第88回ジュネーブ国際モーターショー2018:ブガッティ、「シロン・スポーツ」を発表
2018/03/07
・より硬いサスペンションと新しいダイナミック・トルクベクタリングを備えたダイナミック・ハンドリング・パッケージを開発
・18kgの軽量化に成功
・コーナリング性能が大幅に向上:ナルド・ハンドリング・サーキットでシロンよりも5秒速いラップタイムを記録
・ブガッティは、シロンを超えるスポーツ・ドライビング体験とワインディングロードにおけるより高いコーナリング・スピードを求めるお客様に向けてシロン・スポーツを開発
・新しいホイールデザインと4本のエキゾースト・ディフレクターがデザイン上の相違点
・シロン・スポーツは、業界初のカーボンファイバー・ウィンドスクリーン・ワイパーを採用
・本体価格は、約265万ユーロ(諸経費抜き)(米国市場:326万米ドル、輸送費、関税、税、手数料などを含む)
・よりスポーティな外観を演出するため、お客様は好みのカラーおよびトリムを選ぶことができる
・納車開始は2018年末を予定
モルスハイム/ジュネーブ、2018年3月6日:ブガッティ シロン*が2016年のジュネーブ国際モーターショーでデビューしてから2年、ブガッティは、1,500PSの最高出力を誇るスーパースポーツカーによりいっそうの磨きをかけて、新しいスポーツ・バージョンを発表しました。フランスを代表するラグジュアリーブランド、ブガッティは、今年、シロンの発表と同じ場所で、最高出力とパフォーマンス・データを変更せずにハンドリングと俊敏性を大幅に向上させたシロン・スポーツ*を公開します。ブガッティは、ダイナミック・ハンドリング・パッケージを開発するとともに約18kgの軽量化に成功しました。その結果、シロン・スポーツは、シロンを上回るコーナリング・スピードを実現。イタリア南部のナルド・ハンドリング・サーキットでは、シロンよりも5秒速いラップタイムを記録しています。スポーツ・バージョンとスタンダード・バージョンの外観上の相違点は、ホイールデザインと4本出しの新しいエキゾースト・ディフレクターです。シロン・スポーツの本体価格は、約265万ユーロとなり、輸送費、関税、税および手数料を含む米国市場における本体価格は、326万米ドルに設定されています。シロン・スポーツは、カラー&トリム・パッケージ・オプションにより、スポーティな外観をカスタムメイドすることも可能です。お客様への納車は、2018年末から開始される予定です。
ブガッティ・オートモビルズS.A.S.社長 ステファン・ヴィンケルマンは、「私たちは、ワインディングロードでより優れたダイナミクスを提供し、シロン以上のスポーツ・ドライビング体験を求めるお客様の声にお応えし、シロン・スポーツを開発しました」と述べています。「私たちが重要視したのは、究極のパフォーマンス、加速性能、最高速度に、ラグジュアリーな装備、快適性、日常の使い勝手などを融合した、シロン独自のキャラクターには一切手を加えないことでした。」
この信念により、シロンの驚異的なパワーやパフォーマンス・データ、高い日常性や利便性はまったく変化していません。その一方で、シロン・スポーツは、シロンを大きく上回るハンドリング性能を提供します。
「シロン・スポーツは、明らかに軽快さが増し、俊敏性は新たなレベルに達しています。とりわけタイトコーナーの俊敏性が向上した結果、ワイディングロードやハンドリング・サーキットにおけるエモーショナルな走りがいっそう高められています」と、ヴィンケルマンは付け加えています。
シロン・スポーツには、新開発されたダイナミック・ハンドリング・パッケージが搭載されています。ブガッティ開発担当者は、シロン・スポーツにより硬いサスペンションを設定しました。ショックアブソーバーの制御ストラテジーが変更され、平均でシロンよりも10%程度硬いレスポンスを返します。ステアリングには、卓越したダイレクトフィールと予測しやすいパフォーマンスを犠牲にすることなく、改良のメスが入れられています。新しいセットアップは、シロン・スポーツがハンドリング・モードに設定された時だけ機能するため、ドライバーはEBモードとの違いを明確に感じることができます。
上記の変更に加えて、リヤ・ディファレンシャルの最適化が図られるとともに、新たにダイナミック・トルクベクタリングが追加されました。この機能は、左右の駆動輪に個別にトルクを配分し、特にタイトコーナーにおけるステアリング・パフォーマンスと俊敏性を飛躍的に向上させます。この変更は、あらゆるドライビング・モードで効果を発揮します。
また、新たなパーツを採用したことによる約18kgの軽量化もシロン・スポーツの俊敏性向上に貢献しています。中でも最大の軽量化ポイントは、新しい軽量ホイールとカーボンファイバーの多用です。例えば、スタビライザー、インタークーラー・カバー、新開発されたウィンドスクリーン・ワイパーもカーボンファイバーで製造されています。シロン・スポーツには、軽量ガラスによるリヤ・ウィンドーや軽くなった新しいエキゾースト・ディフレクターも装着されています。
この結果、シロン・スポーツのレスポンスはさらに向上し、コーナリング・スピードも高められました。ナルド・テストサーキットのハンドリング・コースでは、標準仕様のシロンよりも5秒速いラップタイムが計測されました。ナルドは、そのレイアウトから、シロンのパフォーマンスの指標とするサーキットとして最適であり、200km/hを超える超高速コーナリングにおいても、そのハンドリング・ポテンシャルを最大限に発揮しました。
ブガッティがシロン・スポーツのために開発したウィンドスクリーン・ワイパーアームには、興味深い技術ディテールが見て取れます。シロン・スポーツは、市販モデルとして初めて、カーボンファイバーを素材とするウィンドスクリーン・ワイパーが採用されています。新開発されたこの新しいワイパーにより、シロン・スポーツからは従来型ワイパーには必然だったジョイントが消えました。ジョイントの機能自体がカーボンファイバー構造に一体化されています。アルミニウム製ワイパーアーム・チップの製作には、3Dプリンターを使用したプロセスが採用され、軽量化が実現されています。新しいカーボンファイバー・ワイパーは、従来のワイパーと比較して77%、1.4kg軽量化されています。また、カーボンファイバーという新素材によって、ワイパーアーム形状も変わり、空力特性が向上しました。
シロン・スポーツは、“Course”と名付けられた新しいアロイホイールとエキゾースト・ディフューザーにより、ひと目見た瞬間からシロンと明確に区別することができます。シロン・スポーツにはさらに、その名称を決定づける様々なデザイン・エレメントが採用されています。例えば、エンジン・スターター・ボタン、ステアリングホイールのドライビング・モード選択用のノブ、マーケティング・プレートは、すべてブラック・アルマイト仕上げとされ、ドアシル・ストリップには“Sport”のロゴが誇らしげに装着され、センターコンソールにも“Chiron Sport”のロゴが刺繍されています。
ブガッティ・デザインチームは、シロン・スポーツ専用にカラー/トリム・オプション・パッケージを開発し、お客様が自らの手でさらにスポーティな外観を演出できるようにしました。ジュネーブで公開されたシロン・スポーツには、すべてのオプションが選択可能です。
ボディはクラシックなツートーン・カラーがベースです。Aカラーと呼ばれるボディ後方のカラーはグレーカーボン、Bカラーと呼ばれるフロントのペイントワークにはイタリアン・レッドが採用されています。レッド以外では、“フレンチ・レーシング・ブルー”やシルバー基調の“グリ・ラファール”、ダークグレーの“ガンパウダー”が設定されています。
サイドラインの大きな特徴となっているアルミニウム合金製のC型トリム・ストリップは、Bカラー(本ケースでは、“イタリアン・レッド”)にペイントされています。このレッドは、ブレーキキャリパー、ハブキャップのEBロゴ、リヤスポイラー下部、そしてインタークーラー・カバーのラベリングにも採用されます。レッドのカラーは、カーボンファイバー・インタークーラー・カバーやホイールリム、シロンのアイコンというべきリヤライトのアルミニウム・ベゼル、リヤのEBロゴ、ラジエーターグリルに燦然と輝くブガッティ・ホースシューの“ガンパウダー”グレイと、非常に印象的なコントラストを生み出しています。
さらに、レッドの“16”がラジエーターグリルのブラック・グリッドで異彩を放っています。これは、エンジンの気筒数を表しており、シロンのパワーユニットの独自性をアピールしています。
インテリアはブラックを基調に仕上げられています。すべてのコントロール類は、ブラック・アルマイト仕上げです。また、ステアリングホイールとセレクターレバーは、スエードレザーで仕上げられています。さらに、ブガッティは、インテリアに3種類の素材を厳選しました。まず、Aピラーやサンブラインドを含むルーフライナー、リヤ・ウォールトリム、シルトリム、センターコンソール下部、シート・サイド・クッション内側、およびラゲージ・コンパートメント・ライニングにアルカンターラを使用し、シート、ドアトリム内側、インストルメント・クラスター・トリムを含むダッシュボード・アイランド、ステアリングホイールのエアバッグ・コンテナ、アームレストおよびセンターコンソール・インサートには、スムースレザーが採用されています。最後に、ダッシュボード、ドアトリム、バックレスト背部、ステアリングコラム・ハウジングは、素地を活かしたカーボンファイバーで作られています。
エクステリアのBカラー(ジュネーブモーターショー展示車では“イタリアン・レッド”)は、インテリアにも応用され、控えめながらも印象的なアクセントとなっています。具体的には、ステッチ、シートベルト、車両中央のC形状ライトバー・サラウンド、リヤビュー・ミラー背面、センターコンソール収納コンパートメント・ライニングがこのカラーで彩られています。
このオプション・カラー/トリム・パッケージを含めた展示車両の価格は、298万ユーロ(諸経費抜き)(米国価格:367万2,000米ドル、諸経費込)です。2018年ジュネーブ国際モーターショーに出展される市販モデルの中で最高価格と思われます。
ジュネーブ国際モーターショーは、2018年3月8~18日、ジュネーブのパレエキスポ展示センター(Palexpo Exhibition Centre)にて開催。ブガッティ・スタンドは、ホール1に設営されています。
*燃料消費量(L/100km):市街地 35.2、郊外 15.2、複合 22.5、CO2排出量:複合(g/km):516、効率クラス:G
ブガッティについて
ブガッティ・オートモビルズS.A.S.は、究極のプロダクション・スーパースポーツカー・メーカーです。シロンは、ブガッティのブランド価値「Art Forme Technique」を具現化した最新の製品です。「Art Forme Technique」は、ブガッティの起源、エレガンス、時代の移ろいに色褪せないデザイン、究極のハイパフォーマンスを実現する技術開発力を象徴しています。ブガッティは、シロンによって究極の最高速度を追求しているだけでなく、ラグジュアリー、快適性、日常性、および耐久性のあらゆる面で、もっとも過酷な要求にも応えるスポーツカーを目指しています。シロンは、これらのあらゆる側面において最良を究め、ユニークなスーパースポーツカーのコンセプトを体現しています。
1909年に設立され、モルスハイムのアルザス地方に本社を置くブガッティは、2005年から2015年の間にヴェイロンを計450台生産し、2016年秋からはシロンの生産を開始しました。生産台数限定500台のシロンは、現在までに300台以上の受注を完了しています。
1998年よりフォルクスワーゲングループの傘下となった同ブランドには、約300名の社員が在籍。現在、ヨーロッパ、北アメリカ、中東及び極東の17ヶ国に34のディーラーとサービスパートナーを持つ、世界規模の自動車メーカーです。