今や軽自動車にも装備されて、自動車の安全性を高めている自動ブレーキ。ほかにも、車載カメラで車線を認識し、車線から外れるとハンドルを自動操作して車線内に戻す機能を装備している車も珍しくない。ここまで来ると期待してしまうのが、「自動運転」だ。

一昔前には、遠い未来の技術だった自動運転だが、ここに来て、実現可能な技術として注目を集めている。

2013年8月には、M・ベンツが、ドイツ・フランクフルトの南に位置するマンハイムからプフォルツハイムまでの全長約100kmのルートで「S500 INTELLIGENT DRIVEリサーチカー」による自動運転実験に成功。信号やロータリー式交差点を無事走り抜け、歩行者や自転車にも危険を与えることがなかった。

ちなみに、M・ベンツは、日本やアメリカなど、様々な国で自動運転のテストを行う予定。2020年頃に高速道路で、2025年までには一般道でも市販車で実用化を見据えているという。

さらに、驚くべき自動運転車を発表したのが、Googleだ。以前から、トヨタプリウスをベースにした自動運転車は有名で、ニュースなどで独りでにハンドルがクルクル回る映像を見たことがある人は多いだろう。

しかし、今回発表されて話題になっている自動運転車は、さらに驚くこと間違いなしだ。なんと、ハンドルもアクセルもブレーキもない。人がやることといえば、シートベルトを締めてボタンを押すだけ。あとは、スマートフォンなどのアプリを使って目的地を設定すれば、車が勝手に連れて行ってくれる。

基本的な考え方は、「プリウスをベースにした自動運転車」や「S500 INTELLIGENT DRIVEリサーチカー」と同じで、カメラやセンサーから集めた情報をもとに、コンピューターが状況を分析しながら走るのだが、ハンドルやアクセルを取っ払ってしまうところに、自動車メーカーではないGoogleの強さとPRの上手さを感じてしまう。「“自動”運転車」の実用性を示すには、これ以上ないデモンストレーションといっていいだろう。

現在、アメリカでは、ネバダ州、フロリダ州、カリフォルニア州、ワシントンDCで、自動運転が認められている(2013年7月末現在)。もしかすると、日本でも近い将来、自動運転車が公道でテスト走行を始める日が始まるかもしれない。

外観は非常に可愛らしい形。まるで、子どもが初めて描いた、いわゆる車の絵といったところだろうか。愛くるしい見た目に思わず笑みがこぼれる

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最高速度は25マイルに設定。いざというときには緊急停止ボタンで止まる。とはいえ、試しに乗車した親子は、常に手を握りあっていた

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