▲2002年の登場以来、初のマイナーチェンジを受けたプロボックス/サクシード。営業現場の声がつぶさに拾い上げられ、また一段「プロフェッショナル」のための車が進化した ▲2002年の登場以来、初のマイナーチェンジを受けたプロボックス/サクシード。営業現場の声がつぶさに拾い上げられ、また一段「プロフェッショナル」のための車が進化した

営業車として大切なポイントを押さえた車

プロユース向けにトヨタが専用ボディで作ったのがプロボックス/サクシードだ。今回、2002年に登場以来初のマイナーチェンジを受けた。排気量はプロボックスが1.3Lと1.5L、サクシードは1.5Lのみとなっている。ともにガソリン仕様だ。

▲こちらは109psを発生するプロボックスの1.5Lエンジン。95psを発生する1.3Lエンジンもラインナップする。サクシードは1.5Lエンジンのみ ▲こちらは109psを発生するプロボックスの1.5Lエンジン。95psを発生する1.3Lエンジンもラインナップする。サクシードは1.5Lエンジンのみ

まずは1.5L仕様から。荷室に100kgのおもりを乗せてのインプレッションとなる。登り坂での発進は、ヒルスタートアシストのおかげでブレーキペダルから足を離してもすぐには下がらない。これは荷物を積んでいる商用車にはとても助けになる。下がることを嫌って必要以上にアクセルを踏み込むと、発進と同時にトルクが急激に立ち上がって加速するため、積んだ荷物も動きやすい。このアシストはそれらを緩和する役割もある。

▲ラゲージスペースは2名乗車時で400kg、5名乗車時で250kg積載可能。A4コピー用紙箱で最大89個を積むことができる ▲ラゲージスペースは2名乗車時で400kg、5名乗車時で250kg積載可能。A4コピー用紙箱で最大89個を積むことができる

荷物を積んでいることもあるだろうが乗り心地はすこぶる良い。ガタピシひとつ言わず商用車であることをつい忘れてしまう。また、電動パワステでありながら、地に足が付いた手応えのある操舵感も良い。落ち着いてステアリング操作ができる設定はドライバーの疲労軽減につながるからだ。エンジンはトランスミッション(CVT)との調和によりトルクは十分だが、回転が上昇したときのノイズが気になる。

1.3L仕様は走る楽しさも存分に味わえる

続いて1.3L仕様を試した。今度は助手席にも体重50kgほどの同乗者を乗せてのインプレッション。それにも関わらず良く走る。エンジン回転は高くなりがちだが、1.5Lよりもノイズは少なく快適だ。CVTとのマッチングが良く、走らせる楽しさも存在する。営業マンが車好きならばこちらを気に入るはずだ。

1.3Lは燃費で劣るものの最大トルクが1.5Lよりも800回転も低いところで発生するため、200cc少ない排気量の差はそれほど感じない。営業車は運転者が疲れにくい仕様がいちばん大切だが、それは排気量ではなく全体的なバランスであることが分かる1台である。

▲センタートレイは、照明とドリンクホルダーが付き。1Lの紙パックも収納できるサイズ ▲センタートレイは、照明とドリンクホルダーが付いている。1Lの紙パックも収納できるサイズ
▲運転席左側に設置されているマルチホルダーは、スマートフォンやメモ帳などが収められる。幅の調整も可能で、最大幅は80mm ▲運転席左側に設置されているマルチホルダーは、スマートフォンやメモ帳などが収められる。幅の調整も可能で、最大幅は80mm

【SPECIFICATIONS】
■グレード:プロボックス DX ■乗車定員:5名
■エンジン種類:直4DOHC ■総排気量:1329cc
■最高出力:95/6000[ps/rpm] ■最大トルク:121/4000[N・m/rpm]
■駆動方式:FF ■トランスミッション:CVT
■全長×全幅×全高:4245×1690×1525(mm) ■ホイールベース:2550mm
■車両重量:1090kg
■車両本体価格:131.76万円(税込)

■グレード:サクシード TX ■乗車定員:5名
■エンジン種類:直4DOHC ■総排気量:1496cc
■最高出力:103/6000[ps/rpm] ■最大トルク:132/4400[N・m/rpm]
■駆動方式:4WD ■トランスミッション:CVT
■全長×全幅×全高:4245×1690×1530(mm) ■ホイールベース:2550mm
■車両重量:1170kg
■車両本体価格:179.8691万円(税込)

text/松本英雄 photo/尾形和美