び出す加速Gに襲われる。街乗りでは慎重にアクセル操作しないと危険なほどだ。凄いのはその加速Gが速度を増していっても頭打ちにならず延々と続くこと。高度なチューンを受けた自然吸気エンジンだが、ごく低回転域からトルクにあふれ、中回転域から急激に盛り上がる印象はまるでターボ。7000rpmのリミットまで全域太いトルクに包まれ、回せばもちろんパワフルという特性はホントに驚き。
操縦性はオンザレール感覚で、ドライバーのミスは限界内であれば電子制御車両安定装置のESPがカバー。乗り味は意外にコンフォートな設定で、例えばS4の硬さはないし、かといってA6より明らかに硬く、Sといえども乗り心地を重視しているのは間違いない。価格は高いがエンジン性能を考えれば、妥当ともいえるだろう。
SPECIFICATIONS
主要諸元のグレード | S6 |
駆動方式 | 4WD |
トランスミッション | 5AT |
全長×全幅×全高(mm) | 4845×1850×1450 |
ホイールベース(mm) | 2760 |
車両重量(kg) | 1810 |
乗車定員(人) | 5 |
エンジン種類 | V8DOHC |
総排気量(cc) | 4172 |
最高出力[ps/rpm] | 340ps/7000rpm |
最大トルク[kg-m/rpm] | 42.8kg-m/3400rpm |
10・15モード燃費(km/L) | 7.2 |
ガソリン種類/容量(L) | 無鉛プレミアム/82 |
車両本体価格 | 915.0万円 |
桂 伸一の責任採点
コンセプト | 5点 | 取り回し | 5点 | 加速性能 | 5点 | ブレーキ性能 | 4点 |
フィニッシュ | 5点 | 操作系の使い勝手 | 5点 | 乗り心地 | 4点 | 環境対策 | 4点 |
前席居住性 | 5点 | ラゲージルーム | 5点 | 操縦安定性 | 5点 | 燃費 | 4点 |
後席居住性 | 5点 | パワー感 | 5点 | 高速安定性 | 5点 | ステータス | 3点 |
内装の質感 | 5点 | トルク感 | 5点 | しっかり感 | 4点 | コストパフォーマンス | 4点 |
得点合計 | 92/100 |
アウディ S6 【プレイバック試乗記】/試乗レポート