【試乗】新型 アウディ RS5スポーツバック|ただスポーティーなだけではない。エレガントで上質な走りこそがこの車の最大の魅力だ
カテゴリー: アウディの試乗レポート
2019/12/24
初めての5ドアハッチバックスタイルの“RS”
RS5は2ドアクーペを基本としたモデルで、初代は2010年に誕生した。
チューニングされたNAの4.2L V型8気筒エンジンは、スムーズに回転が上がりしかもパワフル。NAならではのメカチューンの良さがよくわかる。
さらには、2ドアクーペならではのものすごい剛性感を感じるモデルでもあった。
2017年になると、2.9L V型6気筒エンジンをチューニングしたモデルが登場した。
2.9Lにダウンサイジングされたものの、先代と同じく450psを発揮、トルクに至っては61.2kg・mと以前のモデルに比べ1.4倍も増大している。
しかもサスペンションは、さらにしなやかになり、ステアリングフィールもよく軽快で扱いやすかった。とてもラグジュアリーな乗り心地で軽快な印象であった。
トランスミッションは8速のトルクコンバーター式となり、超高性能にして極めてコンフォートなクーペである。
そして今回試乗したのが、新たに加わったRS5スポーツバックだ。
RS5が発売されてから9年を迎えるタイミングで、初めてA5スポーツバックをベースにした5ドアのRSモデルが誕生した。
クーペに比べるとおよそ60mmホイールベースを伸ばしたが、オーバーハングはほとんど変わらない寸法だ。
長くストレッチしたボディは、クーペに比べるとスタイリング的にとてもマッシブで、そこにエレガントさが混ざり合っているような雰囲気だ。
個人的には断然スポーツバックのスタイリングの方が、バランスが取れていると感じる。
単純にスペックだけを見れば、剛性が高くホイールベースも短いクーペの方が運動性能が高いと思いがちだが、RS5 スポーツバックはどうだろうか。
スポーティーなのは当然だが、心地のよさにも目を向けられている
内装の素材選びや色使いは、本当にセンスが際立って素敵だ。この雰囲気だけで「高級な車」なのだとすぐに感じる。実際、とても高いマテリアルを用いて、表面処理も手間をかけて行っている。
エンジンを始動する。軽やかなサウンドだが、普通のV6エンジンのような雰囲気ではなく、重厚感がある。
Dレンジに入れて走り出す。2ドアクーペよりも乗り心地がよいことをすぐに感じる。
ATは、ダイレクトにエンジンパワーをミッションに伝えるロックアップを多用し、小気味よくシフトチェンジを繰り返す。スポーティで切れがいい。
ステアリングのとられ方を見るため、わだちの多い一般道を走行する。
ブレーキをかけるときかけないとき、ともにハンドルを取られることもないしなやかさを見せる。
これが本当にスポーツ性能を突き詰めたRSシリーズなのかと錯覚するほど、ラグジュアリーで乗り心地が最高だ。
続いて高速道路に入るため、進入路を一気に駆け上がる。素晴らしい加速だ。
どこからでも加速する軽快なエンジンは、ターボラグも全く感じないし、コントロール性もいい。
しかも、クーペモデルよりも直進安定性がよい。
一昔前のRSシリーズに比べると、心地よい方向にセッティングされているのがわかる。
アウディは、路面とボディの間の空気の流し方が非常に上手だ。
高速コーナーはまるで地をはっているようで、速度を上げれば上げるほどさらに安定感が増す印象である。
クーペに比べて剛性感が足りない……というコアなユーザーもいるかもしれないが、少なくとも高速道路では剛性不足は全く感じない。ビシッとソリッドである。
山間部のコーナーでも細かいコントロールが可能で、しっかりとラインをトレースできて気持ちがよい。
インターやジャンクションなどにある比較的高速走行できるS字コーナーでは、路面に吸い付いているような印象を受けた。それほど上手に曲がれる車なのだ。
ドライブを終えてもほとんど疲労感がなく、先代にくらべると間違いなく疲れにくくなっている。
RS5 スポーツバックはエレガントなボディにふさわしく、ゆとりのある加速とクルージングができるモデルだ。
【試乗車 諸元・スペック表】
●2.9 4WD
型式 | ABA-F5DECL | 最小回転半径 | 5.5m |
---|---|---|---|
駆動方式 | 4WD | 全長×全幅×全高 | 4.78m×1.86m×1.39m |
ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.83m |
ミッション | 8AT | 前トレッド/後トレッド | 1.6m/1.59m |
AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
4WS | - | 車両重量 | 1810kg |
シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | -kg |
ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | 0.12m |
マニュアルモード | ◯ | ||
標準色 |
ナルドグレー、ミトスブラックメタリック、ナバーラブルーメタリック、グレイシアホワイトメタリック、デイトナグレーパールエフェクト、フロレットシルバーメタリック、ミサノレッドパールエフェクト、ソノマグリーンメタリック |
||
オプション色 |
- |
||
掲載コメント |
- |
型式 | ABA-F5DECL |
---|---|
駆動方式 | 4WD |
ドア数 | 5 |
ミッション | 8AT |
AI-SHIFT | - |
4WS | - |
標準色 | ナルドグレー、ミトスブラックメタリック、ナバーラブルーメタリック、グレイシアホワイトメタリック、デイトナグレーパールエフェクト、フロレットシルバーメタリック、ミサノレッドパールエフェクト、ソノマグリーンメタリック |
オプション色 | - |
シート列数 | 2 |
乗車定員 | 5名 |
ミッション 位置 |
フロア |
マニュアル モード |
◯ |
最小回転半径 | 5.5m |
全長×全幅× 全高 |
4.78m×1.86m×1.39m |
ホイール ベース |
2.83m |
前トレッド/ 後トレッド |
1.6m/1.59m |
室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
車両重量 | 1810kg |
最大積載量 | -kg |
車両総重量 | -kg |
最低地上高 | 0.12m |
掲載用コメント | - |
エンジン型式 | DEC | 環境対策エンジン | - |
---|---|---|---|
種類 | V型6気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 58リットル |
可変気筒装置 | - | 燃費(JC08モード) | 11.2km/L |
総排気量 | 2893cc | 燃費(WLTCモード) | - |
燃費基準達成 | H27年度燃費基準 達成車 |
||
最高出力 | 450ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
600(61.1)/5000 |
エンジン型式 | DEC |
---|---|
種類 | V型6気筒DOHC |
過給器 | ターボ |
可変気筒装置 | - |
総排気量 | 2893cc |
最高出力 | 450ps |
最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
600(61.1)/5000 |
環境対策エンジン | - |
使用燃料 | ハイオク |
燃料タンク容量 | 58リットル |
燃費(JC08モード) | 11.2km/L |
燃費(WLTCモード) | -km/L |
燃費基準達成 | H27年度燃費基準 達成車 |
自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
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