フォルクスワーゲン ゴルフ▲【Volkswagen Golf|写真=河野敦樹】

世界中が注目する魅力的なピープルズカー

ゴルフは1974年の登場以来、世界中の自動車メーカーにCセグメントハッチバックのベンチマークとされてきた。世界各国で累計3500万台以上、日本でも約90万台が販売された、まさに魅力あふれるピープルズカーだ

その初代をデザインしたのが、ジョルジェット・ジウジアーロだ。ブランドの看板車種となるゴルフをデザインすることは、ベルトーネやギアといったカロッツェリアを経て、イタルデザインを立ち上げたばかりの新進気鋭のデザイナーだったジウジアーロに舞い込んだ大仕事だった。

初代ゴルフは、エンジンとトランスミッションを横一列に配置するFFレイアウトのジアコーサ式を採用し、約3800mmという短い全長で広い室内空間を実現した、いわゆる2ボックススタイルだ。それまでの曲線で構成されたビートルの後継車に、ジウジアーロは工業デザイナーの作品らしく、直線基調な四角いボディによってシャープでモダンな雰囲気を与えた。

実用性とシンプルでクリーンなデザインを両立させるという基本的なコンセプトは、初代から約47年のときを経て、新型の8代目にモデルチェンジしても変わらない。

ボディサイズは、全長4295mm、全幅1790mm、全高1475mm、ホイールベース2620mm。これは先代比でそれぞれ+30mm、-10mm、-5mm、-15mmと全長以外は縮小している。欧州車全般の傾向としてボディが拡大傾向にある中で、ピープルズカーらしい良心的なサイズに収められた。ボディ骨格は、先代同様の横置きエンジン用モジュラープラットフォーム「MQB」をベースに、サブフレームまわりなどを強化した改良版が使用されている。
 

フォルクスワーゲン ゴルフ▲LEDマトリクスヘッドライト「IQ.LIGHT」をオプションで採用。これはカメラで対向車などを検知し、片側22個のLEDを個別制御することで最適な配光を行ってくれるもの
フォルクスワーゲン ゴルフ▲1LエンジンにはeTSI アクティブ ベーシック(291万6000円)とeTSIアクティブ(312万5000円)、1.5LにはeTSIスタイル(370万5000円。写真)とeTSI Rライン(375万5000円)をラインナップ

エクステリアデザインは、先代よりもシンプルな面構成でさらにシャープになった。ブランドのエンブレムは、2020年に変更されたフラットで細身の新デザインのものを採用する。LED ライトがキリッとした目つきを演出。ラジエターグリルはスリム化され、先代ではドアハンドルの下に配されていたボディサイドのスライスラインが、新型では位置を高め、ドアハンドルを経由してテールランプへと一直線に伸びている。初代から受け継がれてきた、躍動感を生み出すブーメランを思わせるような太いCピラーは新型でも継承された。

また、風洞実験室を使って全面的に改良されたボディの前面投影面積は 2.21㎡となり、空気抵抗値を示すCd 値は先代の0.3から0.275に低減している。これにより、風切音を減少するなど、静粛性と燃費性能も向上している。
 

フォルクスワーゲン ゴルフ▲新世代通信モジュール内蔵のインフォテイメントと、デジタルメータークラスター(デジタル コックピット プロ)を標準装備
フォルクスワーゲン ゴルフ▲ベーシックなファブリックシートを採用。Rラインのみヘッドレスト一体型スポーツシートが標準となる
フォルクスワーゲン ゴルフ▲後席は6:4分割可倒式を採用。アクティブ ベーシック以外には、運転席/助手席/後席を個別に温度設定できる3ゾーンオートコンディショナーを標準装備する

インテリアは、物理スイッチをできるだけ廃し、ディスプレイを中心とした直線基調のシンプルな造形に。メーター類は10.25 インチの液晶ディスプレイ化し、右側に灯火類&デフロスター用のタッチパネルが備わる。そしてダッシュボード中央には、10インチのタッチ式ディスプレイのインフォテイメントシステムがドライバーに向けて少し傾斜して配されている。ディスプレイ下部には、スマートフォンのように機能に応じて指1本、2本と使いて分けて、オーディオなどを操作するタッチスライダーが備わっている。

センターコンソールからは従来のようなシフトセレクターは姿を消し、バイワイヤー化されたコンパクトなシフトスイッチとなった。これは、現行型のポルシェ 911などが採用を始めたデザインで、ボディ骨格をともにする新型アウディ A3も同様の仕組みとなる。
 

フォルクスワーゲン ゴルフ▲スタータージェネレーターと、リチウムイオンバッテリーを用いたマイルドハイブリッドを採用。WLTCモード燃費は1Lモデルで18.6km/L、1.5Lモデルで17.3km/L

歴代ゴルフが世界のベンチマークであり続けているのは、実用性の高さやデザインだけが理由ではない。ベースにあるのは優れた走行性能だ。

新型では、フォルクスワーゲン初の48Vマイルドハイブリッドシステム(MHEV)を採用。最高出力110ps/最大トルク200N・mを発揮する1L 3気筒の「1.0eTSI」と、150ps/250N・mを発揮する 1.5L 4気筒の「1.5eTSI」の2種類があるが、いずれもその排気量からは想像できない、パワフルな走りと優れた燃費性能を両立している。

メルセデス・ベンツ、BMW、アウディといったジャーマン3の躍進や、マツダ3など日本勢の台頭もあって、いまCセグメントは群雄割拠する。それでもなお最新のゴルフは、ベンチマークであり、魅力的なピープルズカーであり続けている。
 

フォルクスワーゲン ゴルフ▲ラゲージ容量は通常380L、後席を倒せば最大1237Lまで拡大する
文/藤野太一、写真/河野敦樹

【試乗車 諸元・スペック表】
●フォルクスワーゲン ゴルフ eTSIスタイル

型式 3AA-CDDFY 最小回転半径 5.1m
駆動方式 FF 全長×全幅×全高 4.3m×1.79m×1.48m
ドア数 5 ホイールベース 2.62m
ミッション 7AT 前トレッド/後トレッド 1.54m/1.51m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
4WS - 車両重量 1360kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 -kg
ミッション位置 フロア 最低地上高 -m
マニュアルモード    
標準色

ドルフィングレーメタリック、アトランティックブルーメタリック、ピュアホワイト、ムーンストーングレー、ディープブラックパールエフェクト

オプション色

ライムイエローメタリック、キングズレッドメタリック、オリックスホワイトパールエフェクト

掲載コメント

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型式 3AA-CDDFY
駆動方式 FF
ドア数 5
ミッション 7AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 ドルフィングレーメタリック、アトランティックブルーメタリック、ピュアホワイト、ムーンストーングレー、ディープブラックパールエフェクト
オプション色 ライムイエローメタリック、キングズレッドメタリック、オリックスホワイトパールエフェクト
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
フロア
マニュアル
モード
最小回転半径 5.1m
全長×全幅×
全高
4.3m×1.79m×1.48m
ホイール
ベース
2.62m
前トレッド/
後トレッド
1.54m/1.51m
室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
車両重量 1360kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 -m
掲載用コメント -
エンジン型式 DFY 環境対策エンジン -
種類 直列4気筒DOHC 使用燃料 ハイオク
過給器 ターボ 燃料タンク容量 47リットル
可変気筒装置 燃費(JC08モード) 18.7km/L
総排気量 1497cc 燃費(WLTCモード) 17.3km/L
└市街地:12.8km/L
└郊外:18km/L
└高速:19.8km/L
燃費基準達成 -
最高出力 150ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
250(25.5)/3500
エンジン型式 DFY
種類 直列4気筒DOHC
過給器 ターボ
可変気筒装置
総排気量 1497cc
最高出力 150ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
250(25.5)/3500
環境対策エンジン -
使用燃料 ハイオク
燃料タンク容量 47リットル
燃費(JC08モード) 18.7km/L
燃費(WLTCモード) 17.3km/L
└市街地:12.8km/L
└郊外: 18km/L
└高速: 19.8km/L
燃費基準達成 -