▲メルセデス・ベンツ Aクラスセダン▲Aクラスに初めてセダンが登場。メルセデス・ベンツ最小のセダンに、自動車テクノロジーライターの松本英雄氏が試乗した

コンパクトでもメルセデス然としたスタイリング

初代Aクラスが登場してからもう23年を迎える。

この約四半世紀で、時代とともにその形は変わってきた。

最初は近未来的で、少しハイトがあるコンパクトなモデルだった。

それは高級とか頑丈というよりも、これからの自動車を示唆するような未来的要素を含有したものであった。

そしていまAクラスは、このクラスではこれ以上ない装備を装着されている。

2つ上のクラスと比べても、遜色のない装備だ。

ハッチバックがメインであったが、Aクラスでは4代目にして初めてセダンが登場した。

ハッチバックの基本コンポーネントに、トランクとキャビンを分けたスタイリングにしたノッチバックである。

横から見たデザインはなかなか貫禄があって、メルセデスはセダンのスタイリングに一日の長があると感じる。

それは非常に落ち着いた佇まいといっていい。

エンジンバリエーションは、いずれもガソリンで1.4Lと2.0Lの2つのユニットにターボチャージャーが装着されている。

今回試乗したのは、A250セダンに4WDを搭載した2Lモデル「A250 4MATIC Sedan」だ。
 

メルセデス・ベンツ Aクラスセダン ▲真正面からではハッチバックとの違いはほとんどわからない
メルセデス・ベンツ Aクラスセダン ▲台形型のシルエットは、サイズ以上にどっしりとした印象を受ける

ハッチバックを凌駕する乗り心地と静粛性

2Lターボユニットから224馬力を発揮し、トルクは36kg・mもある。

スペックから見てもわかるとおり、最高出力よりもドライバビリティを重んじたモデルだ。

では、実際に試乗してみよう。

内装はハッチバックと変わらない。

しかしエンジンを始動すると、静粛性がすこぶる良好であることがわかる。

レバーをDに入れてアクセルをゆっくりと踏んでいく。

DCT方式のATだが滑らかでいい。クリープも穏やかで乗りやすい。

アクセルを踏んで少し速度を上げる。

明らかにハッチバックよりも乗り心地がいい。静粛性も上だ。

FFベースだが、下り坂でもフロントヘビーという感覚はない。

ソフトなコーナリングは落ち着いていて、その様はスタイリングと類似している印象だ。

路面の段差を乗り越える音も「トンットンッ」と、いい音をして乗り越える。

17インチのタイヤとの相性の良さを感じた。
 

メルセデス・ベンツ Aクラスセダン ▲フロントパネルのデザインもAクラス ハッチバックと同じ。上質とシンプルが同居する
メルセデス・ベンツ Aクラスセダン ▲標準で装備されているのはピレリ P7の17インチタイヤ。上質な乗り心地をつくり出す

4WDがもたらすゆとり

上り坂で少し加速すると、安定感がとてもいい。

フロントと路面とのコンタクトが希薄になると、ステアリングフィールに落ち着きがなくなるが、それだががまったくない。

左右に振れやすくなるシチュエーションだが落ち着いている。

FFのみで大きなトルクを扱うのはやはり難しいのだろうか。

この雰囲気で4WDというのはドライバーにゆとりを感じさせる。

A250 4MATIC Sedanは、酸いも甘いもかみ分けた浮ついていない人が乗る。

そんなオーラが、外観とパフォーマンスからうかがえる車だ。
 

メルセデス・ベンツ Aクラスセダン ▲Aクラス ハッチバックをセダン化したというより、新たなセダンを丁寧に生み出したという印象のAクラス セダン。大型化を敬遠する層にとって魅力的な選択肢であることは間違いない
文/松本英雄、写真/篠原晃一

【試乗車 諸元・スペック表】
●メルセデス・ベンツ A250 4MATIC Sedan

型式 5BA-177147M 最小回転半径 5m
駆動方式 4WD 全長×全幅×全高 4.55m×1.8m×1.43m
ドア数 4 ホイールベース 2.73m
ミッション 7AT 前トレッド/後トレッド 1.57m/1.58m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
4WS - 車両重量 1530kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 -kg
ミッション位置 コラム 最低地上高 0.14m
マニュアルモード    
標準色

ポーラーホワイト、ジュピターレッド

オプション色

デジタルホワイト、コスモスブラック、デニムブルー、イリジウムシルバー、マウンテングレー、モハーベシルバー

掲載コメント

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型式 5BA-177147M
駆動方式 4WD
ドア数 4
ミッション 7AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 ポーラーホワイト、ジュピターレッド
オプション色 デジタルホワイト、コスモスブラック、デニムブルー、イリジウムシルバー、マウンテングレー、モハーベシルバー
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
コラム
マニュアル
モード
最小回転半径 5m
全長×全幅×
全高
4.55m×1.8m×1.43m
ホイール
ベース
2.73m
前トレッド/
後トレッド
1.57m/1.58m
室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
車両重量 1530kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 0.14m
掲載用コメント -
エンジン型式 260 環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆
種類 直列4気筒DOHC 使用燃料 ハイオク
過給器 ターボ 燃料タンク容量 51リットル
可変気筒装置 - 燃費(10.15モード) -km/L
総排気量 1991cc 燃費(WLTCモード) 12.9km/L
└市街地:9.1km/L
└郊外:13km/L
└高速:15.6km/L
燃費基準達成 -
最高出力 224ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
350(35.7)/4000
エンジン型式 260
種類 直列4気筒DOHC
過給器 ターボ
可変気筒装置 -
総排気量 1991cc
最高出力 224ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
350(35.7)/4000
環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆
使用燃料 ハイオク
燃料タンク容量 51リットル
燃費(10.15モード) -km/L
燃費(WLTCモード) 12.9km/L
└市街地:9.1km/L
└郊外: 13km/L
└高速: 15.6km/L
燃費基準達成 -
松本英雄(まつもとひでお)

自動車テクノロジーライター

松本英雄

自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。