【試乗】新型 メルセデス・ベンツ Sクラス|ドライバーファーストのレジェンド的高級セダンが進化を遂げた
カテゴリー: メルセデス・ベンツの試乗レポート
2021/07/25
上品かつ一層扱いやすくなったレジェンドサルーン
メルセデスのフラッグシップサルーン“S”クラス。
もはや宣伝や文言が必要ないほど、レジェンド的なサルーンだろう。メルセデスのSクラスといえば、国産メーカーなどは間違いなく一目を置く存在であると言える。
そのSクラスも1972年に登場以来、このたび7代目となって2021年1月に日本導入が発表された。今回、登場からすでに半年ほど経過したが、じっくり試乗することができたので、そのフィーリングをお伝えしたい。
我々が試乗したのは、“S400d 4MATIC”のルビーライトレッドだ。
まず、標準ボディのロングホイールベースは、先代より70mmほど長くなっている。
特に後ろドアの部分が長くなり、横から見た雰囲気は、以前よりもさらに威風堂々としたスタイリング。とても優雅である。
このたび日本に導入したモデルはすべて4MATICだ。もうひとつのS500L 4MATICについては、いずれ別の機会に紹介したい。
今回の試乗では、一般道よりも高速をメインに走った。スタビリティの向上と進化したレーンキープアシストやアダプティブクルーズコントロール(ACC)などを確かめることができる絶好の機会だと、気分を高揚させて乗り込んだ。
六本木ミッドタウンから出発した我々は、早速首都高速を目指した。 ステアリングを握って真っ先に思ったのは「2924ccの直列6気筒ディーゼルターボユニットの静粛性が驚くほど高い」ということだ。
そして、70kg・mをも越えるトルクはしなやかで、アクセルとのコンビネーションは極めて上品。加速と減速を繰り返す扱いやすさがある。
これは、この柔軟なエンジン特性もあるが、9速ATのきめ細かいシフト制御のたまものでもある。
ストップ・アンド・ゴーが頻繁な一般道からいよいよ、滑らかな走りを体感できる高速へと入る。
デザイン、足さばき、どれを取っても一級品
グッとアクセルを踏み込み、ゆとりのある加速を確かめながら本線へと合流。ミラーによる視認性はすこぶる良い。斜め後方をモニターしているため、ワーニングでの知らせも適切で信頼できる。
特にアクティブブラインドアシストは、雨の日にミラーに水滴が付着したときなどに頼りになるだろう。
シートの背もたれに身を委ね、ステアリングホイールを最小舵角でクルージングすると、たくさんの車が前後左右に走ってはいるものの、気持ちがゆったりとおおらかになる。
ヘッドレストは、まるで野鳥の巣から採取した羽毛のように優しく頭を支えてくれ、これだけでとても癒される。
東名高速に入ったので、ACCとステアリングアシストを試してみる。速度を100km/hでACCをセットだ。車間距離は広くとった。
前の車両との関係で100km/h以下で速度が上がったり下がったりと変化はするが、ブレーキングで速度を落とすのがとても上手だ。
これは、先代よりもさらに細かくなったようだ。シフトポジションも最適で自動的に加速するときも、前の車両にゆったりと追従してゆとりを感じさせる。
アクティブレーンチェンンジは、先代のモデルの方がより積極的だった印象だ。
たっぷりとしたストロークのサスペンションは、瞬時に最適な乗り心地をつくり出している。
こんなに乗り心地がいいのは、フルサイズのこのモデルクラスではピカイチだと断言できる。
有料道路の走行を終了し、箱根の国道1号線を走る。
とてもタイトな道幅だが、大きさを感じさせない車両感覚はSクラスの真骨頂といえる。
途中、昼食のためホテルにて車庫入れをしたが、これは他では真似できないほど楽に操作ができた。結構基本的なことではあるが、まっすぐ入れやすいというのは重要だ。
出発したときに感じたのは、リアアクスルステアリングという後輪操舵により、前方がタイトであっても思った以上に小回りが利くということだ。
それも、逆位相でタイヤが操舵しているのだが、自然な走りを体感できて好印象だ。
軽く箱根のワインディングを走ってみたが、大きく重いボディにもかかわらず、スタビリティは抜群だ。
高級サルーンながら、ロールをコントロールして車重を感じさせないハンドリングはとても良い。
メルセデスベンツの最高峰サルーンは、どんなところにもドライバーに恥をかかせない扱いやすさがある。
【試乗車 諸元・スペック表】
●S400d 4MATIC
型式 | 3DA-223033 | 最小回転半径 | 5.4m |
---|---|---|---|
駆動方式 | 4WD | 全長×全幅×全高 | 5.18m×1.92m×1.51m |
ドア数 | 4 | ホイールベース | 3.11m |
ミッション | 9AT | 前トレッド/後トレッド | 1.65m/1.68m |
AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
4WS | ◯ | 車両重量 | 2090kg |
シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | -kg |
ミッション位置 | コラム | 最低地上高 | 0.12m |
マニュアルモード | ◯ | ||
標準色 |
オブシディアンブラック、オニキスブラック、ルビーライトレッド、グラファイトグレー、モハーベシルバー、ハイテックシルバー、エメラルドグリーン、セレナイトグレー、アンスラサイトブルー |
||
オプション色 |
ダイヤモンドホワイト |
||
掲載コメント |
- |
エンジン型式 | OM656 | 環境対策エンジン | - |
---|---|---|---|
種類 | 直列6気筒DOHC | 使用燃料 | 軽油 |
過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 76リットル |
可変気筒装置 | - | 燃費(JC08モード) | 14.3km/L |
総排気量 | 2924cc | 燃費(WLTCモード) |
12.5km/L
└市街地:8.8km/L └郊外:12.5km/L └高速:15.5km/L |
燃費基準達成 | - | ||
最高出力 | 330ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
700(71.4)/3200 |
型式 | 3DA-223033 |
---|---|
駆動方式 | 4WD |
ドア数 | 4 |
ミッション | 9AT |
AI-SHIFT | - |
4WS | ◯ |
標準色 | オブシディアンブラック、オニキスブラック、ルビーライトレッド、グラファイトグレー、モハーベシルバー、ハイテックシルバー、エメラルドグリーン、セレナイトグレー、アンスラサイトブルー |
オプション色 | ダイヤモンドホワイト |
シート列数 | 2 |
乗車定員 | 5名 |
ミッション 位置 |
コラム |
マニュアル モード |
◯ |
最小回転半径 | 5.4m |
全長×全幅× 全高 |
5.18m×1.92m×1.51m |
ホイール ベース |
3.11m |
前トレッド/ 後トレッド |
1.65m/1.68m |
室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
車両重量 | 2090kg |
最大積載量 | -kg |
車両総重量 | -kg |
最低地上高 | 0.12m |
掲載用コメント | - |
エンジン型式 | OM656 |
---|---|
種類 | 直列6気筒DOHC |
過給器 | ターボ |
可変気筒装置 | - |
総排気量 | 2924cc |
最高出力 | 330ps |
最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
700(71.4)/3200 |
環境対策エンジン | - |
使用燃料 | 軽油 |
燃料タンク容量 | 76リットル |
燃費(JC08モード) | 14.3km/L |
燃費(WLTCモード) | 12.5km/L
└市街地:8.8km/L └郊外: 12.5km/L └高速: 15.5km/L |
燃費基準達成 | - |
自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。